2020年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界的に感染が拡大し、4月1日には山梨で0歳児の感染も確認されました。もし子どもが新型コロナウイルスに感染したら?とみんな戦々恐々としていますよね。そこで、日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会の資料を参考に小児における新型コロナウイルスの症状や注意点をご紹介します。
乳幼児がマスクをしてくれない場合は、どうしたらいいの?
感染している人のくしゃみや咳に含まれる飛まつを直接浴びないという観点からは、マスクをすることの利点はあるかと思いますが、小さなお子さんでは現実的ではないと思われます。

子どもの感染ルートは家庭内
患者のほとんどは、家庭内において親から感染していますので、保護者の方が感染しないこと、感染した方から 1~2メートル以上の距離を保つことがお子さんの感染予防につながります。
手洗いや消毒も大事
ウイルスに汚染されたおもちゃや本などに触れた手で、口や鼻、目を触ることでも感染しますので、手洗いや消毒も大事です。

乳幼児健診や予防接種を遅らせたほうが良いの?
可能な限り予定通りの実施を。祖父母、兄弟の同伴は×。
乳幼児健診の目的は、年齢ごとに起こりやすい病気や問題を早めに見つけて治療などに結び付けることです。予防接種についても、感染症にかかる前に接種する事が極めて重要です。
新型コロナウイルス感染症を予防するための対策も重要ですが、極端な制限によって予防できる他の重要な病気の危険性にさらされることを避ける必要があります。今後も数か月単位での流行が想定され、その間に乳幼児健診や予防接種を回避するデメリットは大きいと考えられます。実施にあたっては、いつも以上の配慮が必要になりますが、保護者と実施者が協力し可能な限り予定通りに実施すべきと考えます。
集団・個別に関係なく、一般的な感染症対策として、お子さんや付き添いの保護者の方については、発熱や咳などの症状がないことを確認すること、成人では手指消毒や手洗いの励行とマスクの着用は必須です。
また、可能な限り、下記を心がけてください。
・きょうだいや祖父母などの同伴を避けること
・健診や予防接種の会場や医療機関でオムツを替えないこと(新型コロナウイルスは糞便中に排泄される可能性が指摘されているため)
※本見解は現在の疫学情報、数少ない報告や、過去のコロナウイルス感染症を踏まえたものであることにご留意ください。また状況に応じて今後内容は更新する予定です。(更新:2020年3月24日)
参考/公益社団法人 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会

文・構成/HugKum編集部