勉強を「楽しい」と思える子・思えない子は何が違う? 子どもを前向きにするための学習のポイント

「勉強しなさい!」「宿題はやったの?」と、なかなか机に向かってくれない我が子を叱責することに、うんざりしていませんか? 子どもたちはいったいどうしたら、楽しく自発的に勉強に取り組んでくれるのでしょうか。

子どもはどうしたら勉強を楽しめる?

ふだんの学校生活に受験…と、勉強は、子どもにとって避けては通れないものであり、生きる力や広い視野を身につけていくために欠かせないものでもあります。

子ども自身が自発的かつポジティブに向き合ってくれるに越したことはありませんが、多くの子どもたちが勉強に対して「つらい、きらい」といったネガティブな感情を抱きがち。
まずはそのイメージを払拭して、「楽しい」ものとして捉えられるようにしてあげたいものですよね。

そこで本記事では、子どもにとっての「勉強=楽しい」という気持ちの育み方にフォーカスします。
子どもが勉強を「楽しい」と感じられることでどのようなメリットがあるのか、反対に、どうして「楽しくない」と感じてしまうのか、そしてどんな工夫が有効なのかを解説の上、HugKum読者のご家庭でお子さんが「勉強を楽しめるようになった」体験談をご紹介します。

「勉強=楽しい」ものだと、どんなメリットがある?

なかには「そもそも勉強が楽しい必要ある?」と思われるママやパパもいるかもしれません。
ですが、子どもにとって勉強が「楽しい」ものであると、いいことだらけなのです。ここではまず、想定されるメリットをおさえておきましょう。

学習意欲が育まれる

勉強が楽しく感じられるようになると、自然と「もっと知りたい」「もっとやりたい」という学習意欲が育まれていきます。すると、次第に大人から言われなくても、自発的に学習に取り組めるようになることが期待できます。

集中力が上がる

また「楽しい!」と感じられることで、ゲームや遊びをしているときのように、勉強に没入できるようになります。いつの間にか、他のことに気が逸れないような集中力が身についているかも。

自分で考える力や、疑問を解決する力も身につけられる

勉強が楽しいと感じられるようになると、ただ「詰め込む」のではなく、自分で考えながら学習に取り組めるようになります。考える力が身につくと、芽生えた疑問を解決したいという意欲や、自ら解決していく力も育まれることが期待できます。

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子どもが勉強を「楽しいと思えない」理由は?

では反対に、子どもが勉強に苦痛を感じがちなのはどうしてなのでしょうか? 楽しく勉強するためのコツを見ていく前に、その理由や原因を考えて、参考にしてみましょう。

なんのために勉強するの? 目的がわからない

勉強が楽しいと思えない子の多くは、勉強することに理由や目的を見出せていません。自分で納得できないまま取り組むことは「やらされている感」にもつながり、苦痛の一因になるといえます。

強制的にやらされている

また、大人から「やりなさい」と強制されて取り組んでいる子も、勉強にネガティブなイメージを持ちやすくなります。
叱られるようにして取り組むほどに、「勉強=嫌い、辛い、苦手」といった意識を強くしてしまうおそれが。

完璧主義すぎる

完璧主義で、失敗する・間違えることをおそれすぎていることも、勉強に楽しく取り組めないことの原因に。子ども自身に限らず、周りの大人が失敗や間違いに対して厳しいことも同様の影響を及ぼしているかもしません。

他にもっと没頭していることがある

他にもっと没頭していることがあるのに「勉強のせいでそれができない」となると、どんなにメリハリをつけようにも、勉強に対してはやっぱり苦痛を感じてしまいがち。没頭できるものが勉強のほかにあることは、もちろんとっても良いことなので、両者の折り合いのつけ所はなかなか難しいところです。

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勉強を「楽しいもの」にする方法は? 親がやってあげたい工夫

当然のことながら、子どもに楽しく学習してもらうためには、その方法を工夫していく必要があります。ここでは、子どもに「勉強って楽しい!」と思ってもらうためにやっておきたい工夫についてお伝えしていきます。

ゲーム/遊び感覚で取り組める工夫をする

まずやっておきたいのが、勉強にゲームor遊び感覚で取り組めるような工夫。
教材を面白いものにしてみたり、ご家庭独自にゲーム性を取り入れてみたり、基本的なことで構いません。最近では、学習アプリや勉強系のYouTubeチャンネルもありますよね。「勉強しなきゃ」と意気込みすぎずにできる学習法を取り入れてあげましょう。

達成感を与える

ちいさなことでも良いので、こまかな「ゴール」を設けてあげることで、勉強をするごとに達成感が得られるようになります。「〇〇ページごとに溜まるスタンプカード」「〇〇ができるようになったらもらえるシール」を作るなど、目に見えて達成感を味わえるような工夫をしてあげると、メリハリもつけやすくなります。

ほめ方を工夫する

勉強をして、親から褒めてもらえることは嬉しいもの。ですが、褒め方によっては逆効果になるおそれがあります。
満点を取ったときや、成績が上位になったときだけ…といった褒め方は、「間違えたらダメ」「失敗は許されない」といった意識を子どもに植え付け、勉強に対する苦痛を感じさせてしまうかもしれません。ハードルを下げて、たとえ間違えても克服しようとする努力が大切であることや、失敗は誰にでもあることを諭しながら、小さなことから褒めてあげましょう。

勉強に「好きなこと」を盛り込んでみる

勉強のほかに好きなことや没頭していることがある子には、その対象を勉強に盛り込めるような工夫をしてあげましょう。たとえば、マンガが好きな子なら、漢字の勉強は好きなマンガのセリフを題材にしてみたり、計算もそのマンガの中のモチーフで考えてみたり…。多少無理矢理になっても、子どもの興味を引くことが大切です。将来の夢がある子なら、勉強をする動機とその夢を繋げて考えられるようにアドバイスしてあげるのも◎!

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子どもにきっかけを作ったママパパの体験談

ここからは、HugKum読者のママパパたちからアンケートに寄せられた、子どもの「勉強=楽しい!」のきっかけとなったできごとをご紹介。多くのお子さんが、ちょっとしたポジティブなできごとによって、勉強に積極的に取り組めるようになったようです。

褒めてモチベーションをあげる

まずご紹介するのは、「とにかく褒めてモチベーションを上げた」とのエピソード。褒められると学習における自己肯定感が上がり、「もっと勉強しよう」と前向きになれる子が多いようです。子どもが勉強している際には、自己肯定感最優先でポジティブな声がけをしてあげましょう。

「テストでいい点を取ったり、友達に勉強を教えてあげることで、自分の力をより上げていこうとモチベーションが上がった様子。なんでも褒めまくる」(30代・青森県・子ども2人)

間違っても良いと声をかける

また、「間違っても良い」とプレッシャーを取り除いてあげることが効果的だったとの声も寄せられました。間違えても決して叱らないこと。同時に、間違えてしまったときはその原因を一緒に考えてあげると、間違えることへの恐怖感がなくなるだけでなく、考えることの楽しさが育まれるようです。

「得意不得意で違いはあるが、正解を出せることが嬉しい様子だ。出来たところや得意なところはしっかり褒める。 間違ったところは一緒に考える。間違っても良いよと声をかける。」(30代・佐賀県・子ども1人)

得意科目を見つけてから勉強を楽しむように

こちらは、「まずは得意科目をみつけることからはじめた」ご家庭のエピソード。自分の「得意」がひとつ見つかると、他の科目においても、興味のありそうな分野を探しやすくなります。得意が派生して、一気に色々なことに関心が持てそうですね。

「得意教科を見つけてから。興味のありそうな分野を一緒に勉強してみる」(50代・福島県・子ども2人)

自力で解けると自信がついた

中には、問題が自力でひとつ解けたことで自信がつき、勉強をすることが楽しくなったという子も!  たとえ些細なことでも、成功体験は他の科目を含む学習全体への自信につながります。成功を自覚できるように、なにかを達成したときは、ぜひ褒めてあげましょう。

「問題が解けるという自信がつくと、分からない問題も自分で考えてみようかなと思うようになり、そして自力で解けるとまた自信がついて、どんどん勉強に取り組みやすくなったと思います。毎回ではないですが、宿題などしているとき、自分も一緒にやってみると、子供も楽しくなるようです。」(40代・広島県・子ども2人)

自信がついたことで進んで学習するように

こちらも「自信」がきっかけとなって、勉強が楽しめるようになったお子さんのエピソードです。勉強をしていて「できる」「わかる」という感覚がつかめてくると、そのノウハウをさまざまな科目に応用できるようになります。勉強にポジティブなイメージを抱けるので、自然と自発的に取り組めるように。

「出来る、分かる、が増えて自信に繋がり、自ら進んで学習に取り組むようになった。教えて欲しいと言わてれた時には、手を止めて直ぐに教えるようにしている。やる気を維持させる為。」(40代・茨城県・子ども1人)
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勉強における子どもの「自信」を育ててあげましょう!

みなさんの体験談からも読み取れるとおり、子どもにとっての勉強を「楽しいもの」にしていくためには、周囲の大人が工夫を凝らしてあげることはもちろん、自信をつけてあげることが大切です。どんなに勉強が苦手で、間違えだらけ・失敗だらけの子でも、褒めてあげられる部分はきっとたくさんあるはず。ほんの些細なことでも構わないので、勉強におけるお子さんの良い点をひとつひとつ拾って褒めてあげましょう。少しずつ、勉強にポジティブなイメージが抱けるようになるはず。

文・構成/羽吹理美

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