こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。魚を離乳食に取り入れたいな!と思うママも多いと思います。私たち日本人に身近な魚のマグロも、離乳食期に食べられる食材の一つです。今回は、マグロを離乳食に使う時の注意点やレシピを紹介します!

離乳食にマグロいつから?

マグロを離乳食に使えるようになるのは、離乳食中期(7~8カ月頃)からです。離乳食初期に鯛などの白身魚を食べ慣れたらマグロにチャレンジします。
生のマグロはNG!しっかり火を通してから
大人は、生の刺身で食べる機会が多いマグロですが、離乳食に取り入れるときは生はNGです。ゆでる、焼くなどして必ずしっかりと加熱します。生の刺身は、3歳以降にチャレンジしましょう。初めて食べる時は、新鮮なものを少量から食べます。
離乳食に使えるマグロの種類
マグロと一言で言っても、いろいろな種類があります。離乳食におすすめなマグロを紹介します。
赤身やツナの水煮缶がおすすめ!
離乳食にマグロを使うなら、赤身のマグロがおススメです。赤身には鉄分やアミノ酸の一種のタウリンが豊富です。また、お手軽で使いやすいのがツナ缶。離乳食後期から使えるようになります。ツナ缶は、一般的に大人は油漬けを使うことが多いと思いますが、赤ちゃんには水煮缶がおすすめです。できれば食塩無添加のものを選びましょう。
中トロや大トロは?
中トロや大トロは、脂肪分が多く含まれているので離乳食期には使いません。
マグロのたたきは使える?
マグロのたたきはすでに細かい状態なので、離乳食に使いやすそうです。ですが、脂肪分が多いので離乳食期には使いません。
まぐろの基本的な調理方法
では、具体的に離乳食にマグロを取り入れるときの基本的な調理方法です。
マグロの臭みを取る下処理方法
マグロの臭みが気になる場合は、極少量の塩をふりかけペーパーで10分ほど包みます。また、マグロは加熱すると固くなり、刻んでもパサパサになることがあり、それを嫌がる赤ちゃんもいます。そんな時は、片栗粉をまぶしてからゆでると柔らかく仕上がります。
ゆでる
マグロは、沸騰したお湯の中に入れて、中までしっかり火が通るまで3分目安にゆでます。その後、赤ちゃんの離乳食の時期に合わせて刻みます。
焼く
焼くなら、フライパン、魚焼きグリルなどを使います。軟らかく焼くなら、フライパンに入れてフタをして、弱火でじっくり蒸し焼きします。
マグロの保存方法
赤ちゃんの1食に使うマグロはほんの少し。残ったマグロは大人が食べればいい。と言う考え方もありますが、週に何度かマグロ離乳食を作りたい場合、何度もマグロを買わなければいけなくなります。そんな時は、冷蔵保存、冷凍保存が役立ちます。
冷蔵保存方法と注意点
マグロを冷蔵保存するときは、ゆでたものを保存します。1回分を小分けの密封できる容器やラップに包み、冷蔵で2日以内で食べきります。冷蔵から出した時は必ず再加熱して火を通します。
冷凍保存はしてもいい?
マグロを冷凍保存するときは、生を冷凍する方法とゆでたものを冷凍する方法があります。どちらも、1回分を小分けの密封できる容器やラップに包み、冷凍で1週間以内に食べきります。冷凍庫から出した時は、茹でたものであっても必ず再加熱して火を通したものを赤ちゃんに与えます。
おすすめの離乳食時期別マグロレシピ
離乳食中期 マグロとオクラのとろりスープ

材料
マグロ 10g
オクラ 10g
玉ねぎ 10g
かつお昆布だし 100ml
作り方
1.オクラは、額を取り、縦半分に切って種を取り除き茹でてみじん切りにする。
2.かつお昆布だしにマグロと玉ねぎを入れて煮て、火が通ったらみじん切りにする。
3.1と2を鍋に入れて再加熱します。
離乳食後期 じゃがいもマグロハンバーグ

材料
マグロ(刺身) 15g
じゃがいも 15g
ほうれん草 2g
片栗粉 小さじ1
作り方
・マグロはみじん切りにする
・じゃがいもは皮をむいて1㎝の輪切り
・ほうれん草は湯がいてみじん切りにする
1.じゃがいもを湯がいて湯切りして細かくつぶす
2.材料をボウルにすべて入れて、よく混ぜ合わせる。
3.2を小判型に形作り、フライパンを熱して両面蒸し焼きする。
離乳食完了期 マグロステーキ

材料
マグロ(刺身) 20g
片栗粉 少々
バター 少々
作り方
1.マグロに片栗粉をまぶす
2.フライパンを熱してバターを溶かし、マグロを両面蒸し焼きする。
離乳食のマグロに関する体験談
HugKum編集部では、0~2歳の子を持つママやパパを対象に離乳食でのマグロについて、アンケート調査しました。まずは、赤ちゃんがマグロを好んで食べてくれたか聞いてみました。
Q.離乳食でお子様はマグロを好んで(嫌がらずに)食べてくれましたか?

結果は、マグロを「好んで食べた」の回答は2割以下。「食べてはくれた」の回答を合わせると半数以上となりました。離乳食中期から食べられるようになるマグロですが、離乳食ではまだチャレンジしていない方が多くみられました。
続いて、マグロを食べる赤ちゃんの様子や、与え方で工夫したこと、感想などの体験談も見ていきましょう。
★ママパパの体験談
「魚は全般好きですが、たらや鮭など柔らかいもののほうが好きなようです」(30代・神奈川県・子ども1人)
「脂がのったものなら好んで食べてくれたので、噛みやすいようにトロミをつけてあげていた。」(30代・千葉県・子ども1人)
「マグロはお刺身を買ってきて、離乳食としてよく取り入れました。理由はお刺身だと既に薄く切られており、着る手間がない上、すぐ火が通る、かつ大人はお刺身としてそのままテーブルに出すことができたので、時短したい時に便利でした。」(30代・東京都・子ども2人)
「離乳食中期頃に茹でて出したがパサついたり固かったりして食感がイマイチで最初はなかなか食べてくれなかった。とろみを増やして野菜と一緒にほぐして食べさせた。完了期頃になると片栗粉+少しの醤油で臭み取りしたマグロを揚げ焼きにするとムシャムシャ食べていた。」(30代・神奈川県・子ども2人)
「マグロはなかなか買う機会がなかったのでベビーフードに頼った」(20代・京都府・子ども1人)
「お値段が高いのでなかなか手がだせなかった。醤油と出汁で煮ると美味しかったようで食べてくれた」(30代・三重県・子ども2人)
体験談で目立ったのは、マグロは加熱するとパサパサとした食感になるからか、赤ちゃんが好まずあまり食べてくれなかったなどの声。赤ちゃんが食べやすいようにとろみをつけたり、くさみを取る工夫をしてあげたママパパも。
マグロは値段が高いこともあり、なかなか買う機会がないので、離乳食ではベビーフードを選んだり水煮缶を選ぶのもおすすめです。たまにはお刺身用のマグロを買ってきて調理すれば、大人も同じものを食卓に並べて食べることができますね。
たんぱく源になり、鉄分も豊富。それでいて手軽に使えるマグロを、離乳食メニューに取り入れてみてくださいね!


記事監修

一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。