すべての教科の学習をするうえで必要不可欠である「国語力」。社会で必要な対人関係やコミュニケーション能力を養う基盤でもあり、近年は国語力の向上にむけた取り組みが再注目されています。
そこで今回は、国語力に焦点をあて、子供の成長に合わせてできる国語力を鍛える学習方法をご紹介!小学生のお子さんをもつ家庭で実際にやっている簡単な学習法も教えてもらいました!
目次
国語力とは?
国語力とはいったい何を指しているのでしょう。まずは国語力の意味とその必要性についてみていきましょう。
国語力の意味
国語力とは、「国語知識を基盤とした「聞く、話す、読む、書く」という言語運用能力」であり、言葉を通してものごとを「理解する力(考える力、感じる力、想像する力)」と「表現する力」を指しています。
国語力は、論理的思考力や感性、コミュニケーション能力の基盤となるものでもあります。生涯にわたって形成される教養や人間関係、価値観などにも深く関連している要素でもあり、小中学校の国語科指導において国語力向上の取り組みが推進されています。
子どもの国語力低下の背景
文部科学省「これからの時代に求められる国語力について」において、国語力を向上するには、「読書をする」ことが極めて重要であると指摘しています。しかし、近年子供の国語力の低下への懸念が高まっています。その背景の要因のひとつとして、子供たちの読書量の低下が指摘されており、特に中学生以降の読書の量が減っていると問題視されています。
国語力を伸ばす必要性とは
国語力はすべての学習の基礎であるといわれています。語彙力や読解力のみならず、言葉を通して「聞く、話す、読む、書く」能力はすべての科目において必要であります。さらに国語力は、学習のみならず感性や人間関係を築くコミュニケーション能力を養うカギでもあります。国語力は幅広い分野での基礎を成しており、生涯において重要であり必要不可欠な要素であることがわかります。
参照:文部科学省「これからの時代に求められる国語力について」
低学年向けの国語力を鍛える学習法
では、国語力を鍛えるにはどのように学習したらいいのでしょうか。まずは、小学校低学年に向けたおすすめの学習法をみていきましょう。
教科書の本文をノートに書き写す
国語力を鍛えるには「書く力」を身につけることが大切であり、「書く」ことによって文章の読解力が育まれるともいわれています。教科書の本文をノートに書き写すという単純な学習方法ですが、句読点の位置や改行、文の切れ目なども本文と同じように写すことで、物語や文の構成、さまざまな言葉の知識を深めることができるようになります。音読した時にも一度書いたことがある文章は、読みやすく、内容も理解しやすくなるでしょう。
1ページだけでもいいので、できるだけ毎日コツコツと続けて書くことが大切なポイントです。「書く」ことによって、文章を的確に読む力を身につけていきましょう。
字は丁寧に
きれいなノート作りは、学習効果を高めるといわれています。低学年の頃から丁寧に字を書くことを習慣づけるようにしましょう。学んだことをノートに自分なりに整理して書くことは、学習内容を正確に理解する助けにもなります。読み返して復習するときも、きれいなノートだとより読みやすく効率的に学習ができるでしょう。
本を読んだ後に親子で語り合う
読書をした後に、その本の内容を親子で語り合うことも国語力を鍛える大切な学習方法のひとつです。まずは、興味がある本を読んで感じたことや思ったことを子供から聞き出してみましょう。「おもしろかった」、「悲しかった」だけではなく、どこの部分がどういう風におもしろかったのかなどと具体的に話すことが大切です。子供が感じた自然な感想が聞き出せるよう、まずはお父さんやお母さんが「○○の○○がおもしろかったけど、あなたはどう思った?」などと話しかけてあげるのもいいでしょう。物語と自分の体験を重なり合わせて、語り合うこともおすすめです。感じたことを言葉で表現する力が身につき、豊かな表現力を養うことにもつながるでしょう。
高学年向けの国語力を鍛える学習法
次に小学校高学年向けの国語力を鍛える学習方法を紹介します。小学校低学年で培った国語力を土台にして、高学年になったら少しステップアップした学習方法を取り入れてみてください。
読んだ本の「要約」を書く
書き写し学習に慣れ読解力がついてきた高学年になると、読んだ本の要約を400字程度でまとめる練習をはじめてみましょう。興味のあるトピックの本や低学年向けの本から始めるのもひとつの方法です。少しずつ要約することに慣れてきたら、読解力を高められる文学作品に挑戦してみましょう。
要約をまとめるときのポイントは、5W1H(「誰が」、「何を」、「いつ」、「どこで」、「なぜ」、「どのように」)、そして「結末」をもらさずに書くことです。まずはそれぞれの項目を箇条書きに並べて、内容を整理してから書き始めるといいでしょう。
読解問題の間違った部分をひたすら復習
読解問題が解けなかったのであれば、ひたすら復習することがおすすめです。国語の場合、勘違いによる本文の誤読、文章の主旨が読み取れない、設問の読み取り間違いなどがミスの定番です。読解問題でなぜ間違ってしまったのか原因を知ることだけで、次につながっていきます。
国語力を伸ばすために家庭でしていることは?
国語力を伸ばすために実際に家庭でしていることを小学4年生~6年生のお子さんをもつお父さん・お母さんに教えてもらいました!お子さんの国語力を伸ばすヒントをみつけてみてください。
できるだけたくさんの本を読む
とにかく読書をたくさんするという回答が一番多くあがりました。10分でもいいので毎日読書する、図書館に行くなど普段から本に親しむ環境を意識してつくるようにしている家庭が多いようですね。
声に出して音読する
読書の次に多かった回答は、語彙力や読解力が高まる「音読」でした。本だけでなく新聞や宿題の問題なども声に出して音読するようにしているという家庭もあるようです。
たくさんの会話やアウトプットをさせる
普段のなにげない親子の会話から子供はさまざまな語彙や表現方法などの知識を吸収しています。ニュースや学校のこと、今日の宿題など自分の意見や感情を言葉で説明してまとめられるように日々の会話を意識している家庭も多いようですね。
分からないことは国語辞典で調べる癖をつける
わからない言葉や知らない漢字はとにかく辞書を使って自分で調べる習慣をつけるようにしている家庭もあるようです。自分で調べた言葉は記憶にも残りやすく、語彙力アップのみならず言葉への関心を深めることにつながります。わかりやすく絵で解説している百科事典や図鑑を使って調べるのもおすすめです。
幼児期からたくさんの絵本を読み聞かせる
本を読むことで読解力、語彙力が高まり、物事を見る目が養われるともいわれています。「読書」は国語力を高める基本でもあります。幼児期から絵本の読み聞かせをして本に親しむことで、大きくなっても本好きでいる子供も多いようです。本の読み聞かせは、本に興味を持たせるいいきっかけづくりにもなり、幼児期だけでなく、小学校高学年になってもおすすめです。
小学生の国語力向上におすすめの本
国語力がアップするおすすめの本を教えてもらいました。小学生の子供が実際に読んで気に入った本を紹介します。
ドラえもんの国語おもしろ攻略シリーズ
小学生の各教科にわたりベストロングセラーになっているドラえもんの学習シリーズ。「ドラえもんの国語おもしろ攻略 言葉の力がつく」はテストによく出題される和語、難語をわかりやすく漫画で解説。全国的に中学入試に高い合格実績を持つ、「日能研」の指導なので中学入試の基礎勉強にも役立ちます。
読解力をつけることばパズル
学研の小学生のまんが辞典シリーズ
親子で読んで勉強できる「小学生のまんが辞典」シリーズ。ことわざや慣用句、ことばのきまりなど日本語いろいろを漫画やイラストでわかりやすく解説されているので楽しみながら学習できると評判。
ゆめいっぱい かがやくみらい おんなのこのでんきえほん
かわいいイラストで女の子から特に支持が高い「ゆめいっぱい かがやくみらい おんなのこのでんきえほん」。ナイチン・ゲールやグレース・ケリーなど世界で活躍した女性のお話を集結。ひらがなで書かれているので小学校低学年のお子さんが1人でも読めるようになっています。寝かしつけの読み聞かせにもぴったりです。
マジックツリーハウス
アメリカでベストセラーとなり、日本語版が発売されて以来、国内でも大人気に。スマホやタブレットで朗読が聞けるようにもなっています。小学校低学年でも読めるように全部の漢字にひらがながふられており、子供が本好きになる工夫がされている冒険ファンタジーブックです。
火狩りの王
小学校高学年になると挑戦してみたい大人も楽しめるファンタジー小説。親子で読んで、物語を通して感じたことを語り合うのもおすすめです。
宮沢賢治「やまなし」
「クラムボン」と聞いて懐かしさを感じるお父さんお母さんも多いはず。小学生の国語の教科書に長年掲載されていた宮沢賢治の『やまなし』は、子供の想像力を掻き立てる物語になっています。大人になってどのように捉え方が変わったのか今度は子供と一緒に読んでみたい作品です。
小学生の国語力向上におすすめのアプリ
国語力向上におすすめのアプリを教えてもらいました!隙間時間に遊び感覚でできる学習アプリが人気なようです。
絵本が読み放題!知育アプリPIBO
0~12歳くらいまでの子供が楽しめる日本昔話や世界の名作などの絵本をプロの声優さんが朗読してくれるアプリ。年齢に合わせて絵本が選べられるのもうれしいポイントです。毎日の読み聞かせにも便利なアプリです。
かいけつゾロリのよみときぼうけんじま
児童書としても大人気の『かいけつゾロリ』のアプリ。4~9歳の子供を対象に、「ひらがな/カタカナ」、「ことば」、「漢字」、「文の組み立て」、「文章読解」、「ことわざ/慣用句」の6つのカテゴリーの国語を学べるようになっています。ゲームや動画を通して学べるので子供たちも遊びながら自然に学習することができます。
目指せ!国語力アップ
国語力アップにはとにかく読書をすることが重要!まずは、日常から本に親しむことを意識し、子供の成長に合わせた学習方法を自宅で取り入れてみて下さい。自宅学習で叱らないことが鉄則です。親子での会話を楽しみながら、国語力アップを目指しましょう!
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文・構成/HugKum編集部