昆虫は、身近にいる興味深い生き物です。種類や生態を知れば、「昆虫っておもしろい!」となることでしょう。そこでこの記事では、「昆虫」にスポットを当て、昆虫の定義や特徴、昆虫採集、飼育方法を解説。また、昆虫を身近に感じられる、昆虫博物館や昆虫食レストランなどのスポット、昆虫食なども紹介します。
昆虫とは
まずは、昆虫の定義や起源、特徴など、「昆虫とはなにか」について知りましょう。
昆虫の定義
昆虫とは、生物の分類上の言葉で、「六脚亜門の昆虫綱」というグループに属する生物のことを指します。定義としては、「体の基本構造が頭部・胸部・腹部からなり、6本の足、4枚の翅(はね)が胸部から生えている生物」です。ただし、この定義に当てはまらない昆虫も存在します。
昆虫の起源
昆虫の起源は、約4億8000万年前にさかのぼります。昆虫は、藻類などの陸上植物とともに、初期の陸上生態系を作り出した生物群の一つだったのだそうです。
昆虫の特徴
昆虫の成虫の体に共通する特徴は、
・体が、頭・胸・腹の大きく3つに分かれている
・胸の部分に脚が6本ある
・頭に一対の触覚と複眼(小さな目がたくさん集まってできている)がある
・口は、噛む、なめる、吸うなどのタイプがある
・多くの昆虫には、2対4枚の羽である前翅と後翅をもつ
などがあります。
昆虫のからだのつくりや仲間を知ろう!
昆虫はいろいろなかたちがありますが、からだのつくりは同じです。昆虫のからだのつくりとその役割を解説します。また、昆虫の種類を知るために役立つ図鑑もご紹介しましょう。
からだのつくり
昆虫のからだは、頭・胸・腹の3つの部分から成り立ちます。頭には、触覚、目、口などがあります。これらには、エサを探したり食べたりする役目です。胸には通常6本の足と、2対4枚の羽が生えています。動くこと、生命の維持活動を行うための器官です。腹には、食べたものを消化する器官や、呼吸を行う「気門」という器官があります。
図鑑「DVD付 新版 昆虫 (小学館の図鑑 NEO)」
美しい標本写真、的確な生態写真、大きさが把握しやすい拡大率が特徴の昆虫図鑑です。まだ発表されたばかりの最新の進化系統樹や、自由研究に活用できる難易度別の採集・飼育ページなども掲載。さらに『小学館の図鑑NEO ドラえもん・のび太のびっくり昆虫DVD』がついていて、国内、海外のの自然映像で昆虫たちの生活を見ることができます。
図鑑「むし (小学館の図鑑NEO) 」
学習図鑑売り上げNo.1『小学館の図鑑NEO』から生まれた、新・幼児向け図鑑シリーズ『まどあけずかん』。この図鑑では、200種以上の昆虫を紹介しています。100カ所以上ある、しかけまどをあけると、虫のからだの仕組みや驚きの生態が一目瞭然。身近な虫の見分け方もわかりやすく紹介しています。解説は、NHKラジオ第1「子ども科学電話相談」でもおなじみの昆虫学者・丸山宗利先生。
昆虫の仲間
地球にいる動物のおよそ75%が昆虫といわれ、種類は120万種以上もいるのだそうです。昆虫の仲間には、カブトムシ、チョウ、セミ、アリ、トンボ、カマキリなど、多くの種類がいます。それぞれ、形や特徴、生態などが違うので、ポスターや標本、図鑑などで確認してみるといいでしょう。
ポスター「昆虫 グッズ 図鑑 こども ポスター ザ・アクセス 甲虫大全 A1サイズ」
カブトムシやクワガタなどの甲虫が60種類も載っているポスターです。実物大なので迫力満点。どんな甲虫がいるのか、甲虫同士を比べて違いを見つけてみるのもおもしろいですね。
標本「実物大クワガタムシ」
長さが約6~7cmのクワガタムシの標本。クワガタムシの体のつくり、つのや足などの細部の様子を観察するのに最適です。
昆虫を採集して飼ってみよう!
昆虫は、家の庭や近くの公園、幼稚園や小学校など、身近なところにもいます。昆虫採集をし、飼って、昆虫の生態を観察しましょう。
昆虫採集
昆虫採集は、道具、場所、採集のしかたがポイントです。それぞれのポイントを説明していきます。
道具
昆虫採集に必要な道具は、
・昆虫網:虫を捕まえるために使う
・虫かご(飼育ケース):捕まえた虫を生きたままもってかえるのに使う
・ルーペ:観察するため
・懐中電灯:木の洞や暗がりで昆虫を探すときに役立つ
・軍手:石の下などに隠れている昆虫を探すときに便利
・筆記用具:どこで捕まえたかなどを書いておくため
などがあるとよいでしょう。これらの道具は、ダイソーなどの100円ショップや、ホームセンター、通販などで買えますよ。
場所
草むらや木の幹、石の下、菜園など、さまざまなところに昆虫は潜んでいます。いろいろな場所で探してみましょう。また、同じ場所でも時間帯によって現れる昆虫が違うこともあります。時間を変えて昆虫採集してみると、新たな発見があるかもしれません。
採集のしかた
採集のしかたにはいろいろあります。
・手で直接捕まえる
・飛んでいる虫を虫網で捕まえる
・バナナや光などを使ったトラップを仕掛ける
などです。虫の習性を知ると、捕まえやすくなります。図鑑などであらかじめ調べておくといいでしょう。
昆虫採集の本「昆虫採集 (学研の図鑑LIVEポケットasobi) 」
昆虫採集に必要な知識が1冊でまるっと手に入る楽しいポケット図鑑。昆虫の探し方や捕まえ方から、写真撮影、飼育の仕方、標本の作り方までがわかります。
昆虫採集セット「iplusmile 昆虫 観察ケース 昆虫観察キット」
この昆虫観察キットには、昆虫採集にはかかせない虫かごや虫眼鏡、蝶ネットなどが入っています。付属のバックパックに入れて、虫探しに出かけましょう!
昆虫の飼育
昆虫採集したら、飼育して観察してみるのもいいですね。昆虫の飼育するには、飼育用ケースや、えさとなる「昆虫ゼリー」など、それぞれの虫に合った環境を用意しましょう。
HugKumのサイト内には、てんとう虫やコオロギ、カブトムシ、クワガタの飼育方法を解説した記事があります。参考にしてみてくださいね。
昆虫を身近に感じてみよう!
昆虫をもっと身近に感じるために、「テレビ番組」「昆虫博物館」「昆虫食」でアプローチしてみてはいかが。これから紹介していきます。
昆虫すごいぜ!
「昆虫すごいぜ!」は、Eテレで不定期放送されている昆虫がテーマの番組。俳優の香川照之さんが「カマキリ先生」となり、子カマキリたちに昆虫のすごいところを授業するという内容です。これまでの放送では、トノサマバッタやモンシロチョウ、キリギリスなど授業がありました。
昆虫博物館
昆虫に会いたい人は、昆虫博物館に行ってみましょう!昆虫博物館では、世界中の昆虫が展示してあったり、珍しい虫に出会えたり、昆虫採集ができたりしますよ。
「名和昆虫博物館」(岐阜県岐阜市)
「名和昆虫博物館」は、現存する日本最古の昆虫専門博物館です。名和昆虫研究所の設立者である名和靖氏によって発見されたギフチョウや、大型種、有名種のカブトムシ、クワガタムシの展示があります。また、歩く宝石カブリモドキ、飛ぶ宝石タマムシやコガネムシ、世界最大のセミなどの、世界の珍虫・奇虫も見どころです。
「石川県ふれあい昆虫館」(石川県白山市)
日本海側で初の本格的な昆虫館「石川県ふれあい昆虫館」。ここの最大の特徴は、1年中チョウが飛んでいるところを見られる「チョウの園」です。そのほか、世界の代表的な昆虫や珍しい昆虫を標本で展示や、昆虫採集ができる「野外生態園・ビオトープ」もあります。
「ぐんま昆虫の森」(群馬県桐生市)
「ぐんま昆虫の森」は、昆虫をテーマにした体験型教育施設です。45ヘクタールの敷地に雑木林や田畑、小川などの里山を再現し、そこで暮らす昆虫の生態をじっくり観察できます。「昆虫ふれあい温室」では、日本最大級のチョウ「オオゴマダラ」が。「昆虫観察館」では、世界の昆虫や里山の昆虫を見ることが可能です。昆虫クラフト体験もできますよ。
昆虫レストラン
今や、高栄養食として世界の注目を集める昆虫食。ここでは、昆虫がおいしく味わえるレストランをご紹介します。
「ANTCICADA」(東京都中央区)
「ANTCICADA(アントシカダ)」は、「地球を愛し、探求する」がコンセプト。2種類のコオロギで出汁をとった「コオロギラーメン」や、旬の虫を使ったコース料理が味わえます。
「米とサーカス」(東京都渋谷区)
ジビエと昆虫料理が堪能できるレストラン「米とサーカス」。ここでは、「6種の昆虫食べ比べセット」や、「オオグソクムシの姿揚げ」などがメニューにあります。また、クロレラ(藻)クリームにコオロギやミールワーム、タガメを載せた華やかな「MUSHIパフェ」などのスイーツも楽しめますよ。
「珍獣屋」(神奈川県横浜市)
横浜野毛にある「珍獣屋」は、店名のとおり珍しい食材が食べられるお店。昆虫食には、トノサマバッタやゲンゴロウ、コガネムシの唐揚げや、「昆虫5種盛り」などがあります。時期によっては、カブトムシやオオカマキリが味わえることも!
昆虫食
ドライ昆虫や昆虫スナック、昆虫の瓶詰めなどなら手軽に昆虫食を楽しめます。
「食用 昆虫ミックス 15g(Mixed Bugs) (5種類)昆虫食」
オケラ、シルクワームサナギ、ヨーロッパイエコオロギ、グラスホッパー、サゴワームの5種類の虫を、スナック感覚で味わえる商品です。味付けは塩のみなので、それぞれの虫の素朴な味わい、食感を楽しめます。
「花九曜印 いなご甘露煮」
いなごの甘露煮は、信州を代表する郷土料理。いなごの姿そのままに、甘辛い味付けで、そのまま食べるのはもちろん、スパゲッティーやご飯にもぴったりです。カリッとした歯ごたえを楽しめるように、足部・羽根部をあえてつけたまま加工しているのだそう。お試しあれ!
「未来コオロギスナック 2×5袋」
昆虫そのままの姿を食べるのは、少し抵抗がある…という人には、コオロギの粉末が入ったサクサクスナックはいかが?味は、コオロギの出汁がきいた近未来ラーメン味。どんな味なのかは食べてからのお楽しみです!
親子で昆虫の世界を知ろう!
昆虫は、身近なところで案外たくさん見つかります。採集や飼育はもちろん、食べることもでき、意外な発見がたくさんあるでしょう。パパママも一緒に、子どもと昆虫の世界を知ってみてはいかがでしょうか。
文・構成/HugKum編集部