【ベビーカーでの転落・転倒事故】なんと3割が経験あり!ハンドルに3キロ以上の荷物は要注意!

おでかけに欠かせないベビーカーですが、子どもを乗せたまま転倒しそうになったりしてヒヤッとしたことはありませんか。
国民生活センターでは、「ベビーカーの転倒による乳幼児の事故」に関する調査結果を報告。それによると約30%の乳幼児が、ベビーカーに乗っているときに転倒・転落した経験があるそう。なかには頭や顔を強く打つなど大けがにつながったケースも! 他人ごとではない、ベビーカーの事故の実態を知って、安全対策を見直してみませんか。

ベビーカー事故の主な原因は、ハンドルに掛けた荷物!

ベビーカーごと転倒あるいは子どもの転落の発生経験について

医療機関ネットワーク事業(消費者庁と国民生活センターとの共同事業)によると、ベビーカーに関する事故で、2014年度以降、ベビーカーごと転倒あるいは乳幼児が転落してけがをした事例は288件も寄せられています*。

 

ベビーカーに後から自分で付けたもの(複数回答)

 

ベビーカーごと転倒あるいは子どもが転落した原因として考えられるもの(複数回答)

 

そこで同センターでは、4歳未満の子どもをもつ男女1,000名にインターネットアンケート調査を実施。それによると、ベビーカーごと転倒あるいはベビーカーから子どもが転落する事故にあったのは、約30%(286人)にのぼることがわかりました。転倒・転落の原因で、最も多いのはベビーカーのハンドルに荷物を掛けていたこと。
乳幼児に絞って見ると、同原因でけがをしたのは7か月未満が約80%とトップ。けがをした部位は頭部、顔面が90%以上にのぼり、入院や通院が必要なケースは約50%という結果でした。
*2019年10月末日までの伝送分。件数は本公表のために特別に精査したものです。

ベビーカー事故は、低月齢から注意が必要!

ベビーカーの事故は、低月齢の赤ちゃんでも起きており、なかには大けがをした子も! 実際にあった事故の体験談を紹介します。

生後1か月  荷物でバランスを崩し、子どもが落下して入院

生後1か月のとき。駐車場のスロープを降りていたら、掛けていた荷物に引っ張られるようにしてベビーカーがバランスを崩して転倒しました。子どもはシートベルトを装着しておらず、そのまま地面に転落。外傷性くも膜下出血により 7 日間入院しました。

生後3か月 荷物の重さでベビーカーが転倒し、頭を強打

生後3か月のとき。対面式のベビーカーを押しながら歩いていたところ、S 字フックに荷物を掛けていた重さで、ベビーカーがハンドル側に転倒。シートベルトをしていなかったので子どもが落下し、コンクリートの床に頭を打ちつけて通院しました。

生後3か月 ベビーカーから、つい手を離してしまい下の子が大けが

下の子が生後3か月のとき。上の子と手をつないで、片手でベビーカーを押していたのですが、ベビーカーからつい手を離してしまい、ハンドルに掛けていた荷物の重みで倒れました。シートベルトを装着していなかったため、下の子はアスファルトに放り出され、頭部と顔面を強打。しばらく通院しました。

わが子を守る! ベビーカーの事故を防ぐ3つのポイント

ベビーカーの事故を防ぐには、安全対策の徹底が第一! ポイントを紹介します。

Point1 シートベルトを装着する

ベビーカーでのシートベルトの装着状況を1,000人に聞いたところ「毎回、装着する」は約65%(654人)でした。一方で「装着しないことが多い」「ほとんど装着しない」と回答した方は約14%(139人)も! シートベルトを適切に装着していれば、万一のとき地面に放り出されたりすることは防げるのでシートベルトは必ず装着しましょう。

Point2 荷物は、座席下のかごに入れる

ベビーカーの座席下のかごは「荷物が出し入れしづらい」「スペースが狭い」「位置が低い」など不便を感じている方も多いようですが、事故を防ぐためにも荷物は座席下に入れるのがベター。ベビーカーによっては、開口部が広めで荷物を出し入れしやすいタイプや、ほかのベビーカーより収納スペースが大きいものもあるので、これからベビーカーを購入する方は、そうした点もチェックするといいですね!

Point3 のぼり坂では、とくに注意する

のぼり坂でベビーカー転倒の実験*をしたところ、ハンドルに荷物を掛けていないベビーカーは、傾斜約17~27度の坂道で転倒しました。
一方、ハンドルに3kgの荷物を掛けたベビーカーは、約1~12度の傾斜で転倒する結果に。ほんの少しの傾斜でも、荷物を掛けているとバランスを崩しやすいので注意が必要です。
*実験では、ダミー人形3.9kgを使用。

 

構成/麻生珠恵

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