目次
正月遊びは、子どもも大人も楽しめる!
正月遊びには、凧揚げや羽子板、かるたなど、室内でも、屋外でも遊べるものがたくさんあります。どの遊びも、子どもも大人も楽しめる遊びなので、いっしょに楽しんでみてください。それではこれから、正月遊びを10種ご紹介していきます。
正月遊び1:お正月にみんなで笑って福を呼ぼう!「福笑い」
顔のパーツを、目隠しした人が置いていくゲーム「福笑い」。できあがったユーモラスな表情が笑いを誘います。
由来
「福笑い」の由来ははっきりわかっていません。江戸時代後期あたりから遊ばれるようになり、明治時代になって正月遊びとして定着したそうです。
お正月の遊びの定番となった理由には、「笑う門には福来る」ということわざが関係しているようです。福笑いの表情を見るとおもしろくてみんなで笑いますよね。それが「笑う門には福来る」ということわざのように、新年の福が来ると考えられたからです。
遊び方
福笑いは、おかめやおたふくなどの顔の輪郭だけを描いた紙の上に、目隠しした人が目や鼻、口などのパーツを置いていくゲームです。目隠しをしているため、思わぬところに顔のパーツが置かれてユーモラスな表情となるので、それを見て楽しみます。
ルールに決まりはないので、正確な位置に目鼻を置いた人が勝ち、よりも、みんなを笑わせた顔を作った人が勝ち、などと勝負形式にしても盛り上がりますよ。また、子どもといっしょに福笑いを作って楽しむのもおすすめです。
「CCINEE 福笑い お正月遊びセット おかめとひょっとこ柄 【和玩具】」
「おかめ」と「ひょっとこ」の2つの顔で楽しめる福笑いです。目隠しをして、顔のパーツを置いていきましょう。どんなおもしろい表情ができるかな?
正月遊び2:2種類の遊び方がある「羽根つき」
羽子板と呼ばれる板で羽根を突き合う遊びです。新春の厄除けの遊びとして、古くから親しまれています。
由来
羽根つきのはじまりは、平安時代にさかのぼります。当時、「毯杖(ぎっちょう)」という遊びがありました。これは、毬(まり)をへらのようなつえで打ち合う遊びでした。時代が経つにつれ、毬が羽根に、つえが羽子板に変わっていったのだそうです。
羽根つきには、元旦に羽根を突き合うことで厄払い・魔よけになるという考えがあります。そして、羽根つきの羽根「無患子(むくろじ)」にも、文字通り「子どもが病気を患うことなく、元気に育つように」という、無病息災の意味があるそうです。そのことから、江戸時代には年末に羽子板を贈る風習があったり、現在でも女の子の出産祝いに羽子板を贈ることがあります。
遊び方
羽子板には、「追羽根(おいばね)」と「揚羽根(あげはね)」の2つの遊び方があります。
「追羽根」の遊び方は、2人が羽根を打ち合うゲームです。打てなかった場合には、顔に墨を塗るペナルティを設けることもあります。
「揚羽根」の遊び方は、1人で何回羽根を突けるか競います。
「池田工業社 ものがたり羽子板2枚組セット かぐや姫 鶴の恩返し」
かぐや姫と鶴の恩返しをデザインした2枚入りの羽子板セット。羽子板が2枚入っているから、追羽根でも、揚羽根でも遊べます。矢羽根4個付です。
▼関連記事はこちら
正月遊び3:手作りの凧を揚げるのも楽しい「凧揚げ」
童謡「お正月」の歌詞にも登場する、「凧揚げ」。凧には、竹ひごや和紙を使った昔ながらのものや、プラスチックの骨組みとビニールでできた現代風のものまでさまざまあります。凧は簡単に作れるので、親子で作ってみるのもいいですね。
由来
凧の起源は中国にあるのだそうです。かつて中国では、占いや宗教、戦の道具などに使われていました。それが平安時代に日本に伝わり、貴族の遊びとなりました。江戸時代になると、正月遊びのとして定着していきます。当時、凧を揚げることで、厄よけや祈願などになる、おまじないのような要素があったそうです。
遊び方
凧を風の力で、空に浮かばせます。このとき、糸をうまく操ることで、空高くまで凧を飛ばすことができます。ゲーム性のある遊び方には、どれだけ高く凧を飛ばせるかを競ったり、相手の凧を落としたり、糸を切ったりする「けんか凧」という遊び方もあります。
「池田工業社 奴凧」
奴(やっこ)の形の凧です。しっぽも付いているので、凧がふらふらしたり、くるくる回ったりすることが少ないのが特徴。凧が風に乗ったら、糸をたくさん出して空高く揚げましょう。
正月遊び4:数で勝敗を競う「めんこ」
めんこは、「ぱちん、ぱちん」と、地面に叩きつけて、相手のめんこを裏返す遊びです。
由来
現在のめんこは厚紙でできていますが、江戸時代のものは、粘土で人の顔の形に型抜かれたものでした。これは、遊びで使われていたのではなく、魔除けで使われていたのだそうです。時を経て、紙や板でできためんことなります。昭和時代には、相撲力士や野球選手、映画スターなど、当時のヒーローが印刷され、男の子に絶大な人気がありました。
遊び方
めんこの遊び方は、めんこを地面に叩きつけて、その風圧で相手のめんこを裏返すのが基本的な遊び方です。これを「起こし」といいます。裏返しためんこは自分の物となり、最終的に持っているめんこの数で勝敗を競うゲームです。
「起こし」以外にも、地面に円を書いて、めんこを円の外に弾き出す遊び方もあります。
「ユー・アイ 武者丸めんこ 24枚セット (1袋6枚入り×4袋)」
武者が描かれた丸い形のめんこ。サイズは5種類あります。いろいろな大きさのめんこを駆使して相手のめんこをひっくり返しましょう!
正月遊び5:誰でも親しみやすい「すごろく」
さいころを振り、出た目の数だけ進んでゴールを目指す「すごろく」。ボードゲームの元祖ともいえる遊びです。
由来
すごろくはいろいろな国に存在し、大きく分けて「盤双六(ばんすごろく)」と「絵双六(えすごろく)」の2種類あります。
盤の上に置かれた自分の石(駒)を相手の陣地に攻め入るゲームが「盤双六」です。起源は、古代エジプトやローマ帝国といわれていますが、定かではありません。それが中国や日本へと伝わったと考えられています。
「絵双六」は、さいころを振り、出た目の数だけ進んでゴールを目指す遊びです。江戸時代には地図の上を道順どおりに進めていく「道中双六」が流行したそうです。また明治時代には、子ども向け雑誌の付録にもなりました。現在の一般的なすごろくは、絵双六です。
すごろくは、さいころを振ってゴールを目指すので、運が重要な鍵を握ります。そのため、その年の運試しをするために、お正月にすごろくをしていたのだそうです。
遊び方
スタートからゴールまでの間にコマが書かれた紙を使い、サイコロを振って出た目の数だけ進んで、ゴールを目指します。複雑なルールがないので、小さなお子さんでも楽しめますね。
「アーテック 幼児 子供 向け すごろく ゲーム ( 水族館&動物園) 2個セット」
遊んで学べる知育すごろく。水族館の雰囲気を楽しみながら水中の生き物の種類が覚えられる「わくわくすいぞくかんすごろく」と、動物園の仲間たちに出会える「わくわくどうぶつえんすごろく」の2種類が楽しめます。
正月遊び6:かるた遊びのひとつ「坊主めくり」
「坊主めくり」は、百人一首の人物の絵札を使ったかるた遊び。百人一首の和歌を知らなくてもできるから、お子さんにもおすすめです。
由来
百人一首は、鎌倉時代に藤原定家が勅撰和歌集から和歌を選び、和歌の入門書として読み継がれてきたものです。それが江戸時代に入り、かるたとして作られたといわれています。この百人一首を使った「坊主めくり」は、いつごろ遊びとしてできたのか、また、考案者についても明らかになっていません。
遊び方
百人一首の絵札を見えないようにして山にし、参加者が1枚ずつめくっていきます。絵札の柄によって手持ちの札をあげたり、もらったりして、山がなくなったときに多く札を持っていた人の勝ちです。
絵札の柄のルールは次のとおりです。
男性の札をひいた場合:そのまま場に置く
女性の札をひいた場合:場に置かれた札を全部もらえる
天皇の札をひいた場合:山から10枚もらえる
坊主が描かれた札をひいた場合:手持ちの札をすべて場に出す
「坊主めくり」には、蝉丸の札が出たら全員の持ち札が没収されるなどのローカルルールがたくさんあります。オリジナルのルールを作って遊ぶのもいいですね。
「小倉百人一首 令和」
厚みがあり取りやすく、耐久性がある百人一首専用の抄造紙を使った百人一首です。付属の読本は充実の64ページ。すべての歌・歌人がわかりやすく解説されています。
正月遊び7:百人一首やいろはかるたなどいろいろな種類がある「かるた」
百人一首をはじめ、いろは48文字を頭字にしたことわざや語呂のいい短文を表した「いろはかるた」、地域の特徴を表したかるたなど、かるたの種類はさまざま。お気に入りのかるたで遊びましょう。
由来
そもそも「かるた」という言葉は、「カード」を意味するポルトガル語です。そのことからもわかるように、かるたは16世紀の半ば頃にポルトガルから伝来した文化のひとつだといわれています。しかし、平安時代には、「貝合わせ」という二枚貝の貝殻を合わせる遊びがあり、それが、ポルトガルから伝わったかるたと融合し、現在の遊びになったようです。
遊び方
一般的なかるたの遊び方は、札を読む「読み手」と、札を取る「取り手」に分かれて遊びます。読み手が読み札を読み、それを聞いて取り手が絵札を取ります。最終的に持ち札が多い人の勝ちです。
「にほんごであそぼ ことわざかるた」
ことわざが楽しく学べるかるたです。上の句を読んで、下の句を取るという従来の「かるた」としての遊び方だけでなく、神経衰弱のように絵あわせゲームとしても遊べます。
正月遊び8:お正月の定番遊び「コマまわし」
「コマまわし」には、物事が円滑に回るという縁起が込められていることから、お正月の遊びとして定番になったそうです。
由来
コマは、平安時代頃に中国から伝わってきたといわれています。当初は宮中の儀式の際に回していたそうですが、次第に貴族の遊びとなり、江戸時代になってから、子どもたちがコマで遊ぶようになりました。
遊び方
コマの遊び方は、芯棒と呼ばれる部分の上部を指でひねる、または芯棒の下部に紐を巻きつけて、シュッとひっぱることで回して遊びます。
対決方式の遊び方には、どらちが長く回せるか競ったり、コマ同士をぶつけ、相手のコマを台から落としたりする遊び方もあります。そのほか、回っているコマを指ではねあげて手のひらにとる「どじょうすくい」や、投げたコマを直接手のひらで回す「つばめがえし」などの技でも楽しめます。
「日本こままわし協会 認定こま ツバメ 3個セット パターンA(黒、赤、黄緑)」
日本こままわし協会認定のコマです。初めてのコマまわしから、手のせ、綱渡りなど幅広い技にも対応できます。
正月遊び9:技ができたらかっこいい!「けん玉」
けん玉は紐がついた玉を、3つの皿やけん先にのせる遊びです。海外でも人気があり、けん玉の世界大会も開かれています。
由来
けん玉の起源は明確にはなっていませんが、フランスやギリシャ、中国で生まれたのではないか、という説があります。江戸時代に日本に入ってきたようですが、そのときは今の形とは違い、鹿の角に穴をあけた玉を結びつけたものだったそうです。大正時代にようやく、今の形になります。当時は玉を日(太陽)に、皿を月に見立てて、「日月ボール」と呼ばれていました。
遊び方
けん玉は、玉を皿やけん先にのせる遊びです。さまざまな技があり、小皿→大皿→けん先にのせる技を「日本一周」、小皿→大皿→中皿→けん先にのせる技を「世界一周」といいます。一人で遊ぶことはもちろん、玉をのせるそれぞれの位置に点数を割り振って、点数を競う遊び方もできます。
「日本けん玉協会認定 New 競技用けん玉「大空」単色 赤 国産品 (OZORA KENDAMA)」
日本けん玉協会認定のオフィシャルのけん玉です。専用のアプリをダウンロードすると、持ち方の説明や、技の解説動画などを見て楽しめます。取扱説明書と交換用の予備糸が付属としてついています。
▼関連記事はこちら
正月遊び10:小さなお子さんにおすすめ「だるま落とし」
積み上がった木製の玉を、木槌でたたき、1番上のだるまを落とさないようにする遊びです。
由来
そもそもだるまは、転んでも起き上がることから縁起物として知られています。だるま落としで正月に遊ぶのも、だるまを落とさない(転ばない)ようにして、「今年一年難から逃れる(転ばないようにする)」という意味があるようです。ちなみにだるまは、禅宗を広めた人物・達磨大師がモデルですが、だるま落としがいつごろできたのかはわかっていません。
遊び方
木製の玉を積み上げて、1番上にだるまを置きます。このだるまを落とさないように、下に積み重ねた玉を木槌でたたく遊びです。複数でやる場合は、交互に打つとよいでしょう。
「萬洋 だるま落とし 7寸 70-462」
伝統竹工芸の町・大分県別府で作られた「だるま落とし」です。だるまを落とさないように、力加減や玉を打つ方向などを考えて木槌で下の段を打ちましょう。
正月の遊び場での注意点
正月遊びには室内、室外でできるものがあります。それぞれの場所で遊ぶときに注意したいことを解説します。
室内
室内で遊ぶときには、ある程度スペースのある場所を確保してください。たとえばかるたであれば、取り札を広げるスペースが必要になってきます。また、すごろくや福笑いなどでは順番やルールを守ることも大切です。そのほか、けん玉やだるま落としをする際には、家の中のものにぶつけて壊したり、ケガのないように注意しましょう。
室外
室外で遊ぶときにも、広い場所で遊ぶことが大切です。車道などの近くで遊ぶのは危険ですので、避けるようにしてください。とくに凧揚げは、電柱などが近くにない広場などで行うようにしましょう。また、お正月の時期は寒いので、暖かい服装で遊ぶといいですね。家に帰ったら、手洗い、うがいを忘れずに行ってください。
保育園
保育園では、お友だちと遊びに夢中になったり、白熱したりすることもあるでしょう。そんなときには、集中しているので、周りが見えなくなることがありますよね。正月遊びをする前に、大人がルールを守ることしっかり伝えて、ケガをしないように広い場所で遊ぶようにしましょう。
子どもも大人も楽しい、正月遊びで盛り上がろう!
正月遊びには、1年の健康を願ったり、厄除けになったりする意味が込められています。ただ遊ぶだけでなく、由来や歴史も伝えると、遊びの大切さを知ることができますね。家族や親戚、友だちが集まるお正月には、正月遊びで楽しんでくださいね。
あなたにはこちらもおすすめ
文・構成/HugKum編集部