こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。生まれてからずっと母乳や育児用ミルクの液体を飲んでいた赤ちゃんが最初に食べる離乳食は、液体に近いペースト状です。今回は、離乳食をペーストにする時のコツや注意点などを話します。
離乳食の初期はペーストから
離乳食をペースト状にするのは、離乳食をスタートしたての離乳食初期(5~6カ月ごろ)です。これまで赤ちゃんは母乳や育児用ミルクの液体だけ飲んできたのですから、急に固形物を食べることはできません。なぜなら、舌の発達、飲み込む発達、胃や腸の消化能力などの赤ちゃんの機能全てがまだ固形物を食べるまで発達していないからです。ですので、離乳食初期はペースト状にすることが全ての食材に共通するコツ。裏ごししたら、適度な水分を加えて「トロトロのヨーグルト状にする」ことが形状の目安になります。
ペースト状はいつまで?
ペーストにするのは離乳食初期の2か月間です。2カ月たった離乳食中期にはいる頃にはみじん切りになるのですが、この時に気を付ける点は「昨日までペースト。今日から急にみじん切り」にしないことです。昨日まで滑らかな舌触りだったのに急にみじん切りになると赤ちゃんは戸惑ってしまう可能性があります。それは口の感触もそうですし、お腹もビックリすることでしょう。離乳食初期~中期に移行するときは、例えば、以下のよう進めてみましょう。
・ペースト状⇒ペースト状+みじん切りを合わせる⇒みじん切り
・ペースト状⇒細かくすりつぶす⇒みじん切り
このように少しずつ粒を増やして、完全にみじん切りに移行すると、赤ちゃんの口もお腹もビックリせずスムーズに次の時期に移行することができます。
ペースト作りに使う道具の選び方
では、ペースト状にする時には様々な道具があります。それぞれの道具の利点や使い方を説明します。全ての調理器具に共通する注意点としては、離乳食期に使う時は、衛生面を考慮して離乳食専用として使用しましょう。
こし器やざる
こし器は、お菓子用、茶こしなどありますが、私も様々試した結果、離乳食専用のこし器が一番使いやすいということでした。こし器の利点は、
・離乳食初期の赤ちゃんにはまだ取り除いてあげたい繊維をしっかり取り除くことができる
・1食分を短時間で裏ごしできる
・電源がなくても裏ごしができる
という点です。特に「繊維を取り除くことができる」のは最大の利点です。特に、ほうれん草、小松菜などの葉物野菜には繊維が多いので、こし器がなければ取り除くことができません。
ざるを使う場合は、目の細かいものを選びましょう
ミキサー
ミキサーは、少量ではミキサーが回らないので、大量に離乳食を作りたい時に役立ちます。水分調整は、ミキサーをまわしながら少しずつ水分を入れヨーグルト状のペーストに仕上げていきます。繊維が多い野菜をミキサーで回した場合は、ペースト状にしてからこし器に通すとより丁寧なペーストの離乳食ができます。
ブレンダー
ブレンダーは、ミキサーよりも少量でもペースト状に離乳食を作ることができます。水分調整は、ブレンダーをまわしながら少しずつ水分を入れヨーグルト状のペーストに仕上げていきます。こちらも繊維も多い野菜を調理した場合は、ペースト状にしてからこし器に通すとより丁寧なペーストの離乳食ができます。
フードプロセッサー
フードプロセッサーの機能の基本は、小さく刻むことです。ペーストにはなりますが粒々が気になる場合は、離乳食初期~中期になる移行期に使ってみても。また、容量も大きいので、大量に作る時に役立ちます。
食材ごとのペースト作りのポイント
では、食材によってのペーストの方法、道具の使い分け方です。ペーストする前に、
・ペーストに使う道具は、衛生面を考え、熱湯をかけるなどして消毒をする
・ペーストしやすくするために、大人料理に普段湯がいているよりもさらに軟らかく湯がく
ことがコツです。
にんじんなどの根菜
にんじんや大根、じゃがいもなどの根菜の軟らかさの目安は、親指と薬指でつまんで力を入れずにつぶれるまでゆがきます。道具はこし器、ブレンダー、ミキサーなどペーストにする量に応じて選びます。根菜によって、裏ごししただけではモサモサしてペースト状にならないものもあります。その場合は煮汁を少しずつ加えてヨーグルト状のペーストに仕上げます。
ほうれん草などの葉物野菜
ほうれん草などの葉物野菜の特徴は「繊維が多い」ということ。葉野菜の軟らかさの目安は、親指と人差し指でつまんで力を入れずにつぶれるまで。その状態で、こし器にのせ、スプーンなどですりつぶしながらペースト状にします。葉野菜には水分が多く含まれているので濾しただけでもペースト状になっていることがほとんどです。もし、水分が足りない場合は、煮汁を少しずつ加えてヨーグルト状のペーストに仕上げます。
りんごなどの果物
りんごなどの果物も、一旦加熱するとやわらかくなりペーストにしやすくなります。例えばりんごは、薄いくし切りに切り少量の湯で弱火で5分ほど煮てからこし器でこすと、滑らかなペーストになります。
離乳食ペーストは冷凍保存が可能!
ペースト状にした離乳食は、冷凍で保存することもできます。冷凍保存するときは小分けで密閉できる容器を使うと、衛生面、使いやすいさにおいて良いです。離乳食のペーストを冷凍する時の注意点は、
・新鮮な食材を調理する
・1食分小分けにして保存する
・1週間以内に使い切る
・食べる前に必ず加熱する(自然解凍はNG)
離乳食の冷凍保存は、ママの育児をラクにしてくれますが、衛生面、美味しさで言うと、同じ離乳食メニューでも出来立てほやほやの離乳食に勝るものはありません。余裕のある時はぜひ、出来立ての離乳食を赤ちゃんに食べさせてあげてください。
離乳食ペースト基本のおすすめレシピ
離乳食初期におすすめのペースト状のレシピをご紹介します。
【離乳食初期】白菜としらすのペースト
<材料>
しらす 3g
白菜(葉) 5g
にんじん 10g
昆布だし 150ml
<作り方>
・しらすはお湯で茹でて塩抜きして裏ごしする
・白菜、にんじんは煮やすい大きさに切る
1.昆布だしでにんじん→白菜の順にやわらかくなるまで煮る
2.1を裏ごしして、しらすとともに器に盛り付ける
【離乳食初期】にんじんと豆腐和え
<材料>
・豆腐 15g
・にんじん 5g
・昆布だし 200ml
<作り方>
・にんじんは、皮をむき1㎝幅に切る
- 昆布だしでにんじんを煮る
- にんじんが軟らかくなったら豆腐も煮る
- 裏ごし器で裏ごしし、煮汁を加えてトロトロになるまでのばす
【離乳食初期】じゃが玉煮
<材料>
じゃがいも10g
玉ねぎ10g
昆布だし100ml
<作り方>
・じゃがいもと玉ねぎは食べやすい大きさに切る
1.昆布だしで、じゃがいもと玉ねぎを煮る
2.裏ごしし、煮汁を加えて、ポタージュ状にする
*だしの分量が少ないため、フタのある小鍋で、弱火で煮込みます
これに塩を加えると大人も食べられるポタージュになります。
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。