子どもの字が下手なのはなぜ?
「字の形やバランスが理解できていない」
「鉛筆の持ち方や書き順を間違っている」
などなど、子どもの字が下手な理由にはさまざまな要因が考えられます。特に、文字が読めるようになって間もない低学年のお子さんであれば、「文字」というもの自体にまだ不慣れ。ある程度の字の汚さは仕方がないことです。
しかし、「字は人を表す」という言葉があるように、いつまでも字が汚いと、将来的には恥ずかしい思いをしたり、なにかと「損」な印象を与えたりすることもあるかもしれません。少しずつでもいいので、きれいな字を目指した練習をしていけるといいですよね。
そこで今回は、子どもでも今からはじめられる「きれいな字を書くポイント」や、おすすめの「字の練習帳」をお伝えしていきます。
きれいな字の書き方のポイント
まず、字をきれいに書く際の大前提として、「ゆっくり丁寧に鉛筆を動かす」ことを心がける必要があります。急いで書くと、字の形やバランスにまで気が回らず、雑な仕上がりになってしまいがちに。ゆっくり、丁寧に、そして下記の3つのポイントに注意しながら、一画一画を大切に書いてみましょう。
はね・とめ・はらいを意識する
文字のメリハリの決め手となる「はね・とめ・はらい」。この3つを意識するだけで、文字は格段にきれいに見えます。
「とめ」はしっかり確実に。
「はね」「はらい」は、書き順を意識しつつ、少しずつ線が細くなるように力を調節しましょう。
少しだけ右上がりに・右下の隅は低く
横画を少しだけ右上がりに書くと、目の錯覚現象によって文字が美しく見えると言われています。この際に注意したいのが、すべての字の横画を並行(おなじ角度)に右上がりにすること。また、右下隅の点やはらいは、重心を取るように低く書くと、よりバランスが良く見えます。
文字のバランスをとる
ひとつの文字の中で「隣り合う隙間は大きさが同じになるように均等に書くこと」や、複数の文字の「字間を一定に保つこと」「文字を均等に配置すること」など、文字のバランスをとることも大切です。ひとつひとつの文字の形だけでなく、文章全体のバランスにも気を配れるようになれば、かなり上達してくるはず。
子どもの字の練習で大切なこと
きれいな字を書くためには、書き方のポイントを抑えることはもちろん、繰り返し練習をして身体で覚えていくことも大切です。しかし、ただ何度も書く練習をするだけでは効率が悪いことも。効率よく綺麗な字を習得するために、心がけたいポイントをまとめてみました。
練習を作業にしない
子どもの「字の練習」でありがちなのが、文字をただ書いているだけの作業になってしまうこと。なにも考えずに文字を繰り返し書いているだけでは、いつまで経っても上達はしません。字の形やバランス、上記でお伝えしたポイントにしっかり意識を向けながら、一画一画を大切に書くようにしましょう。
書き順・姿勢・鉛筆の持ち方を気をつける
鉛筆の持ち方や姿勢・書き順を正すことも、字の上達への第一歩です。正しくできるように、下記の3点を練習しながら癖づけておくことが理想的です
【鉛筆】人差し指の指腹と親指でつまむようにし、中指の左側・つめの根元のあたりで支えて持つ
【姿勢】背筋はピンと伸ばし、お腹は机やテーブルから拳ひとつ分距離を置く
【書き順】教科書やドリルを参考にしながら、一字ずつ正しく書く
継続できるように楽しい工夫を
字をきれいに書くことと同様に大変なのが、子どもの集中力を持続させたり、練習を継続させること。特に、字の練習のような反復練習に子どもは飽きてしまいがちです。好きな言葉や楽しいモチーフを練習の題材に取り入れるなどの工夫をして、お子さんのモチベーションを維持しましょう。
子ども向け「字の練習帳」おすすめ 5選
字の練習には、練習帳やワークの活用も有効です。ここでは、HugKumメルマガ読者のご家庭からアンケートに寄せられた人気商品を交えつつ、子ども向けのおすすめ「字の練習帳」をご紹介していきます。
なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳
タイトル通り「なぞらない」ことが特徴の、子どものひらがな練習帳。薄い灰色の文字を上からなぞる「なぞり書き」は、頭を使わない単純作業なので、子どもは飽きてしまいがちです。ですが、本書で中心となるのは、お手本の字を見ながら真似をする「写し書き」。ひとつひとつの字に、たとえば「『あ』の最後は風船が眠っています。『ふうせんさんをおこさないようにゆっくりね」といったナビゲーションが付いていて、イメージしやすく楽しく取り組むことができます。飽きずに継続しやすいと定評のある一冊。
「1ページ一文字ずつなので、継続しやすい」(40代・千葉県・子ども2人)
「筑波大学附属小学校の先生が開発した、ひらがなをなぞり書きしないテキスト。バランスよく文字が書ける様になりました。」(30代・和歌山県・子ども2人)
小学生のためのきれいな字になるワーク 漢字・言葉・文章
字をきれいに書くために大切なのは、一文字単位の練習だけでなく、単語や文章単位でもバランスよく書けるように練習していくこと。本書は、そんな字の「バランス」に焦点を当てたワークです。字の形を6種類に分類したり、紛らわしい字をセットにして教えることで、子どもに「相手が読みやすい字」を意識させたり。また、書き方のアドバイスは、「ピョンッ」「シュー」「ピタッ」などの擬音で表現。隅から隅までイメージしやすい工夫が凝らされているので、しっかり考え、理解しながら字の練習ができます。
1週間でみるみるうまくなる! 子どもの文字練習帳
きれいな字を書くためには、まずは「きれいな字とはどんなものか」というイメージを掴む必要があります。本書では、そんな「きれいな字」の7つのルールを解説。1日1つ、1週間。短期集中型で練習をすることで、どんな字にも応用できる「コツ」を効率よくマスターできます。字をきれいに書くための、はじめの一歩におすすめのワークです。
30日できれいな字が書ける 子どもの美文字練習帳
えんぴつをぐるぐる動かす練習から、「とめ・はね・はらい」まで、字の基本がしっかりと学べる一冊。ひらがなの構造や、ひとつひとつの文字の注意点など、それぞれのポイントをしっかり解説していきます。1日見開き1ページで、上手な字を30日間で習得できる、みっちり型のプログラム。見開きページの下部には 「ぬり絵」スペースも設けられているので、小さな子どもでも毎日飽きずに練習できます。
ミルミルきれいな字が書ける! 子どもの美文字 ひらがな練習帳
未就学児から使える本書では、鉛筆の持ち方や姿勢など、きれいな字を書くための基本の所作を一から伝授。似た形の文字をまとめて練習する順番法を中心に、キャラクター犬と一緒に運筆のおけいこをしていきます。線の流れがわかり、楽しく集中して取り組めると好評です。
大人が客観的にチェックし、アドバイスすることも大切!
子どもはひとりで字の練習をしていると、自分の間違えや癖に気づけない場合があります。そのため、大人が客観的にチェックをして、それらを指摘してあげることが非常に大切。どこを直せば字がきれいになるのか、探ってはアドバイスをしながら、子どもの字の練習をしっかり見守っていきましょう。
構成・文/羽吹理美