読書アドバイザーおすすめのりんごがでてくる絵本
幼い子ども向けだけでなく、6年生に読み聞かせたい貴重な本まで、数あるりんごの絵本の中から児玉先生が選んだ3冊をご紹介します。
【1】『りんご りんご りんご りんご りんご りんご』
安西水丸/著
◆こんな本
赤いりんごと緑の大地。絵のシンプルさが言葉を生かします。「りんご りんご りんご…」は、シンプルに読むほうが音そのものを楽しめます。2005年の出版以来、人気の1冊。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
◆ママパパの口コミ
『0・1・2歳児の保育』2018年冬号
【2】『くだもの』
平山和子/作 福音館書店
◆こんな本
赤ちゃんのおはなし会は、読み聞かせというより、一緒に絵本をシェアする、という感じです。くし形に切ったスイカが描かれているページでは、9か月くらいで指で種をほじるしぐさをし、りんごが描かれたページでは、フォークに刺さったりんごの絵に、手を伸ばします。緑と紫の美しいぶどうがお皿に盛られたページになると、1歳半くらいで、緑のぶどうの粒をつまむしぐさをします。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2016年4・5月号
【3】『たいせつなこと』
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイスガード/絵 うちだややこ/訳 フレーベル館
◆おすすめポイント
アメリカでは1949年から読み継がれているロングセラー絵本の『たいせつなこと』。翻訳者のうちだややこさんが甘さを抑えながらも、瑞々しく新鮮な言葉を選んでくださり、私自身もよく6年生に読み聞かせます。
あなたは あなた あかちゃんだった あなたは からだと こころを ふくらませ ちいさな いちにんまえに なりました
これに続く最後の文章が私は大好きで、もう暗唱できるほど何回も読みました。卒業後、中学生になった子どもたちが「前に読んでくれたあの絵本はどれ?」と、図書館に探しにくることも多い1冊なのですが、多くの子が「リンゴは丸い、って本」と記憶しているのが印象的です。子どもたちはそこに共感したのかと、大人の思いと、子どもの思いのズレも楽しく思い出します。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳
『edu』2016年3・4月号
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
編集部おすすめのりんごの絵本
探してみると、りんごをモチーフにした絵本がたくさんありました! そんなたくさんのりんご絵本から、笑える、癒される、ハラハラさせられる、とっておきの4冊をセレクトしました。
【1】『りんごかもしれない』
ヨシタケシンスケ/作 ブロンズ新社
◆こんな本
ある日、男の子が学校から帰ってくると、テーブルの上にりんごがありました。そのりんごを見てとある疑問が。「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」。小さなひとつの疑問から展開される子どもならではの想像力と不思議な視点に、思わず目が離せなくなります。
りんごひとつでこんなに笑えるとは!男の子のコントを見ているようで、親子で大盛り上がり間違いなしのオススメの1冊。
◆ママパパの口コミ
「本を読みながら、いろんな想像することができる絵本で子どもとワクワクしながら読んだ覚えがあります。いろんなりんごの絵のりんごの名前を娘が指差しして、それを一つづつ読むのが面白かったです」(30代・沖縄県・子ども2人)
【2】『りんごのき』
エドアルド・ペチシカ/作 ヘレナ・ズマトリーコバー/絵 うちだりさこ/訳 福音館書店
◆こんな本
何と言っても絵がかわいいので、読んでいて温かい気持ちになります。普段、何気なく食べているりんごが、どんな風に育って実になるのか。季節感を感じながらりんごの成長を描くストーリー。文章は少し長めなので、ゆっくりした夜の読み聞かせにぴったりです。
◆ママパパの口コミ
【3】『りんごです』
川端誠/作 文化出版局
◆こんな本
子どもがりんごのいろいろな状態を知ることができる「りんごです」。ただりんごを描いているだけでないユーモアのある視点での切り取り方をぜひ楽しんでほしい1冊。姉妹書には「いちごです」「バナナです」もあります。
【4】『りんごころころ』
松谷みよ子/作 とよたかずひこ/絵 童心社
◆こんな本
はなこちゃんとりんごの木。「だれもりんごをとってくれないの」と泣き出すのは、はなこちゃんではなく、りんごの木のほう。はなこちゃんがりんごをとってあげて、そこからリズミカルにストーリーが展開します。いろいろな人や動物が登場し、小さい子どもも大好きなりんご料理の数々も楽しめるポイントです。はなこちゃんとりんごの木の喜怒哀楽に、子どもたちは思わず感情移入してしまうハラハラドキドキできる1冊。