赤ちゃんと飛行機に乗る際は、各航空会社のサポートを活用しましょう。 サポート内容をはじめ、赤ちゃんが飛行機に乗れるようになる時期も気になるポイントです。 航空券の必要性と料金、搭乗前に準備しておきたいことを紹介します。
赤ちゃんはいつから飛行機に乗れる?
「赤ちゃんは飛行機に乗れるの?」と疑問に感じる人は多いでしょう。航空会社によってルールは少しずつ異なりますが、搭乗が可能となるのは、主にいつからなのでしょうか?
原則は生後8日以上から搭乗可能
赤ちゃんが飛行機に搭乗できるようになる時期は、「JAL(ジャル)」「ANA(アナ)」では、生後8日以降からです。
飛行機は、地上と異なり気圧や酸素濃度が低く、病気の人や生まれたばかりの赤ちゃんにとって適した環境とはいえません。そのため、生後8日未満は原則搭乗できません。
しかし、航空会社によっては医師の診断書を提出することで受け入れてもらえます。出産直後の母親に対しても診断書が必要なケースがあるので、搭乗予定の航空会社を確認しておきましょう。
出典:赤ちゃん連れのお客さま(お手伝いを希望されるお客さま) – JAL国内線
出典:小さなお子様連れのお客様 [国内線] | Service & Info [国内線] | ANA
出典:妊娠中/新生児を連れてのご搭乗について | ジェットスター
赤ちゃんの座席利用と料金
赤ちゃんが飛行機に乗るときは「小児運賃」や「幼児運賃」が適用される場合がほとんどですが、航空会社によっては大人と同じ運賃を請求されるケースもあります。
座席の有無で料金が異なるため、赤ちゃん用の座席が必要かどうか考えておきましょう。
国内線の場合
国内線の場合、生後8日~1歳の赤ちゃんは座席の有無が選択できます。
同乗者のひざに座る場合は、航空券は不要です。シートベルト着用サインが点灯している間は、同乗者のひざに座らせましょう。
一方、赤ちゃんが座席を使用する場合は、航空券の購入が必要です。シートベルト着用サイン中は、チャイルドシートを併用することで、赤ちゃんだけで座席の利用が可能になります。
座席利用時にかかる航空券の料金は、JAL・ANAの場合は「小児運賃」です。格安航空会社など、小児運賃が設定されていない場合は、大人と同料金がかかるので注意しましょう。
出典:小児普通運賃(運賃一覧) – JAL国内線
出典:小さなお子様連れのお客様 [国内線] | Service & Info [国内線] | ANA
国際線の場合
JAL・ANAで国際線を利用する場合、赤ちゃんの座席の有無で料金が変わります。同乗者のひざに座る場合は「幼児料金」、座席を利用する場合は「小児料金」です。幼児料金は大人料金の10%、小児料金は75%です。
座席利用の赤ちゃんは、チャイルドシートが必要になります。チャイルドシートは、貸出を行っていない航空会社もあるので、事前に問い合わせておきましょう。
出典:お子さまの国際線ご利用についてのご案内(ご搭乗サポート) – JAL国際線
出典:小さなお子様連れのお客様 [国際線] | Service & Info [国際線] | ANA
チケットを購入するときのポイント
チケット購入時には、座席の指定だけでなく、赤ちゃん向けサービスの予約もできます。電話予約限定のサービスもあるため、細かいサービスを確認したい場合は事前の問い合わせがおすすめです。
座席の選び方
赤ちゃんと飛行機に乗る場合、非常口座席を除いて座席の選び方は自由です。非常口に近い座席は、トラブル時に緊急脱出の援助が求められるため、幼児を含めた家族は座ることができません。
人の移動で赤ちゃんが刺激されそうな場合は、トイレの近くや通路側の座席は避けましょう。赤ちゃんの座席を確保して、窓側と通路側の座席を両方利用する方法もあります。
飛行機の揺れが気になるなら機体の真ん中辺りの席を、機内での移動距離を短くしたいなら前方の席を選びましょう。子どもが2人以上の場合は、優先座席が利用できる航空会社もあります。
出典:非常口座席を事前予約されるお客さまへのお願い – JAL
出典:赤ちゃんが2名いますが事前に隣同士での座席指定はできますか。- JAL
バシネットの有無
航空会社や座席によっては「バシネット」と呼ばれる、赤ちゃん用ベッドを用意してもらえる場合があります。
JALやANAの場合は事前予約が必要です。電話予約のみの受付や、搭乗2日前までの予約など、航空会社によってルールが異なります。数に限りがあるため、早めの予約を心がけましょう。
また、バシネットは取り付け可能な座席が決まっているため、予約は確定ではありません。当日の状況で座席や機体の変更があると、利用できない場合もあることを理解しておきましょう。
出典:赤ちゃん、お子さま向けサービス(ご搭乗サポート) – JAL国際線
出典:小さなお子様連れのお客様 [国内線] | Service & Info [国内線] | ANA
サポート内容の確認
航空会社によっては、赤ちゃんが機内で快適に過ごせるようサポートを行っています。事前予約が必要なことが多いため、航空券の予約時に確認しておきましょう。
チャイルドシートの貸出や持ち込みを許可している航空会社の場合は、予約や問い合わせが必要です。搭乗時に優先搭乗が可能なケースもあります。
このほか機内では、ミルク作りの手伝いやおむつの予備がもらえるサービスもありますが、確実にサービスが受けられるとは限りません。お湯やおむつは持ち込み可能なので、準備できるものはなるべく持っていったほうが安心でしょう。
飛行機に乗る前にしておくこと
いざ、赤ちゃんと飛行機に乗ることになったら、荷物の用意やおむつ交換など、搭乗前に済ませておきたいことがあります。機内で慌てることのないように、しっかりと準備をしておきましょう。
機内に持ち込む手荷物をまとめる
おむつやミルク、離乳食など、赤ちゃん用に持ち込みたい手荷物は事前にまとめておきます。
液体の持ち込みには制限がありますが、ミルク用のお湯や離乳食など、赤ちゃんの飲食物に関しては必要な分だけ持ち込めます。ただし成田空港では、赤ちゃんのために必要なことを検査時に申し出ることが条件になるので注意しましょう。
また、長時間のフライトでは、トイレの失敗などのトラブルも考えられます。着替えやおしり拭きは多めに用意しておくと安心です。このほか、赤ちゃんが退屈しないように、おもちゃや絵本も準備しておきましょう。
いっぱい遊ばせて疲れさせておく
赤ちゃんが飛行機に乗る場合、環境の変化でぐずってしまうことがあります。そのため、搭乗前にたくさん遊んで疲れさせておくと、機内でぐっすりと眠ってくれるでしょう。
赤ちゃんが眠っていると、あやしたりミルクを飲ませたりする必要がありません。ベビーベッドなどが利用できる場合は、ひざに乗せる時間も短くなり負担が軽減できます。
空港の出発ロビーには、子どもが遊べるスペースを設けていることが多いため、飛行機に乗る直前まで遊ばせておくとよいでしょう。
搭乗直前におむつを交換する
機内のトイレやおむつ交換のスペースは狭く、多くの人が利用します。慌てておむつ交換をすると、失敗やトラブルもあり得ます。
そのため、おむつ交換は、搭乗直前に済ませておきましょう。短時間のフライトであれば、機内で赤ちゃんのトイレを気にする必要もなくなります。
また、赤ちゃんの面倒を見ながらトイレに行くのは大変です。保護者もトイレを済ませておくとよいでしょう。
飛行機内で気をつけること
飛行機に乗ってからも、いくつか気をつけておきたいことがあります。赤ちゃんはもちろん、周りの人もできるだけ気分よく過ごせるように気を配りましょう。
周囲への配慮
フライト中、赤ちゃんが泣いてしまったり、暴れてしまったりなど、周囲の人に迷惑をかけるようなトラブルが起きることが考えられます。「うるさくしてしまったら、すみません」と、隣や前後に座っている人に声をかけておきましょう。
赤ちゃんがいることを多くの人がわかっているだけでも、機内での過ごしやすさは変わります。赤ちゃんが眠っているとき、周りの人が起こさないよう気をつけてくれることもあるでしょう。
「赤ちゃんがいるから当たり前」と思わず、搭乗時と飛行機を降りるときに一声かけて、お互いに気持ちのよいフライトを心がけましょう。
赤ちゃんの耳抜き
「飛行機に乗ると耳がキーンとする」という人は多いですが、これは赤ちゃんも同じです。気圧の変化に対応するには、耳の中に空気を送り込む「耳抜き」を行う必要があります。
大人であれば、鼻をつまむなど自分で耳抜きができますが、赤ちゃんは自分ではできません。ミルクを飲ませる、食事を与えるなどして、耳抜きができるように促してあげましょう。
飛行機が離陸する前と着陸する前に行うと、耳が痛くなりにくいため、赤ちゃんが穏やかに過ごせるでしょう。
事前にしっかり準備しよう
赤ちゃんは、原則生後8日以上であれば飛行機に乗ることが可能です。料金は、座席の利用有無によって異なるため、事前にしっかり確認しましょう。また、子ども向けサービスの内容も航空会社によって異なります。事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
飛行機に搭乗する前には、赤ちゃんのお世話に必要な道具を手荷物にまとめ、周囲の人が不快にならないよう、きちんと配慮しながら空の旅を楽しみましょう。
文・構成/HugKum編集部