【助産師監修】赤ちゃんとママの「一ヶ月検診」費用や持ち物、出かけるときの注意点まで解説

赤ちゃんが産まれて退院した後、赤ちゃんとママが最初に病院に行って診察を受けるのが一ヶ月検診です。また最近では、2週間健診をしているところもあります。一ヶ月健診と同じ内容だったり、医師の診察はなく赤ちゃんの体重や母乳の相談だけだったり、内容は色々です。

当記事では、一ヶ月検診とはどんなものなのかを解説します。また、一ヶ月検診のときの赤ちゃんの平均的な体重や身長、母親が受ける一ヶ月検診の内容はどんなものなのでしょうか? さらに一ヶ月検診の時間や費用、必要な持ち物、出かけるときの注意点などをまとめご紹介します。

一ヶ月検診とは?

赤ちゃんがママと一緒に退院してから、初めて病院に行き診察を受ける「一ヶ月検診」。産まれたばかりの赤ちゃんは何かと手がかかり、あっという間に一ヶ月が過ぎていくことと思いますが、そんな時期に行う一ヶ月検診とはどんなもので、どこで受ければいいのでしょうか?

一ヶ月検診の目的

赤ちゃんと一緒の新しい生活が始まり、一ヶ月経ったころに行われるのが一ヶ月検診です。この検診は任意ですが、出産という大きなイベントを終えてから、赤ちゃんの成長やママの健康状態を確認するためのものです。

「検診」は、病気などを調べる検査の意味があり、健康状態を確認するという意味の「健診」と区別されます。そのため、赤ちゃんの一ヶ月検診は「一ヶ月健診」という使い方が正しいとされることもありますが、本記事では「一ヶ月検診」とします。

いつ、どこで受けるの?

一ヶ月検診を行うのは、赤ちゃんを出産した医療機関。赤ちゃんが産まれてから4週間から一ヶ月程度経ったころに指定され、入院中にお知らせを受けることが一般的です。また一ヶ月検診は任意の診察ですが、赤ちゃんにとってもママにとっても大切な機会なので、ぜひ受診するようにしましょう。

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赤ちゃんの一ヶ月検診の内容

一ヶ月検診では、赤ちゃんの発育や発達の状態をチェックするため、さまざまな測定や検査が行われます。

測定(体重・身長・頭囲・胸囲)

まずは赤ちゃんの大きさを測るために、体重と身長、頭囲と胸囲の測定を行います。そして産まれたときのデータと比較して、順調に成長しているかを確認します。

原始反射

一ヶ月検診では、赤ちゃんの原始反射についても確認します。原始反射には、周囲で音や動きがあったときに手足をビクッと広げる「モロー反射」や、赤ちゃんの口元に触れると吸いつこう口をパクパクと動かす「吸てつ反射」などがあります。それらを確認して、赤ちゃんの中枢神経の発達をチェックします。

斜視・視覚

目の色や瞳孔を確認し、斜視があるかどうか、ものがきちんと見えているかを確認します。

その他

湿疹やかぶれなど皮膚の状態を見たり、赤ちゃんに多い股関節脱臼や新生児黄疸などがないかを確認します。また、新生児はビタミンK2 が不足しがちです。そのため、吐血や下血、頭蓋内出血、頭蓋内出血が発症する原因とされる「突発性乳児ビタミンK欠乏性出血症」が起きる可能性もあり、ビタミンK2シロップを投与するのが一般的です。

一ヶ月検診での赤ちゃんの体重・身長の目安

赤ちゃんが順調に成長していればママもパパもほっと一安心できるものですが、そのときにひとつの目安となるのが、体重と身長の変化です。

体重

平成22年厚生労働省発表の「乳幼児身体発育調査」によると、一ヶ月検診の時点での平均体重は、男の子は4.13kg、女の子は3.89kg。産まれたときの平均体重は、男の子は3.00kg、女の子は2.94kgなので、一ヶ月の間に1kg前後増えていると順調だと考えられます。

身長

一方身長については、一ヶ月検診の時点での平均は男の子が53.5㎝、女の子が52.7㎝。出生時の平均は、男の子が49.0㎝、女の子が48.5㎝なので、一ヶ月間で4㎝ほど伸びる子が多いようです。

平成22年厚生労働省発表の「乳幼児身体発育調査」

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母親の一ヶ月検診の内容

一ヶ月検診では母親の健康状態についても検診が行われます。出産を経験して、ママの体がどのくらい回復しているのかを確認することが目的です。

問診

出産後の体の変化など、気になる点について問診で相談できます。また、産後はホルモンバランスが崩れることによって、精神面でのバランスも崩しがちです。赤ちゃんや自分の体に関して不安を感じていることがあれば、小さなことでも相談してみましょう。

血圧・血液・尿の検査

出産前の妊婦健診と同じように、血圧や血液検査、尿検査も行われます。

子宮・悪露の検査

子宮のエコー検査が行われ、子宮がもとの状態に戻っているか、悪露の量や状態、会陰切開の傷の状態、子宮の中に血液が溜まっていないかについてもチェックが行われます。

おっばい検査

一ヶ月検診では母親のおっぱいのチェックも行われます。母乳の出具合を確認したり、赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めているか看護師が確認します。母乳が出にくいときや乳首に出血があるときなど、母乳に関する相談もこのときにできます。

時間と費用の目安

生後一ヶ月の赤ちゃんとの外出は、産後のママにとって負担が大きいもの。あらかじめ一ヶ月検診にかかる時間や費用についても確認しておきましょう。

かかる時間

一ヶ月検診にかかる時間は病院により異なりますが、来院してから会計を終了するまで2~3時間を要する場合が多いようです。赤ちゃんの診察とママの診察、それぞれに1時間弱かかると考えておきましょう。

費用

一ヶ月検診の費用は、一般的には5,000円程度のようです。ただし、自治体によって助成金が出る場合や、出産費用の一部に含まれていることもあります。

必要な持ち物

一ヶ月検診に必要な持ち物
一ヶ月検診に必要な持ち物

一ヶ月検診は2~3時間かかるため、赤ちゃんの着替えやおむつなどの準備も必要になります。

保険証

一ヶ月検診で必ず必要になるのが、赤ちゃんとママそれぞれの健康保険証です。赤ちゃんの健康保険証を発行してもらうためには、サラリーマンの家庭なら勤務先に扶養の手続きをする必要があり、国民健康保険に加入している方なら市町村の役所に出生届を出すときに一緒に手続きを行う必要があります。もし一ヶ月検診のときまでに赤ちゃんの健康保険証が届かなかった場合は、病院でその旨を伝えたうえで、いったんは全額自己負担をしておき、後日払い戻しの手続きを行うことになります。

母子手帳・乳幼児医療証

健康保険証のほかに、母子手帳を忘れずに持っていきましょう。また、乳幼児にかかった医療費用の一部または全額を自治体が助成してくれる「乳幼児医療費助成制度」を利用している方は、「乳幼児医療証(マル乳医療証)」も携帯してください。

赤ちゃんの着替えとおむつ

一ヶ月検診が長時間かかる場合に備えて、赤ちゃんの着替えとおむつも準備しておきましょう。赤ちゃんがぐずったときのことも想定して、おもちゃやミルク、授乳ケープなども用意しておくと安心できます。

一ヶ月検診へ出かけるときの注意点

出産後初めての外出となるママも多いのが、一ヶ月検診です。特に初めての赤ちゃんなら、病院までの移動にさまざまな不安や心配があるかもしれません。

電車移動してもいいの?

産まれて間もない赤ちゃんは、抵抗力が弱く感染症にかかるリスクも考えらるため、不特定多数が利用する電車での移動はあまりおすすめできません。できればタクシーを利用するようにしましょう。どうしても電車やバスなどの公共交通機関を使わなければならないのなら、混雑した時間は避けましょう。

抱っこ紐を使っても大丈夫?

一ヶ月検診に行くときは、抱っこ紐を使うとベター。荷物を持ったり診察や会計に対応したり、ママの両手が使える方が便利です。ベビーカーでの移動でももちろんOK。その場合は、新生児から使用できるベビーカーを利用しましょう。

どんな服装がいい?

一ヶ月検診では、赤ちゃんもママも内診が行われるため、脱ぎ着しやすい服を選ぶようにしましょう。また夏や冬など、外の気温と室内の温度に大きな差があるような場合は、赤ちゃんにはおくるみを使って体温調節をしてあげてください。

ママだけで行く場合は?

パパや家族など、一緒に一ヶ月検診に付き添ってくれる人がいると安心できますね。もしママひとりで行く場合は、抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしたり、抱っこ紐を着脱する練習をしておくといいでしょう。ママにとっても赤ちゃんにとっても初めての外出は大きな負担になるものですから、できるだけゆとりを持って行動できるようにしましょう。

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一ヶ月検診の体験談

0~1歳のお子さんがいるママやパパに、一ヶ月検診についてアンケート。体験談をご紹介します。

「完全母乳だったので、足りているのか、体重がちゃんと増えているかが不安だった。 逆に言えば、一ケ月検診があること自体が安心につながった。 一ケ月検診で大丈夫と言ってもらえたことが、自信にもなった。」(30代・千葉県・子ども2人)
「母乳は足りているか。体重が増えているか。がひとまず心配でした。移動は車だったので、揺れが気持ち良いのか寝ていてくれたので良かったです。」(30代・福岡県・子ども2人)
「子供が3人いるんですが、それぞれに心配事がありました。 足の動きが、片方しかよく動かさないと感じたり、母乳を飲んだ後によく吐いたりや、便が何日も出なくて大丈夫かと心配になったり、口の中に白いぶつぶつが出来ていて何なのかと心配したり。 1ヶ月検診の時に、先生に聞くと先生は一つずつ答えてくれて、問題ない事やこうしたら良い事を説明してくれて安心しました。 検診は、待ち時間が長く、その間に赤ちゃんの機嫌が悪くなったりして泣いたりするので、母乳を飲ませたり、ミルクをあげたりして大変でした。また、冬の検診時は服装をどうしたらいいか迷いました。」(40代・大阪府・子ども3人)
「初めての外出だったのとタクシー移動で大丈夫か不安でしたが夫もついてきてくれたので安心して行けました。 産院では同じ日に生まれた子と再会できて毎日泣いてたという話をしました。 検診はほぼない大丈夫かと思ったら心臓に雑音が聞こえると言われました。 小さい頃はなりやすいから、体重も増えてるしでそこまで心配しなくて良いけど、予防接種の時に診てもらったりしてくださいと言われました。 最初は不安になりましたが、この子は大丈夫だと思ったので、夫に話してとにかくこれからの予防接種で必ず聞いてもらおうと話し合いをしました。 身長も体重も順調に増えてて本当に嬉しかったです。」(30代・福岡県・子ども1人)
「生後1ヶ月の赤ちゃんはまだまだ弱々しく、外へ連れ出すイメージが持てなかったので家から一歩出るだけでも不安でした。 新生児から使える抱っこ紐でもサイズ感がしっくりこないので、体勢がしんどくないか等が常に気になって気疲れしました。 健診結果としては、体重が順調に増えていて他にも特に問題なく、安心したのを覚えています。」(30代・兵庫県・子ども2人)
「育休をとっていたので、妻と二人で病院に行けたから苦労はしなかった。 子供にとっては退院後、初めての外出だったので、負担がないか心配だった。」(30代・岡山県・子ども1人)

赤ちゃん&ママにとって大切な一ヶ月検診

慣れない育児と慌ただしい日々に追われる中、一ヶ月検診に行くのは大変かもしれません。しかし、一カ月検診は赤ちゃんとママの健康状態を細かく診てもらえる大切な機会です。またママにとっては、赤ちゃんや自分の体についての不安や悩みを相談できる貴重な場でもあります。出産から一ヶ月頃になったら、ぜひ一ヶ月検診を受けるようにしましょう。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

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文・構成/HugKum編集部

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