「宿題って、やる意味ある?」宿題をしない子・やりたくない子へのアプローチ方法

「はやく遊びたいがために宿題を適当に済ませている」「長期休みの宿題をなかなか始めない」などなど、子どもの宿題への取り組み方にお悩みのご家庭は多いはず。いざ机に向かってもだらだらしていて、「そんなやり方じゃあ、どんな宿題もやる意味ないよ…」と嘆きたくなることもあるかもしれません。いったいどうすれば、自主的かつポジティブに宿題に向き合ってくれるのでしょうか。

本来、宿題とはなにか? 「意味あるの?」疑問の声も

自主的に取り組んでくれれば問題はありませんが、そう簡単にはいかない「子どもの宿題」。「宿題やったの?」「はやくやりなさい」などと注意するのももう疲れた…なんてママやパパはきっと少なくありません。

本記事では、そんな子どもの宿題事情を調査! 「宿題」という言葉が持つ意味や目的から、子どものやる気を出すためのアプローチ方法までを考えます。

「宿題」という言葉の意味

「宿題」という言葉は、「あらかじめ与えて考えさせる問題」を指します。「宿」はいわゆる宿泊所のことではなく「前からの」という意味。もともとは詩会などの会日数日前に出題するものを「宿題」と呼んでいたことから、学校教育の場においても使われるようになりました。

そもそも、宿題の目的とは?

授業毎、もしくは長期休暇に合わせて出題される宿題には、「家でも机に向かう癖を付ける」「授業への理解を深める」など、様々な目的が想定されます。さらに、授業で学んだことを記憶に「定着」させるための反復練習である場合もありますよね。科目や出題によってその意図は異なるので、まずは「なぜ今この宿題が出ているのか」を考えてみることが大切です。

「宿題は意味がない」と感じるママパパも…

しかしながら、なかには「宿題」という制度に対して「意味がないのでは?」「時間の無駄なのでは?」といった疑問を抱くご家庭もあるようです。HugKum読者のご家庭にアンケート調査をしたところ、実際にいくつかの疑問の声が見受けられました。疑問に感じる理由として、特に目立つのは「子どもが宿題を作業化しているので内容が身についていない」というもの。

下記では、そのほかにも寄せられた声を引用の上、ご紹介いたします。

「あっという間に終わる。戻ってきて間違いを見直さないのであまり意味がない。やってるだけ。」(40代・北海道・子ども2人)
「宿題の内容が本人の実力と合っておらず、つまらない、とよく言っている。しかも、つまらない問題がある程度大量に出される。親から見ても、レベルがもう少し合ったものを、と思うのだが、所詮、公立小学校なので望んでもむだかなと思う。」(40代・兵庫県・子ども1人)
「宿題をなぜやらないといけないのか、と言われて返答に困った」(40代・兵庫県・子ども2人)
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子どもが宿題を「やらないorやりたくない」のはなぜ?

アンケートの回答にもあったように、宿題を「つまらないと感じている」子どもや、「作業としてこなしてしまっている」ことで、その内容をほとんど身につけられていない子どもは珍しくありません。

では、なぜ多くの子どもたちは、宿題に対して「やりたくない」「仕方がないからやっている」とネガティブな姿勢になってしまうのでしょうか。

子どもの宿題に関するお悩み体験談

そこで、HugKum読者のご家庭に「子どもの宿題に関するお悩み」に関して同じくアンケート調査を実施。その結果、いくつものお悩みが集まりました。

まずは引用の上、みなさまからの回答をお伝えします。

「2年生になってから、宿題の量が多く難しくなって、自らすすんでする事が無くなった。」(40代・愛知県・子ども2人)
「宿題をなかなかやりたがらない。やっと始めてもすぐに飽きてしまい、何度も何度もこちらから声を掛けている」(40代・宮城県・子ども2人)
「寝る前ギリギリになるまでやらない。終わらせることを優先し、内容を理解することを疎かにしがち」(30代・広島県・子ども1人)
「仕方なくやっていること。何故宿題があるのか、やらなければならないのかを理解して取り組んでほしい。」(40代・愛知県・子ども2人)

宿題の目的がわからない

上の回答にもあるように、子どもが宿題をやらない・やりたがらない理由としてまず挙げられるのが、「宿題をやる目的がわかっていない」こと。目的がわからないと、自分の意思とは関係なく「やらされている」感がより色濃くなってしまうため、仕方なく作業としてこなしてしまいがちに。

勉強についていけてない

また、そもそも授業についていけていないため、宿題はもちろん、その科目に取り組むこと自体に苦痛を感じている、というケースも多いようです。苦手に対しての打開策が見出せていないと、家で机に向かうことが余計につらくなってしまいますよね。

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宿題をしない子をやる気にさせるには

では、そんな子どもたちに前向きに宿題に取り組んでもらうには、親としてはどのようなアプローチをしていけば良いのでしょうか。ここでは、その解決策をご提案します。

宿題の意義を一緒に考える

一見無意味に思える宿題にも、先生・学校側の意図があるはず。たとえば、漢字の書き取り。すでにわかりきったことを宿題として何度もやらされていると、ついつい時間がもったいないような気がしてしまいます。しかし、学んだことを「定着」させるためには、内容の理解と同様に反復練習をすることも重要です。作業化せず一画一画を大切に、授業で習ったポイントを反芻しながら繰り返し書き取っていくことで、記憶への定着が期待できます。

「なぜ、この宿題が出されているのか。」
子どもの宿題への姿勢に疑問を感じたら、このような出題の意図を一緒に考えてみましょう。目的が明確になれば、「なにを重視して取り組むべきか」がわかりやすくなり、宿題の作業化も防げるのではないでしょうか。

つまずいている箇所を克服する

また、もしもお子さんが勉強につまずいていて、宿題に苦痛を覚えているようであれば、「どこでそうなってしまったのか」を究明し、克服に向けて働きかけてあげましょう。苦手を克服できた経験は、その後の学習にもきっと役立ちます。

ママパパの「子どもをやる気にさせた」成功体験談

HugKum読者のママパパにも「子どもをやる気にさせた」成功体験談を聞いてみました。みなさんからの回答としては、宿題を「日課として習慣づけたことで、自主的に取り組むようになった」との声が目立ちました。

以下では、みなさんからのコメントを引用の上、ご紹介いたします。

「帰ってからのルーティンを決めることで、それが習慣化して、自主的に取り組むようになった」 (30代・岡山県・子ども3人)
「幼少のころから、毎日机に向かうことを習慣化させていた。内容は勉強でなくても良い。字を書くことが楽しい時期であれば、それをやっていた。その子供の興味に合わせて、机に向かい作業をする時間を必ず設けていた。」(40代・兵庫県・子ども1人)
「宿題をしてから遊びに行くという約束を最初にしたので、今でもその習慣で、帰ったらすぐにするようになっている。」(40代・京都府・子ども2人)
「学校の方針で宿題は基本なしで自分で決めた目当てを目標に復習など自学をしていて、そのおかげで自分自身の欠点等も分かるようになった」(30代・大阪府・子ども2人)
「母親が自分自身で勉強をしている姿を幼い頃からみて、真似る習慣があったから」(40代・東京都・子ども3人)
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子どもが宿題に後ろ向きになっていたら…まずはその原因を考えてみましょう

宿題に対する子どものやる気のない姿勢を目の当たりにすると、ついつい「はやく終わらせなさい」と小言を言いたくなりますよね…。しかし、宿題の目的は「こなすこと」や「終わらせること」ではなく、授業への理解度や自分の能力を向上させること。

子どもが宿題に後ろ向きになっているときは、頭ごなしに叱らず、まずはその原因を考え、前向きになれるように働きかけてみましょう。

 

構成・文/羽吹理美

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