吹き絵
水で溶いた絵の具を紙の上に垂らし、ストローなどで息を吹きかけます。するとその空気の力で絵の具が散ります。その結果、力強く勢いのある作品が出来上がりますよ。
花火を描いてみるのもいいですね。また出来上がったものからイメージを膨らませて作品として仕上げるのも楽しいです。想像力を育むこともできますね。
塩を使った表現テクニック
用意するものは食塩だけ。料理に使うオーソドックスな食卓塩で構いません。
絵の具を塗った上に、絵の具が乾く前に食塩をふりかけます。
すると、ふりかけた塩が周りの水分を吸い取り、独特な模様が現れます。
塩のある部分が白っぽく(塗った画用紙の色に)抜けるので、星空や雲、雪などを表現してみるのも素敵です。
塩をかける量、塩の種類、水彩絵の具の乾き具合によって生まれる表情が変わってきます。実験しながら表現を楽しんでみましょう。
バブルアート
絵の具を入れたコップに石鹸水や食器用洗剤を少し入れ、ストローで息を吹き込みます。
シャボン液のように泡が溢れてきたらその泡を画用紙の上に移します。
画用紙の上で泡が弾けるときに偶然が作り出す夢のような模様が生まれます。
例では、たくさん集まった泡が弾けてできた模様を生かして紫陽花を表現しています。
バブルアートも吹き絵と同じようにできた形や模様から何に見えるのか、イメージを膨らませてみましょう。
注意
ストローを使うときは誤って絵の具を溶かした水を飲んでしまわないように気をつけましょう。特に年齢の低いお子さんが行う場合は、保護者が代わりに行うなど安全に楽しめる方法で試してくださいね。
ラップアート
絵の具が乾く前に、絵の具の上に食品用ラップをかぶせて乾かします。今回は左側にはアクリル絵の具、右側は水彩絵の具を塗りました。そして、上にクシュッとさせた食品用ラップをかぶせて乾かします。
2時間ほどで乾きました。
アクリル絵の具を塗ったものは?
アクリル絵の具(写真左)はラップを取ろうとしたのですが、取れませんでした。アクリル絵の具にはアクリル樹脂が使われています。この樹脂が絵の具と食品用ラップとを貼り付ける働きをします。つまり、色をつけると同時に接着剤としても働くのです。
その性質を利用してアクリル絵の具を使った作品例を見せていただきました。
ものを貼り付ける性質を利用して立体的な絵を描くことができます。このひまわりの絵は緩衝材やティッシュペーパーを使用し、色をつけつつ、絵の具が乾く前に画用紙に貼り付けて描き上げていきます。
※アクリル絵の具を溶くときに水の量を少し少なめにしていただくと、ものがよりくっつきやすいです。
水彩絵の具を塗ったものは?
水彩絵の具(写真右)。は簡単にラップを取り除くことができました。ラップが接していたシワの部分に濃淡ができて模様が生まれています。
水彩絵の具のラップアートの制作例では
工夫次第ではこのように模様を生かす作品を作り上げることができます。
プラスアルファ「界面活性剤で」
通常、水彩絵の具でペットボトルに色をつけようとしてもつきません。
しかし、食器用洗剤(界面活性剤が入っている)を絵の具に混ぜると?
ペットボトルに書くことができる不思議な性質の水彩絵の具に変身するのです。
ちなみに、このときペットボトルに塗った絵の具は濡れぶきんで簡単に拭き取ることができますよ。また、この絵の具はクレヨンで描いた上から塗ってもクレヨンに弾かれません。
このように絵の具には筆で絵を描く以外にもいくつもの描き方・技法があります。お子さんに「面白そう」「やってみたい」という気持ちがあれば、ぜひ試してみてくださいね。
お話を聞いたのは…
実際に画材製造のお仕事も担当されていた西條さんに教わりました。ぺんてるでは、各地の小学校の先生へ画材の知識や使い方を伝える活動もしていて、今回はそのプログラムの中から一部を教わりました。ありがとうございました。
文・構成/ふじいなおみ