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簡単!美味しい!ヘルシー! 具材に工夫すれば豊富な栄養が摂れるのが「おにぎり」
「おにぎりは、出先でも手早くお腹が満たせて、活動エネルギーを手軽に補給できる、日本の伝統的なファストフードです。肉・魚・野菜など、どんな食材とも相性がよいので具材は自由自在。組み合わせる具材を工夫することで、さまざまな栄養をプラスできるヘルシーフードです」と「おにぎりレシピ本」が人気の山田玲子さん。
また、きれいな色使いというのも、「食べたくなる」ポイントのひとつ。野菜の緑や赤、卵の黄色、鮭やたらこのピンク色、海藻やごまの黒、というように、きれいな色を入れるように意識すると、自然といろいろな栄養がとれるようになるとのアドバイスも。
簡単に作れて、おにぎりだけでいろいろな栄養がとれるというのは、忙しい子育て世代に嬉しいですね。中でも、おいしくて栄養豊富な、山田さんおすすめのおにぎりを教えていただきました。
もち麦とねり梅、わかめのおにぎり~もち麦の水溶性食物繊維で、善玉菌を増やして腸を活性化
整腸効果があるもち麦は、プチプチとした食感も楽しい!
もち麦は、モチモチ&プチプチとした食感で子どもたちにも人気の食材。もち麦に豊富に含まれる水溶性食物維は、腸内の善玉菌のエサとなって善玉菌を増やし、便通を促す働きを持っています。同じく、水溶性食物繊維豊富なわかめを組み合わせてさらに整腸効果アップ。麦特有の穀物の香りがちょっと気になるというお子さんも、梅を加えることで抵抗感がなくなります。
作り方
もち麦のパッケージの記載を参照して麦ごはんを炊く。
麦ごはん(100g)に梅干し(中1個)の果肉をほぐして加え(市販の練り梅を使用しても可)、細かく刻んだわかめ(適量。乾燥の場合は水で戻して水気を絞って使用)を混ぜて握る。
チーズ&ゆかりのおにぎり~子どもの大好きなチーズでタンパク質&カルシウムを手軽に
ゆかりのほどよい酸味がチーズによく合う!
チーズには、子どもの成長に欠かせないタンパク質やカルシウムが豊富。チーズとゆかりという洋風×和風の組み合わせは、ちょっと意外かもしれませんが、ゆかりのほどよい酸味がチーズによく合います。また、ゆかりの風味は、食欲をそそるので小食のお子さんも食が進みます。チーズはクリームチーズを使うのもおすすめ。大人向けには、ミモレット、パルミジャーノ、コンテなどの、ナチュラルチーズを使うとおしゃれ。ママ友持ち寄りランチでも喜ばれます。
作り方
ごはん(100g)に、ゆかり(小さじ1)を加えて混ぜ合わせ、細かく刻んだプロセスチーズ(10g)を加え、握る。
ゆでピーマンとのりたまのおにぎり~βカロテン、ビタミンCで免疫力アップ
ピーマンは茹でると苦みが消えます。大好きなふりかけと合わせれば苦手なピーマンもパクパク!
ピーマンにはβカロテンやビタミンCといった、粘膜を正常に保ち、免疫力アップする働きの成分が多く含まれています。ピーマンは苦手というお子さんも多いかと思いますが、ゆでると不思議と苦みが消えて、甘みが引き立つので食べやすくなります。また、子どもが大好きな「のりたま(卵とのり)」ふりかけと相性抜群です。
山田さんが主宰する親子料理教室では、さまざまな具材を使っておにぎりを作っているそう。「子どもたちはみんな、おにぎりが大好きなので、ピーマンやにんじんなど、ちょっと苦手な食材や普段食べたことがない食材も、おにぎりにすると、喜んでたくさん食べてくれますよ」「苦手」な味や香りを抑えるひと手間を加えることと、組み合わせる食材を工夫することが苦手克服のカギのようです。
作り方
ピーマン(1/2個)を沸騰した湯で軽くゆで、ペーパータオルなどで水気をきって1cm角に切る。
ごはん(100g)に、のりたま(卵とのりの)ふりかけ(適量)を混ぜ、ゆでたピーマンを混ぜ合わせてにぎる。
サバ缶と甘酢漬け新ショウガ、白ごまのおにぎり~脳の成長に欠かせないオメガ3をサバ缶で
缶詰を使ってお手軽に育脳食材を!甘酢漬けの新ショウガが臭みを消してくれます
サバ缶は、脳の働きを活性化すると言われるDHA・EPAが手軽にとれるスグレモノ。
魚料理はなかなか作れなくて…という親御さん(ママ・パパ?)は、ぜひ缶詰を活用して。骨も柔らかく煮てあるので、カルシウム補給にも最適。カルシウムには、脳をスムーズに動かし、情緒を安定する働きがあります。甘酢漬け新ショウガの、ほんのりとした甘みと酸味でサバの臭みが消えて、よりおいしくいただけます。白ごまの香ばしさもよいアクセントに。
作り方
ごはん(100g)に、しっかりと汁気をきったサバの水煮缶(20g)を加えて混ぜる。
みじん切りにした新ショウガの甘酢漬け(スライスしたもの2枚)、白ごま(適量)を加えて混ぜ合わせ、握る。
じゃこ・たらこ・黒ごまのおにぎり~黒ごまとじゃこでWカルシウム強化!
カルシウムがたっぷり摂れます!たらこを使うので塩は不要
じゃこは、カルシウムの宝庫。たっぷり加えましょう。同じくカルシウム豊富な黒ごまをプラスしてカルシウム強化しています。見た目の色がちょっと寂しいので、焼いたたらこをプラスして可愛らしいピンク色に。塩味のきいたたらこ味は子どもたちに大人気です。
作り方
ごはん(100g)にじゃこ(大さじ1弱)、ほぐした焼きたらこ(1/2腹)、黒ごま(適量)を加えて混ぜ、握る。
サーモンときゅうりの酢飯おにぎり~疲労回復にいい酢めしで手まり風に
スモークサーモンを使った変わり鮭おにぎり
鮭のおにぎりは定番ですが、ときにはスモークサーモンを使って、てまり寿司風のおにぎりするのもおすすめです。
ちょっとよそゆきのおにぎりになります。酢飯を使うので、夏のちょっと食欲がないときなども食べやすいでしょう。酢には疲労回復効果があります。薄切りにしたきゅうりは塩もみして青臭さを消して使用します。
作り方
ごはん(100g)にすし酢(小さじ1)を加えてさっと混ぜる。50gくらいずつ2つに分けてそれぞれボール状に握る。
ラップを広げその上に食べやすく切ったスモークサーモン(1枚)、スライスして塩もみしたきゅうり(適量)を置き、握ったごはんをのせる。ラップで絞って丸く形を整える。
おにぎりを上手に握るコツは、手のひらで弾ませること!
おにぎりを上手に握るコツは「リズムよく!」手のひらで「握りしめる」のではなく、「手のひらで弾ませること」を意識するとよいでしょう!
手を水で濡らしたあと、塩をひとつまみ手のひらにのせ、まんべんなく手のひら全体に塩を行き渡らせてから握ると、ほどよい塩味に。
おにぎりは日本人のソウルフード。おにぎりについては、誰もが懐かしい、ちょっと心温まる思い出を持っているものです。それは、おにぎりには握ってくれた人の温かい心がこもっているからではないかなと…と思うのです。
101点のおにぎりレシピを掲載の「おにぎり本」
東日本大震災の後、東京の被災者住宅のお手伝いをしていたときのこと。被災者の方々が「避難所で食べた塩おむすびのおいしさが忘れられない」と語っていらしたことがきっかけで、「おにぎり本」を作りました。
おにぎりがあるとなんだかほっとする。元気が出る。そんな心温まる食べ物、おにぎりが私は大好きです。おにぎりをもっと、いろいろなシーンで楽しんでもらえたらうれしいですね。
最近はコンビニでも、鮭や梅干し、おかかといった定番に加えて、洋風やエスニック風の具材や味付けの新顔おにぎりが人気ですよね。おにぎりの可能性は無限大。その日に家にある材料を使って、わが家オリジナルの『マイおにぎり』をいろいろ作ってみてくださいね。
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おにぎりレシピ101: EVERYDAY ONIGIRI 101 Healthy, Easy Japanese Riceball Recipes
山田玲子/著 ポット出版
教えてくれたのは
取材・構成/瀬戸由美子