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素材や加熱方式から、炊飯器の選び方を徹底解説!
炊飯器を買い換えたいものの、なにに注意して選べばいいのかわからずお困りではありませんか?
ひとくちに「炊飯器」といっても、加熱方式や内釜の素材、機能、容量によって、その特性は異なります。
炊飯器選びの際は、それぞれの特性を把握した上で、ご家族の人数やごはんを炊く際のシチュエーションを考慮しながら商品を探すのがおすすめです。
そこで今回は、炊飯器選びにきっと役立つポイントとして、炊飯器に使われる主な素材や性能を解説! ご家庭に合った炊飯器選びにご活用ください。
炊飯器の加熱方式
炊飯器は、商品によって加熱方式が異なります。加熱方式によって、お米の炊き上がり時間や、仕上がりにも違いが出てくるので、好みのものを慎重に選びたいところ。まずは、そんな加熱方式の種類をご紹介していきます。
IH
釜内のコイルによって、内釜自体を発熱させる方式。内釜全体に高熱が伝わるので、ムラなく炊飯することが可能です。さまざまな素材との相性が良く、内釜との組み合わせのバリエーションが豊富な点が特徴。
圧力IH
IH炊飯器に圧力鍋の機能が加わり、100℃以上の高温で炊き上げることができるタイプです。1合約15分~20分とスピーディに炊飯できるだけでなく、お米の芯まで熱が通り、ふっくらとした仕上がりに。ただし、他よりも高価でお手入れが面倒というデメリットも。
マイコン
釜底のヒーターで釜内を加熱するタイプ。比較的火力が弱く、炊き上がりにムラが出てしまう場合があります。保温性能も高くありませんが、なんといっても他よりも安価に購入できる点がメリット。お米を炊く量が少ない一人暮らしや、少人数のご家庭向けです。
ガス火
ガス火を使うため、最も高火力が期待できる方式。内釜を広く加熱するので、炊飯量が多くても炊きムラも抑えられます。大家族や一度に一升以上炊くご家庭向け。ただし、LPガス用と都市ガス用があり、ガス栓がないと使用できません。オール家電のご家庭は要注意。
釜の素材
内釜の素材も、炊飯器選びの重要なポイントのひとつ。ここでは、炊飯器の内釜の素材の種類をご紹介していきます。
金属釜
熱伝導率や発熱効率に優れた金属釜。炊飯に関しては欠点が少ない素材として、主に鉄や銅、ステンレスが採用されています。重厚感・高級感がある見た目は魅力的ですが、釜自体が重く、鉄製にいたっては内釜だけで2kg近い場合も。
土鍋釜
土鍋釜の特徴は、蓄熱効果・遠赤外線効果が高い点。遠赤外線効果による輻射熱で釜内にゆっくりと火を伝え、米の一粒一粒を加熱していきます。そのため旨味を逃さないまま、土鍋で炊いたかのような香り豊かなご飯を炊くことが可能です。
炭釜
炭釜には、炭だけでできている場合と、炭がコーティングされている場合があります。遠赤外線効果があり、食材のうまみを閉じこめることができるほか、効率よく熱を伝導させることができます。
釜の構造
さらに、炊飯器は釜の構造によっても熱の伝わり方に差が生じます。ここでは、釜の構造の種類についても簡単に把握しておきましょう。
厚釜
厚みがある釜。熱を蓄えてじっくり炊き上げるので、土鍋を使用したときのようにふっくらとした仕上がりに。一般的に2.3mm以上の厚みの釜を「厚釜」と呼びます。
多層釜
釜が何層にも重なっているタイプで、主にIH方式や圧力IH方式の炊飯器に採用されています。中心、内側、外側、それぞれに発熱効率・熱伝導率・断熱性の高い素材を使い分け、各金属の長所を効率的に活かします。
真空釜
内釜に真空層を持つタイプ。加熱と同時に圧力鍋のような効果が働き、熱を素早くお米一粒一粒に伝えます。比較的軽量で、扱いやすい点がメリットです。
炊飯器の機能性
また、炊飯器の個性がもっとも現れやすいのが、それぞれの機能性です。主にどのようなものがあるのか、ここで押さえておきましょう。
炊き分け機能
玄米・五穀米・もち米など、さまざまな種類のお米を「炊き分け」できる機能。なかには、お米の銘柄に合わせて炊き方を変えられるもの、食感を指定できるものもあります。
調理コース機能
ごはんを炊くだけでなく、パンやケーキ、蒸し料理、煮込み料理などの調理もできる機能です。材料を炊飯器に入れてボタンを押すだけで、簡単に一品完成する便利な機能。
保温機能
昨今では、長時間保温しっぱなしにしていても、炊きたてのおいしさを保てる保温機能を各メーカーが開発しています。なかには、保温中の内釜にスチームを送り込んで水分量を保つものもあり、ごはんの風味やみずみずしさを長持ちさせます。
蒸気レス/蒸気カット
炊飯時に放出される蒸気を最小限に抑える機能。小さなお子さんやペットが誤って火傷をする可能性が軽減されるので安全です。蒸気で壁紙や家具を傷めにくいのもうれしいポイント。
家族の人数と炊飯器の容量
当然のことながら、ご家族の人数によって適した炊飯器の容量は異なります。人数ごとの炊飯器の容量の目安は以下のとおりです。
3合炊き→1~2人暮らし向け
1~2人までなら3合炊きでOK。機能性がシンプルなものを選べば、コストをかなり抑えることができるはず。
5合炊きor 5.5合炊き→3~5人家族向け
3~5人なら5.5合炊きが◎。食べ盛りのお子さんがいる場合や、ひとりひとりの食べる量によっても変動があるので、炊飯器の容量は余裕をもって選ぶようにしましょう。
一升炊き→6人以上の大家族向け
6人以上もしくはそれ以下の場合でも、食べ盛りの子どもが多かったり、男性が多いご家庭なら、一升炊きがおすすめです。万が一食べきれなかった場合は保温しておけるように、保温機能が優れている商品を選びましょう。
ママパパが炊飯器選びで重視したこと
ここからは、HugKum読者のママパパが実際に炊飯器を選んだ際に重視したポイントをご紹介。アンケートに寄せられた回答を引用の上、お伝えしていきます。
おいしく炊き上がるかどうか
まず挙がったのは、「おいしく炊き上がるかどうか」を重視したとの声。当然のことではありますが、どうせ炊飯器を新調するのであれば、これまでよりも美味しくお米を炊けるものを選びたいですよね。みなさん、理想の味にはありつけたのでしょうか?
「選ぶ理由はそれしかないと思う」(50代・鹿児島県・子ども2人)
炊き上がりの好みが選べる
また、「炊き分け」の機能を重視したというご家庭も多く見受けられました。先述したとおり、最近の炊飯器には、お米の種類や銘柄によって水分量や炊飯時間を調整できるものや、食感の仕上がりを選べるものが多くあります。ごはんのおいしさにこだわりたいご家庭は、ぜひこの機能が搭載されたものを選びましょう。
「ふっくらな食感がすきだから」(40代・宮城県・子ども2人)
大きさ
なによりも、容量が大切!との回答もありました。お子さんが食べ盛りのご家庭や、これからどれくらい食べるようになるのか想像もつかない、というご家庭なら、余裕を持って大きい炊飯器を準備しておきたいですね。
「ごはんをよく食べるので、まとめて炊けるとありがたい」(20代・千葉県・子ども1人)
洗いやすさ
使うたびに洗う必要がある炊飯器は、「洗いやすさ」も大切です。重すぎたり、洗う部分が多かったり、手軽に清潔を保てないものはできるだけ避けたいですね。
「洗う部品が少ない方が楽」(30代・埼玉県・子ども1人)
デザイン性
基本的にキッチンにむき出しで配置されるものだからこそ、炊飯器はデザイン性にもこだわりたいもの。カラーを選べるものや、真四角のもの、全体に丸みを帯びたユニークなものなど、意外にも炊飯器はデザインのバリエーションが豊富です。ご自宅の雰囲気に合ったものを選びましょう。
「生活感を出したくないから。」(30代・鳥取県・子ども2人)
機能性
調理コース機能や蒸気カット機能など、商品ごとの機能性も、炊飯器を選ぶ際の重要なポイント。炊飯器でパンやケーキが作れるなんて、ただ便利なだけでなく、なんだかお得な気分ですよね。
「毎日美味しいごはんが食べたいから。 せっかく買うのなら、いろんな調理をしたいから。」(30代・東京都・子ども2人)
価格
もちろん、価格帯も重要。機能が増えれば増えるほど価格も吊り上がってしまうので、コストを抑えたい場合は、できるだけ機能性のシンプルなものを選びましょう。
「家計が助かるから」(30代・三重県・子ども3人)
使いやすさ
炊飯器は毎日使うものだからこそ、使いやすさもしっかり見極めてから購入したいものです。お米を研いでからお茶碗に盛るまでをシミュレーションしながら商品の特性をチェックすることが大切。
「子供が自分でできるように」(50代・東京都・子ども1人)
早く炊ける
忙しいママパパに重宝されるのが炊飯器の早炊き機能。食べたいときにサッと炊くことができるので、万が一炊飯を忘れてしまったときでも問題ありません。
「忘れた時に命取りだから」(20代・愛知県・子ども1人)
子育て家庭に人気の炊飯器メーカー6選
ここからは、HugKum読者のママパパたちから寄せられたおすすめ&人気の炊飯器メーカーをご紹介。みなさん、どんなメーカーの商品を使用しているのでしょうか?
象印マホービン
保温性に優れた水筒で知られる「象印マホービン」。性能の高い炊飯器も人気です。
こちらの圧力IH式炊飯器は、釜の外側にはIH加熱と相性抜群の鉄がコーティングされているので、発熱効率が◎ 。さらに、二重の内蓋によって、保温したごはんのもっちりつやつや食感もキープ。49通りの「わが家炊き」メニューも搭載されており、徹底的に食感にこだわれる逸品です。
「保温後のおいしさキープ力が高い」(30代・大阪府・子ども1人)
タイガー魔法瓶
「魔法瓶」の性能で定評のある「タイガー魔法瓶」も、炊飯器の性能の良さで注目を集めます。
土鍋コート釜採用のこちらの商品は、「お米がふっくら炊き上がる!」とママパパたちからも好評。少量高速メニューや冷凍ご飯メニュー搭載により、時短調理にも◎。さらに、付属のクッキングプレートを使えば、炊飯をしながらおかずの同時調理もできる優れものです。
「タイガーの炊飯器が炊きあがりが良くお米が美味しいから」(40代・高知県・子ども2人)
パナソニック
炊飯器分野でも安定の人気を誇る「パナソニック」。
多岐にわたる炊飯器の商品のなかでも、「おどり炊き機能」付きのものが人気です。「おどり炊き機能」とは、お米を激しくおどらせることで、お米一粒一粒にムラなく熱を伝えるというもの。「Wおどり炊き」なら、大火力おどり炊きと可変圧力おどり炊きの2つの炊き技を組み合わせて、より甘みともちもち感のある美味しい仕上がりに。保温の際は、適宜スチームを自動投入するので、みずみずしさをキープします。
「洗う部品が他のメーカーよりも少ないから」(30代・埼玉県・子ども1人)
アイリスオーヤマ
「アイリスオーヤマ」の炊飯器は、お米の銘柄で炊き分けできる機能が特徴です。
本商品は、31銘柄それぞれの品種に合わせて炊き方を調節。お米の特徴を最大限に引出して、美味しく炊き上げます。ほか、無洗米・白米・炊きこみ・おかゆ・玄米コース搭載に加え、「煮込/蒸しモード」でシチューやカレー、蒸しパンなどの調理も可能。最大5.5合まで炊ける、ファミリーに人気の炊飯器です。
「米の銘柄により炊き革新的」(50代・東京都・子ども1人)
三菱電機
三菱電機の炊飯器は、高い火力や質の良い内釜、そして多様な炊飯モードが人気の理由。本物の炭を削り出した厚釜底を内釜に採用した本商品は、とにかく火力が強力。さらに、「冷凍用モード」「長粒米モード」「炒飯モード」など、炊飯モードも多岐にわたり、どんな食べ方でもお米の美味しさを最大限に引き出します。
「見た目がかっこいい。冷凍や炒飯などに適した炊き方ができる。」(30代・島根県・子ども2人)
日立
日立の炊飯器は、なんといっても使い勝手の良さが魅力。大火力&圧力&スチームによる「極上ひと粒炊き」で、お米を丁寧かつパワフルに炊飯するので、米料亭のような炊き上がりを再現。さらに、蒸気カット機能付きで、置き場所にも困りません。スタイリッシュなフォルムも人気の理由のひとつ。
「蒸気レスで見た目が好みのものが多いから」(30代・茨城県・子ども3人)
重視したいポイントを明確にしておきましょう
炊飯器選びで重視するポイントはご家庭によって異なります。新調する炊飯器にはどんな要素を最も求めるか、どんな機能があったら便利かを、まずは明確にしましょう。その上で、今回ご紹介した炊飯器の各特性と照らし合わせながら、ご家庭にぴったりの商品を探してみてくださいね。
構成・文/羽吹理美