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子どものSNS利用は大丈夫?
昨今では、多くの子どもが自分のスマホを持ち、簡単にSNSも利用できるようになりました。
しかしながら、やっぱり気になるのが、SNSでのトラブル。
子どもたちの間で生じるものもあれば、重大な事件につながるようなものまで、起こり得るトラブルはさまざまです。このような危険から子どもたちを守るには、大人たちはどんな対策をしていけば良いのでしょうか?
そこで今回は、HugKum読者のママパパたちに、お子さんのSNS事情をアンケートリサーチ。
まずはみなさんから寄せられた回答をもとに、子どものSNS利用の現状を見ていきます。
Q.お子さんはSNSを利用していますか?
寄せられた回答では「利用している」が69.2%、「利用していない」が30.8%との結果に。利用している子が全体の約7割を占めることがわかりました。今はSNSを「利用していない」子の中でも、ご家族との連絡用のスマホを持っていて、これからSNSを使う可能性がある子も多いかもしれないですね。
Q.SNSを利用するお子さんの学齢をお聞かせください。(※子供の人数に応じて複数回答)
また、SNSを利用しているお子さんの学齢も調査。
アンケートの結果からは、どの学年にも多かれ少なかれSNSを扱っている子がいることがわかりました。さらに、その人数は中学年に差しかかるとグッと増えることも見て取れますね。
Q.お子さんのSNS利用において不安や心配に思うことはありますか?
お子さんのSNS利用について心配に感じていることも質問してみました。
もっとも多かった心配ごとは、「知らない人とのやりとり」。顔見知りだけではない、世界中の人と簡単にコミュニケーションができるからこそ、子どもがどんな人とやりとりしているのかわからない不安が付きまといます。
次に多かったのが、「不正サイトへのアクセス」や「個人情報の流出」。大人でもこれらの危険に晒されているのに、子どもにインターネットを与えて本当に大丈夫なの?と心配になってしまいますよね。
ほか、「ネット上でのいじめ」のような、SNSを介した子ども同士のトラブルや、「顔写真のアップロードや拡散」など、SNSの危険性を理解できいないからこそ起こり得る問題も挙がりました。
ママパパの声
添えられたコメントでも目立ったのは、やはり「子どもの知識量や危機管理能力で、SNSを安全に使いこなせるのか不安」との声。
特に、子どもが自分のスマホやPCでSNSを扱っているとなると、「親の目が届かない」ことに加えて、「親に隠れて行動し事件に巻き込まれてしまわないか」など、不安は尽きません。
下記では、ママパパたちから寄せられたコメントを引用の上、ご紹介します。
SNSが原因で起こる子どものトラブル例
では、過去の子どものSNSトラブルとして、実際にはどのような事例が発生しているのでしょうか。
総務省による『インターネットトラブル事例集』を参考に、その具体例を一部お伝えしていきます。
いじめや仲間はずれ
子どものSNS利用でもっとも身近な問題が、SNSを使ったいじめや仲間はずれ。
なかでも、特定の友人をグループトークから外したり、無視したり、本人にとっては不本意な写真や動画を共有したりといった嫌がらせが目立っているようです。グループのメンバー以外は読むことができないため、大人の目に触れにくく発見が遅れがちに。
悪ふざけなどの不適切な投稿
また、未成年による悪ふざけなどの不適切な投稿もたびたび問題になっています。
不適切な投稿というのは、たとえば「ホームで線路に下りる」ような公序良俗に反する行動を撮影した写真等のアップ。
ホームで線路に降りること自体があってはならない問題ですが、それを撮影して不特定多数の目に入るSNSにアップすることで、大炎上を呼び、問題がどんどんと肥大化……あっという間に、親や学校では処理しきれないほどのおおごとになってしまう、なんてパターンはもはや珍しくありません。
個人が特定されたことから起こった被害
SNSにアップした写真や情報から個人を特定されてしまい、思わぬ事件やトラブルに巻き込まれてしまったという事例も多くあります。
最近の写真は指紋さえ分かるほど高画質で、SNSに何気なく投稿された写真からも、その場所や人に関する様々なヒントを得ることができます。ネット上でのプライベートな情報や写真の扱い方には慎重になるよう伝えていく必要があります。
【参考】総務省:インターネットトラブル事例集 (https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/)
子どものSNSトラブルに関するママパパの体験談
ママパパたちからは、実際にあったトラブルの体験談も寄せられました。
お友だちが本人の許可なくLINEグループにお子さんの写真をアップしてしまったり、お子さん自身が不適切な動画をお友だちに送ろうとしていたり……
当人たちには悪気がないからこそ、子どもたちへの情報モラル教育の必要性を痛感させられますね。
下記には、ママパパからのコメントを引用の上、ご紹介します。
事前にしておきたいSNSのトラブル対策
子どもをSNSトラブルの危険性から守るには、事前に対策しておくことが大切です。ここでは、事前に心がけたいSNSのトラブル対策をおさえておきましょう。
家庭内のルールを作っておく
SNSを利用する場合は、家庭内でのルールを事前に作っておくようにしましょう。
たとえば、アカウントの非公開設定や、知らない人と会う約束はしないこと、プライベートなことは書かないこと等々、やっていいこと・いけないことを詳細に決めておきます。
何か問題や困ったこと、悩んでいることがあった場合は、すぐにSNS上ではない身近な大人に相談することも約束しておきましょう。
フィルタリング機能を活用する
サイトの閲覧制限ができるフィルタリング機能。アダルトサイトやドラッグに関するサイトなど、有害であったり、危険度の高いサイトが子どもの目に触れないようにすることができるので、子どものうちは設定しておいたほうがベター。
有料アプリや課金対象となるサイトもフィルタリング可能なので、SNSから危険なサイトへジャンプすることを防げます。
SNS上でのルールやモラルを共有する
SNSは、不適切な投稿をしないことと同時に、肖像権や著作権にも考慮しながら使用していく必要があります。著作物や、友人の写真・動画を許可なく掲載してはならないことも説明しましょう。
もしもの時…子どものSNSトラブルの解決策
では、もしもSNS上でトラブル被害に遭ってしまったときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、主なトラブル別に解決策をお伝えします。
誹謗中傷の被害に遭ったとき
SNSでもしも誹謗中傷を受けた際は、専門の機関に相談しましょう。国が運営しているものだけでもさまざまな窓口が存在し、電話、Web、SNSなど、ご自分に合った方法で相談することができます。
困った際は、下記リンク先の案内を活用してみてくださいね。
>>総務省『安心・安全なインターネット利用ガイド』
いじめにあっているとき
SNSを通じた「いじめ」にあっているときは、基本的には学校に相談するのがおすすめです。学校が思うように動いてくれなかったり、学校への相談がためらわれる場合は、地方自治体の児童相談所に連絡をするのもアリです。
あまりにもひどく親だけで対処できない場合は、弁護士に相談して法的な対応に出ることも可能です。
身の危険を感じるとき
ほか、もしもお子さんの身に危険を感じたときは、警察に相談することをおすすめします。
特に、緊急の場合や実際に被害に遭ってしまった場合は、迷わずに110番に連絡、もしくは最寄りの警察署にすみやかに相談しましょう。
危機管理能力が身につくまでは、大人たちが見守り指導をしましょう
SNSは正しく使うことができれば、ただ楽しいだけでなく、あらゆるシーンで役に立つ便利なものです。
子どもたちに十分な危機管理能力が身に付くまでは、ご家庭ごとにルールを設けて、大人たちがしっかり見守り、指導をしていきたいですね。
構成・文/羽吹理美