目次
手作り信仰からの脱却
一汁三菜、母親の手作りが一番。これが、長らくHugKumの読者世代を悩ませてきた呪縛ではないでしょうか?筆者の母親は専業主婦で、毎日手作りの食事を用意してくれました。自分も家庭を持ったら、母と同じように毎食手作りするものだと思っていました。ところが、子どもが産まれてから一転。子育てと仕事で余裕がないのに、「手作り」というプレッシャーが重くのしかかり、大好きだった料理に苦しめられることに…。
離乳食完了後がとくに大変!
離乳食の時はベビーフードがありますが、普通食を食べるようになってからが大変!多少の罪悪感を感じながらもスーパーのお惣菜に頼ることも。ただ、お惣菜は味が濃くて、毎日は食べさせたくない。味覚が育つ時期だからこそ、手作りのご飯を食べさせてはやりたいけれど、どうしても大変な時は、助けてもらいたい…。
そんなドタバタの毎日で、家事と仕事を両立するために、「フードデリバリー」、「ミールキット」、「冷凍の宅配お弁当」、「作り置きサービス」、「家事代行サービス」など、ほぼ全ての料理に関するサービスを試してきた筆者。今回は、その中でも特にオススメな「作り置きサービス」をご紹介したいと思います。
作り置きサービスとは
さまざまな「作り置きのサービス」がありますが、今回、利用したのは、累計提供食数1,200万に達した話題のおかず宅配サービスの「つくりおき.jp」。手作りのお惣菜を冷凍ではなく、作った当日に冷蔵で届けてくれるということで選びました。ライフハックマガジン@DIMEと育児サイトHugKumが共同で主催の「第3回ファミリーダイムアワード2023」も受賞しています。
つくりおきjp.のここが凄い!
- ・家族4人分のお惣菜を3日か5日分配達
・管理栄養士監修のレシピを元にプロが手作り - ・出来立てが冷蔵で届き、冷凍可能なものもある
・注文はLINEからで配達時間も設定可能 - ・家事の時短で時間を有意義に使える
何種類くらいのメニューがあるの?
「少し手間のかかる」美味しい家庭料理で、現在、1,000レシピ以上の料理を週替わりで提供してるとのことです。調味料は、基本的に家庭にあるものを使用。保存料は不使用で、添加物も天然由来のものを除き不使用。(※完全無添加ではなく、調味料や加工肉など元々含まれているものもあり。)
自炊と比べてコスパは?
一食798円からと一見、高いような気がしますが、スーパーでお惣菜を買うのとあまり変わらず、外食やフードデリバリーよりは確実に安いと感じます。3食プランと5食プランがあり、メニューは選べませんが、悩む必要がないので、パパッと注文できるのが助かります。
- 週3食プラン 主菜3種類+副菜5種類 9,580円/週
- 週5食プラン 主菜5種類+副菜6種類 14,980円/週
- 1食単位
- 3食プランの場合は1食あたり798円
- 5食プランの場合は1食あたり749円
手作りと比べてみると
ウェブサイトでは、手作りをした場合と「つくりおき.jp」を利用した場合のお惣菜の値段と比べているので、とても参考になります。自分で1週間分を作った場合の13,152円は食材費5157円と調理時間4時間20分×時給 1845円= 7995円の合計となります。
本当に安いのか?
ただ、注意点は、その金額の見方にあると思います。実際の食材のコストは5157円のみで、余った食材でさらにお料理を作ることができるので、実費は手作りの方が確実に安く上がります。
一方で、全部で8品、調理時間は4時間以上となり、時給には計上されていませんが、実際には買い物の手間もあります。ただし、サンプルの料理を半分の時間で調理できれば時給分も下がります。安いか高いかはこの目に見えない「労働」の部分に価値を見出せるかによると思います。
実際に届いたお惣菜を全部公開!
今回、メニューを比べてみたいというのもあり、お試しに2週間、利用してみることにしました。第一週目は、前々日に調理したパワーパッケージ。平日の16時以降の受け取りが難しかったのですが、日曜日の午前中に受け取ることができたのは助かりました。
想像以上に、バラエティーに富んだメニューでびっくり。いつもは「もう食事の時間…支度しなきゃ…」という重たい感じなのですが、今日は食事の時間が楽しみになりました。
【1週目】お肉メインの主菜がうれしい
第1週目の献立はお肉がメインの主菜で、お肉好きの我が家には嬉しいラインナップでした。今回は、パワーパッケージのため、前々日の調理ということでしたが、揚げ物のエビカツはカラッとしていて問題ありませんでした。
<主菜>
辛くないマーボーなす
ぷりぷりっ!のエビカツ
鶏肉のカレーチーズ焼き
とり肉と里芋の中華煮
家常豆腐
<副菜>
海鮮とポテトの葱塩バター焼き(冷凍不可)
蒸し野菜の肉味噌ソース
ひじきと切り干し大根のサラダ
いり豆腐(冷凍不可)
花野菜とチキンのコブサラダ
こんにゃくとごぼうの炒め煮(冷凍不可)
【二週目】魚やエスニック風味付けも入って、飽きないメニューに
第2週目は、前回なかった魚料理があり、韓国風やタイ風などエスニックなメニューもあり、続けても飽きない工夫が感じられました。平日の16時以降の受け取りができたので、当日調理の通常パッケージでした。ガパオミートをパスタと和えたり、みそ旨チーズタッカルビをチャーハンにしたり、アレンジのしやすいメニューでした。*配送方法とパッケージはエリアによって異なります。今回は取材のため、異なるパッケージを試させてもらいました。
<主菜>
赤魚の煮付け
ごはんにぴったりガパオミート
みそ旨チーズタッカルビ
五目つくねの出汁あんかけ
豚肉とまいたけのソテー
<副菜>
もち麦と5種豆の彩りサラダ
豆腐干の肉味噌炒め
蒸し野菜のツナソース
大根の煮物
じゃがいもの揚げニョッキ トマトソース
ひよこ豆とソーセージの煮込み
何歳から食べられる?量は?
離乳食完了後の1歳半ごろから食べられる
料理は離乳食が完了する1歳半頃からOKとのこと。特に揚げ物は子ども達に大人気で、エビカツは一食目で完食。小学生の上の子は、大体のお惣菜を食べてくれました。残念ながら、4歳の下の子は野菜が苦手で副菜はほとんど手をつけませんでした。野菜好きのお子さんであれば、蒸し野菜の肉味噌ソースなどは、色とりどりの野菜が食べやすくカットされて、手掴み食べにぴったりだと思いました。
優しい味付けだから子どもにも安心して食べさせられる
どれも子どもと一緒に食べられる優しい味付けで、「もはや、頑張って手作りにこだわる必要はない!」と宣言できる美味しさでした。味気ない薄味ではないので、大人も美味しく頂けます。ただ、大人でも楽しめる食事なので、ガパオミートなどエスニック風味など、子どもには食べにくい味付けもあるようです。しっかり食べてもらいたければ、食べる食材の範囲が広がる小学生くらいからがオススメです。
子どもが食べなくても気にならない
一方で、子どもが食べなくても、自分が作ったわけではないので、ストレスフリー!手料理を残される虚しさから解放された方が嬉しかったです。子どもが食べられないメニューがある点は、我が家ではあまり問題ではありませんでした。
全体の量は?
我が家は、大人2人と7歳、あまり食べない4歳の子どもの4人家族なのでちょうどよい量です。余っても冷凍保存できるお惣菜があるのも助かります。
「冷蔵庫に入る?」「正直、飽きない?」気になる点に本音回答
お惣菜が5食分も来たら冷蔵庫に入るの?と心配でしたが、パワーシールのパッケージは平らで同じサイズで、すっきり入りました。そもそも、買い置きをする必要がないので食材を溜め込まなくて良いのも嬉しいです。また、そのまま保存できるので容器を移し替える必要がないのも助かります。
隔週の利用などで活用方法を工夫するのがオススメ
アレンジメニューがウェブサイトにもあるので、お惣菜が無駄になるということはなく、飽きずに完食しました。ただ、毎週5食は飽きてしまうかもしれませんし、たまには手作りしたり、外食したいこともあるかもしれません。なので、隔週などにするなど調整ができるのも「つくりおき.jp」の良いところかなと思います。
宅配やミールキット、家事代行と比較
「つくりおき.jp」に出会うまで、さまざまな食のサービスを利用してきました。どれも、一長一短で、これは!と思えるサービスは見つかりませんでした。
特に、家事代行の作り置きサービスは、お惣菜は20品近く好きなものをリクエストでき、材料も余ることなく、量、コスパ、クオリティは大満足。お惣菜以外にもプロのシェフによるフレンチのフルコースなど、外食に比べると破格の値段で作ってもらうことができました。
ただ、こちらは自分で食材を用意したり、自宅に人を招くという手間があり、定期的に続けるのが難しく、現在は利用していません。
「フードデリバリー」ほど高くなく、「家事代行サービス」よりも気軽で、「スーパーのお惣菜」よりも家庭的な薄味で安心、「ミールキット」のように料理の手間が一切ない、いいとこ取りの「つくりおき.jp」がベストなチョイスかなと思います。
-
「つくりおきjp.」が向いていない場合
ただし、向いていない場合もあるので以下の点はご注意ください。メニューが選べないので基本、好き嫌いが多い方には向いていません。アレルギー対策や除去食はないので、アレルギーのある方やベジタリアンなど特定の食材を食べられない方には難しいようです。
-
- 向いている人
- 共働きの小学生以上のファミリー世帯
- 好き嫌いやアレルギーがない
- 家事の負担を減らしタイパを重視したい人
- 向いていない人
- 単身である(注文が4人分のみ)
- 好き嫌いやアレルギーがある人(アレルギー表示はアリ)
- 無添加にこだわりたい人(完全無添加ではない)
- 毎日違うものが食べたい人(メニューが選べない)
- 時間が不規則な人(受け取りが難しい)
- 食費を抑えたい人
配達のタイミングに注意
当日調理のお惣菜を夕食前に届けて欲しいとなると16時~18時となり、保育園のお迎えなどと重なり、受け取りが難しい場合も。通常パッケージの16時前の受け取りは前日調理、パワーシールは前々日調理ということで、当日調理のメリットが活かされないのは少々残念な点です。
一方で、実際に当日と前々日調理のお惣菜を食べ比べてみましたが、それほど大きな差はなく、どちらも美味しかったです。当日調理に拘らなければ、配達のタイミングは調整できるので、大きなデメリットには感じられませんでした。
これらを踏まえて、一回の注文だけでもOKなので、一度、少ない量でお試ししてみるのも良いかと思います。
家事の負担は相変わらず女性という現実
最後に家事負担に関するデータも紹介したいと思います。
現在、共働き世帯は1,262万世帯で、40年間でおよそ2倍に増加、夫婦世帯の7割を共働き世帯が占めています。(総務省統計局「労働力調査特別調査」、総務省統計局「労働力調査」より)それにも関わらず、妻と夫の家事分担の割合は妻が81%、夫が19%で、依然として女性の負担が大きいようです。(国立社会保障・人口問題研究所「
半数の人が料理を負担に…
料理の頻度について、「ほぼ毎日」と回答した男性が17%に対し、女性は54%と、料理も女性に偏っている結果になりました。なんと、食事の支度にかかる時間は年間で32日以上、一生では5年9ヶ月以上との結果に。また、負担に感じる家事として「料理」と回答した人は52%と、過半数の人が料理を負担に感じています。
女性に家事・育児等が集中していることが、職業生活において女性の活躍が進まない要因の一つだと思うかという質問においては、84%の人がそう思うと回答しているとのこと。
改めて、数字をみると、女性の社会進出が進み、仕事と家事育児の両立支援の一つとして、料理を外注することに罪悪感を感じることは全くないと思えます。
夫からの提案があれば楽に!
夫側から作り置きサービスを利用することを勧めてくれるのも女性側としては気が楽かもしれません。筆者の夫はアメリカ人で、できないことは外注するのが当たり前のスタンス。筆者がいろいろ試すのを見守ってくれて、とても気が楽です。ぜひ、妻側からの一方的な決断ではなく、二人で話し合いがあるとスムーズにいくかもしれません。
続けるかどうか、最終結論
結論からいうと…ぜひ!続けたいと思います。確かに、価格的には少し高いなとは感じますが、コスパを考えるとこちらも許容範囲です。毎週ではなく、1ヶ月に一回や二回などの利用の仕方で対応できるかなと思っています。
家族の笑顔のためにも!
私自身は、料理は大好きなので、全てのお惣菜を作り置きサービスに置き換えるのではなく、必要な時に助けて貰えればと思っています。「つくりおき.jp」のようなサービスを上手に使ってバランスが取れれば、料理もまた楽しくなりそうです。
お料理は、必ずしも全てが家族の手作りである必要はありません。パパとママに心の余裕があって、笑顔であるのが一番です。必要な時に気軽に利用してもらえれば良いと思うので、一度試してみてはいかがでしょうか?
あなたにはこちらもおすすめ
文・取材 Rina Ota