1~2歳児が最も大変!?「子育てがいちばんしんどい時期」と子育ての疲れ解消法TOP3

子育ては心身共に全力で挑まなければ、とてもこなせません。優雅で愉快な子育てなどしょせんは作り話。実際は汗にまみれ、子どものおしっこやうんちにまみれ、食べこぼしにまみれ、時には子どもの吐しゃ物にもまみれます。

夜泣きで起こされ、外出先では暴れる子どもと周りの視線に冷や汗をかき、近所のスーパーマーケットでは、あっちで下の子が泣いたかと思えば、こっちで上の子が売り物の包装を破るなど、てんてこまい。子育てがひと段落した段階で振り返れば、全てが美しい思い出かもしれませんが、育児の真っ最中には前向きに考える余裕を失っていて、「もう疲れた……」とパンクしてしまう瞬間もあるはずです。そこで今回は、子育てに疲れてしまったときの対処法をまとめたいと思います。

2歳、3歳、4歳、それとも5歳?子育てで最も「疲れた」と感じやすい時期は?

そもそも素朴な疑問として、パパ・ママたちは子育てで本当に疲れているのでしょうか。冒頭で汗ひとつかかない子育ては作り話と書きましたが、一方で「子育ては疲れる」という決めつけも、もしかしたら思い込みかもしれません。

そこで少し古い調査になりますが、日本労働組合総連合会が行った「子ども・子育てに関する調査」をチェックしてみましょう。調査対象は20~49歳の男女で、3000人分の有効回答を基に作成されたリサーチになります。同調査には、「子育てをしていてストレスを感じることがあるか」との問いがあります。ストレスと疲労感は必ずしも直結しないかもしれませんが、ストレスも継続的に感じていれば、疲労感につながっていくはず。

上述の問いに対して、ストレスを「常に感じる」「よく感じる」「時々感じる」と回答した人は、全体の76.8%になります。男女別の回答では

  • 女性・・・86.8%
  • 男性・・・64.3%

となっています。やはり女性が子育ての中心で、女性の方がストレスを感じている傾向が見えてきます。特に女性の場合、「常にストレスを感じる」と答えた人の割合が14.0%、「よく感じる」と答えた人の割合が28.0%です。合計で4割以上の人が、日常的にストレスを感じているのですから、子育てで「もう疲れた……」とパンク寸前の人も、決して少なくないと言えそうです。

小学校入学前が子育ての大変さのピーク

 

とはいえ、「子育て」といっても、子どもが1歳のときと15歳のときでは、ストレスや疲労感も異なってくるはずです。年齢別に見て、いつごろが最もストレスが大きく、「疲れた」と燃え尽きてしまうリスクが高まるのでしょうか。

上述の日本労働組合総連合会の調査には、末子の年齢別に、親がどの程度のストレスを感じているのかといった調査もあります。割合として最も多くの親がストレスを感じる子どもの年齢は、1~2歳(85.1%)。次いで3~5歳が83.8%となっています。むしろ新生児の親は76%と、その後の数年と比べればまだ低いです。

末子が3~5歳を過ぎ、小学校の入学を迎える6~11歳になると、子育てにストレスを感じる親の割合が77.8%と、70%台に落ちます。その後は子どもの年齢が上がるとともに、親のストレスは減っていきます。最終的に末子が18歳以上になると、子育てにストレスを感じる親の割合は65.9%まで下がります。

もちろん、同調査でも明らかにされているように、「子育てにかかる金銭的負担」などは一般的に子どもが大きくなるほどに増していきますので、子どもが大きくなってもストレスが完全になくなるわけでは決してありません。しかし、少なくとも子どものしつけや食事、成長や発育の未熟さをサポートするための手取り足取りの介助は、子どもが小学校に入るころには、ある程度の落ち着きを見せるはず。その意味で最も親が「疲れた……」となりやすい子どもの年齢は、末子が3~5歳までと考えて良さそうですね。

「子育てって、いつの時期がいちばん大変!?」4人の現役ママが本音で語る! 
子育て中の現役ママに、子育ての大変さを座談会で聞きました! 集まってくれたのは、未就学児から小学生の子供をもつママ4名 左/橋本知佐さん ...

父親と母親では違う? 子育てに疲れたと感じる瞬間

 

では、パパとママ、子育てに「疲れた……」と感じる瞬間は、性別によって異なるのでしょうか。もちろん単純に、同じ子どもを抱っこする動作でも、一般的に筋力が大きく発達した男性の方が、疲れは少ないはずです。片手に買い物袋を提げ、片手に上の子を抱っこしながら、背中に下の子を背負って家まで歩くなどの動作も、やはり男性の方が負担感は少ないはず。

そういった理由からでしょうか。上述の「子ども・子育てに関する調査」を見ても、男女で育児にストレスを感じる瞬間は、内容そのものに大きく違いがないものの、同じ問題に対するストレスの感じ方が、男性の方が低いという傾向が見られました。

女性の方がストレスを感じやすい?

ただ、「子育てにかかる金銭的な負担」に対して、男女の内訳を見ると、男性が49.6%、女性が63.8%がストレスを感じていると明らかになっています。女性の社会進出が叫ばれている現代ですが、産前産後の休業、育児休業などで育児に女性が専念し、男性が仕事を続けるという形は、まだまだ一般的なはず。金銭的な責任は男性の方が負うべきで、男性の方がストレスを感じてしかるべきなのにもかかわらず、男性の方が金銭問題に対してストレスを感じていないという結果も出ています。

最も分かりやすい性別による違いは、「子育てにおいてストレスを感じる瞬間がない」と回答した人の割合になります。男性は13.5%ですが、女性は4.6%。男女で子育ての悩みの種類は違いがないものの、同じ問題でも女性の方がより深刻に悩み、男性の方が楽観視しているという傾向が見て取れます。その理由は明らかにされていませんが、もしかすると脳の違いなのかもしれませんし、「子育ては女性のやる仕事だ」とステレオタイプな考えを男性側が持って、どこか育児の責任感を背負いきれていない意識の軽さがあるのかもしれません。

 

もう子育てをやめたい!? 子育てに疲れたとき、みんなはどうしてる?

 

子育ての疲れがピークに達する時期は、末子が1歳から5歳までで、どちらかと言えば父親より母親の方がストレスを感じていると述べてきました。その意味で言えば、1~5歳の子どもを抱えている母親は「もう疲れた……」とバーンアウトしてしまう恐れが高いと言えます。子育てに疲れたときにはどうすればいいのでしょうか。

子育てにストレスを感じたときの解消法ランキング、1位は?

日本労働組合総連合会「子ども・子育てに関する調査」では、ストレスを感じた経験のある人に、その解消法を聞いています。ストレスと疲れは必ずしも直結しませんが、ストレス解消法は疲れの解消法とも重なる部分はあるはず。特に要注意な女性が心掛けるストレス解消法を多い順に並べると、

  • 第1位・・・好きなものを食べる(51.8%)
  • 第2位・・・おしゃべりをする(50.4%)
  • 第3位・・・寝る(47.0%)

となっています。類似の調査で、森永乳業が行った「ママのストレスとその解消法」という育児ママ100人に行った調査でも、ストレスを感じたときのママの解消法として、

ママのストレスとその解消法は?

  • 第1位・・・とにかく誰かに話す 愚痴を聞いてもらう(34人)
  • 第2位・・・誰かに子どもを預ける(26人)
  • 第3位・・・好きな物 おいしい物を食べる(22人)

という回答が並んでいます。どちらも似ていますよね。「ああ、もう疲れた……」となれば、実家の両親に、あるいは夫に育児を頼み、友達と一緒に好きな物を食べながら、おしゃべりに夢中になれば、気分転換になって疲れは大いに癒やされるかもしれません。

心身の疲れには、もちろん「寝る」も最高です。最も親のストレスが高まる子どもの年齢は1~2歳、次いで3~5歳だと紹介しました。1~2歳はまだ厳しいかもしれませんが、3~5歳のときは、両親に子どもを見てもらっている間に、まとまって昼寝をするなどの工夫も可能なはずです。「もう疲れた……」と糸が切れそうな場合は、各家庭に現実な方法で寝るチャンスをもらい、心身ともに大いにリフレッシュしたいですね。

 

以上、子育てで疲れたときの対処法をまとめましたが、いかがでしたか? 子育ての大変さは、子どもが小学校に入る前までがピークだと分かりました。

精神科医で子育てに関する書籍を数多く出版する故・佐々木正美先生によれば、

<子どもが幼稚園や保育園を卒園して、小学校の入学式を迎えることになった時の、親子の感動には、どんなに複雑で豊富な感情が交錯しているものでしょうか。その後のどんな学校の入学式よりも、生涯の思い出になります>(『6歳のきみへ』(小学館)より引用)

と言います。輝かしい小学校の入学式を夢見ながら、「挫けそうになっている今この瞬間も、やがて報われる」と信じられれば、何とか苦しい時期をやり過ごせるかもしれませんね。

文/坂本正敬  写真/繁信あづさ

【今も心に響く佐々木正美さんの教え】親子の信頼関係が深まる叱り方「14の心得」
子どもの育ちを半世紀以上見続けてきた児童精神科医・佐々木正美先生。ご逝去から1年以上経った今も、先生の残された子育ての著作や言葉はママたちの...

参考

子ども・子育てに関する調査 -日本労働組合総連合会

ママのストレスとその解消法 -森永乳業

※ 佐々木正美・文 佐竹美保・絵『6歳のきみへ』(小学館)

編集部おすすめ

関連記事