無名の子役を主役に抜擢!
演技初挑戦となる子役の番家一 路を主演に、原田琥之佑( 子役 )、 尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほり、岩松 了、そして草彅 剛が出演 。
監督はT B Sドラマ「半沢直樹 」( 20年 ) など、 主にテレビ・舞台の脚本や演出を手掛けてきた、映画初監督・脚本の金沢知樹( 萩森 淳と共同脚本 )が手掛けています 。
忘れられない少年時代の友
久田孝明(草彅剛)は、幼い頃からの夢だった小説家になったものの、現実はゴーストライターでなんとか食いつなぐ毎日を送っています。
妻子とは別居中ですが、ある日久しぶりに会う娘と水族館にイルカを見に行きます。そんな時思い出すのが、少年時代に出会った大事な友だちです。
友だちっていいね、と思えるストーリー
1986年、久田孝明・ひさちゃんは長崎の片田舎で家族4人で暮らしていました。斉藤由貴とキン肉マン消しゴムが大好きな小学5年生。
その年の夏休み、貧乏でクラスメイトに避けられていた竹本健次・たけちゃんが突然、山の向こうのブーメラン島へイルカを見に行こうと誘いにやってきたのです。
最初は乗り気ではなかったひさちゃんも「イルカに乗れるかもしれない」というたけちゃんの誘い文句に魅かれて一緒に行くことにしました。
でも実はこのイルカがいるという情報源が、ヤンキーの噂話というのが子どもらしくて笑ってしまいます。
いざ行ってみれば自転車は壊れるわ、海で溺れかけるわ、ヤンキーに絡まれるわ、と散々な目に合うことに。でもこの冒険をきっかけに二人の友情がぐっと深まります。
仲良くなった二人は、国語の得意なひさちゃんは小説家に、亡くなったお父さんが漁師で料理の好きなたけちゃんは寿司職人になりたいといった、将来の夢について話すことも。
少年たちのひと夏の冒険といえば、80年代のアメリカ映画「スタンド・バイ・ミー」を思い出すおうちの方も多いのでは? 実際イルカを探す旅のシーンは「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせます。
ただ、この映画で重要なのは、ひと夏の冒険が終わってから変わっていく二人の関係と、そのあとに起こる、別れを予感させる悲しい事件です。
もう一つの見どころは、80年代の「家族」と長崎のロケーション
この映画のもう1つの見どころは、監督自身のイメージする家族だという、ひさちゃんの「家族」です。
怒らせるとハンパなく恐ろしい母(尾野真千子)、下ネタ発言が多くいつもタンクトップにパンツという格好の父(竹原ピストル)、そしてうるさい弟とひさちゃんの4人家族。口が悪く喧嘩も多い夫婦ですが、接し方の端々に子どもたちへの愛情深さがあふれています
80年代を満喫できるキャストの服装や、レトロなインテリアは、ぜひ目を凝らしてお見逃しのないように!
二人が冒険した、タンタン岩の頂上から見る景色や、ブーメラン島を囲む海。たけちゃんを見送り、大人になってひさちゃんが再び帰ってきた駅。全編を通して見られる、変わらない長崎の景色の美しさも注目ポイントです!
金沢監督が「子どもが初めて観る実写映画が『サバカン』になったら」という思いで作ったという「サバカン SABAKAN」は、親子で見るにはぴったりの青春映画です。
子役たちの演技は初めてとは思えないほどに、引き込まれること間違いありません! 二人の夏休みの結末とタイトル「サバカン」の意味をぜひ、スクリーンで確かめてください。
映画「サバカン SABAKAN」
【公開日】2022年8月19日(金)~全国公開中
【監督】金沢知樹
【キャスト】番家一路 原田琥之佑 尾野真千子 竹原ピストル
村川絵梨 福地桃子 ゴリけん 八村倫太郎(WATWING) 茅島みずき 篠原 篤 泉澤祐希
貫地谷しほり 草彅剛 岩松了
【公式HP】https://sabakan-movie.com
©2022 SABAKAN Film Partners
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構成・文/苗代みほ