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わらべ歌(童歌・わらべうた)とは?
わらべ歌とは、子どもたちの日常生活や遊びのなかで継承されてきた歌のこと。日本にはわらべ歌が数百種類以上あると言われており、今でも歌い継がれています。そんなわらべ歌にはどのような意味があるのか、また、歌詞や曲の特徴についても解説しましょう。
わらべ歌の意味
子どもたちが遊びや生活の中で歌ってきたわらべ歌。子どもが歌う歌の中でも、童謡は大人が作った子ども用の歌を指しますが、わらべ歌は子どもによって作り替えられたり、口伝えすることで歌い継がれてきた歌のことを言うようです。
歌詞の特徴
子どもたちが見たものや感じたことが、歌詞に込められていることが特徴です。さらに、歌と遊びがセットになっているものも多く、遊びながら身体機能の発達を促すことができます。
曲の特徴
広島市教育センターの「伝承文化であるわらべ歌遊びを、保育に継続して取り入れる効果を探る(平成17年度広島市学校教育研究グループ活動研究成果報告書)」によると、わらべ歌のメロディは半音進行がなく、ドレミソラの5音で成り立っているものが多いそうです。また音域が狭く、小節や音の跳躍も少ないため、子どもにとって無理なく自然に歌うことができるように作られていることが特徴とされています。
わらべ歌の効果とは?
広島市教育センターの「伝承文化であるわらべ歌遊びを、保育に継続して取り入れる効果を探る(平成17年度広島市学校教育研究グループ活動研究成果報告書)」によると、わらべ歌を取り入れることにより、赤ちゃんや子どもにさまざまな効果がみられるという報告がされています。
赤ちゃんへの効果
わらべ歌を聞かせることは、周囲に興味を持つきっかけになります。歌声に反応し、自発的に動こうとすることで、身体機能の発達に良い影響を与えることも考えられます。また、わらべ歌を歌いながら手足を使って遊ぶことでスキンシップがとれ、ママやパパとの絆を深めることができます。
子どもへの効果
わらべ歌を歌うことで、友達と楽しく遊ぶことができるため、コミュニケーション能力を身につけたり、言葉や数を覚えることにつながります。また歌と一緒に体を動かすことで、運動能力やリズム感を養うことも。さらに、日常生活の中で使われる言葉や動きが出てくるので、遊びながら生活の基本を学ぶこともできます。
わらべ歌の種類一覧
わらべ歌には、どのような種類があるのでしょうか。
絵描き歌
絵の描き方が歌詞になっており、歌詞の通りに歌いながら描いていくと、最後に絵が完成する遊び歌のことを言います。
代表的な歌
数字を使ってあひるを書くことができる「あひるのこ」や、コック棒をかぶったコックさんが書ける「かわいいコックさん」などがあります。
数え歌
数を表す数詞が歌詞に組み込まれており、歌いながら数を数えていく言葉遊びの要素が入った歌のことを指します。
代表的な歌
数字を使っておべんとうばこの中身を表現する「おべんとうばこのうた」や、果物や野菜で数を追っていく「いちじくにんじん」などがあります。
遊び歌(手遊び歌・ふれあい遊び歌)
歌に合わせて手や指を動かしたり、触れあったり、歌いながらコミュニケーションを楽しむ遊び歌のことを言います。
代表的な歌
歌に合わせて腕をなぞったり、くすぐる「一本橋こちょこちょ」や、手をつないだり手を合わせて遊ぶ「お寺の和尚さん」などがあります。
てまり歌
主に女の子たちがてまりをつきながら、そのリズムに合わせて歌う歌のことを指します。
代表的な歌
熊本県が舞台の「あんたがたどこさ」や、お手玉の数え歌としても歌われる「一番はじめは一の宮」などがあります。
子守歌
小さい子を寝かしつけたり、あやしたりする時に歌われる歌のこと。わらべ歌の子守歌は、子守役の子どもの心情を歌ったものも多いことが特徴です。
代表的な歌
江戸時代に流行したと言われ、今も歌われている「江戸子守歌」や、子どもの心情を歌った「竹田の子守唄」などがあります。
わらべ歌が活用されている場所・サービス
わらべ歌はどんな場所・サービスで活用されているのでしょうか。
保育園・幼稚園
保育園や幼稚園では、遊びや音楽教育の中にわらべ歌を取り入れているところが多くあります。わらべ歌は、体の発育を促したり、五感を育てて心の豊かさを育んだり、礼儀作法や知恵を身につけたりできると考える園もあり、心も体も健やかな子どもを育てていくうえで、有用だと考えらえているようです。また小学校の音楽の授業で取り入れている先生もいるほど、わらべ歌は子どもたちの教育にも活用されています。
ベビーマッサージ、胎教マッサージ
特定非営利活動法人「わらべうたベビーマッサージ研究会」では、オリジナルのわらべ歌を使って赤ちゃんをマッサージする「わらべうたベビーマッサージ」が推奨されています。わらべうたベビーマッサージに使用するわらべ歌は、赤ちゃんの耳に届きやすいとされるラの音を用い、繰り返しを多くして覚えやすいように作られているそう。また、新生児から使用でき、子どももすぐに覚えるので、小学校になってからもずっと楽しめます。わらべうたベビーマッサージは、親子の絆を深め、心身の発達を促し、夜泣きや便秘にもいい作用をもたらすとされているのが特徴です。
産後ダンス
赤ちゃんを抱っこしながら踊る「わらべうた産後ダンス」も提唱している特定非営利活動法人「わらべうたベビーマッサージ研究会」。わらべ歌に合わせて、抱っこ紐などで赤ちゃんを抱っこをしながら踊る「わらべうた産後ダンス」は、ラジオ体操やエアロビクス、社交ダンスの動きやステップで構成されています。ダンス初心者から経験者まで、体力に合わせて楽しく踊ることができ、ダイエットや骨盤矯正のサポートはもちろん、赤ちゃんの寝かしつけが楽にできるようになるというメリットもあるとされています。
幼児も楽しめるわらべ歌遊びの絵本のおすすめ
幼児も楽しめるわらべ歌遊びのおすすめ絵本を紹介します。
「あぶくたった―わらべうたえほん」
お馴染みのわらべ歌「あぶくたった」を歌いながら楽しむ絵本。ねずみの親子が小豆が煮えるのを待っている様子が描かれており、食べるしぐさや、煮える様子を体で表現するなど、親子で歌遊びを楽しむことができます。
「ととけっこう よがあけた (わらべうたえほん) 」
わらべ歌を元にしたリズミカルな歌を歌いながら読み聞かせる絵本です。朝が来て、にわとりがねこやぶたなどの動物や子どもを起こしていく展開と、何度もくり返される楽しいリズムと美しく明るい挿絵が特徴で、はじめての絵本として最適な一冊です。
赤ちゃんから小学生まで喜ぶ!わらべ歌の楽譜のおすすめ
赤ちゃんから小学生までが楽しめる、手遊び歌の演奏が可能なわらべ歌の楽譜を紹介します。
「子どもに伝えたい わらべうた手合わせ遊び子守うた」
わらべ歌の代表作や手合わせ遊び、幼児の遊ばせ歌などを網羅した充実の歌遊び集。簡単な楽譜とともに、絵本作家・たごもりのりこさんによる挿絵が描かれており、絵本としても楽しめます。また、複数人の友達と一緒に遊べるわらべうたの合奏アレンジ曲も紹介されています。
「山崎治美の楽しいわらべうたあそび集」
子どもも大人も世代を超えて楽しめるわらべ歌をCD付きで28タイトル全29曲収録。楽譜と一緒にイラスト付きの遊び方解説も付いているので、わかりやすく、すぐに真似して遊ぶことができます。スキンシップ編、スリル編、ストーリー編に分かれていて、年齢に応じて長く楽しむことができる内容です。
ふれあい遊びにピッタリのわらべ歌メドレーのおすすめ
ふれあい遊びにピッタリのわらべ歌メドレーが入ったおすすめのCDを紹介します。
「~0から100歳まで~ふれあいにっこり わらべうた」
赤ちゃんからお年寄りまで楽しめるわらべ歌30曲が収録されたCD。「いっぽんばし こちょこちょ」「げんこつやまの たぬきさん」「ずいずいずっころばし」など、保育現場で人気のわらべ歌が幅広くセレクトされています。イラストによる分かりやすい振り付け解説書付きで、初めて聞く曲でも楽しく遊べます。
「コロムビアキッズ つたえてあげたい あそべるわらべうた」
子どもたちが自然と覚えて歌い、遊んでいた”あそべるわらべうた”を中心に集めたCD。にらめっこで歌われ続けている「だるまさん」や「はないちもんめ」、「ひらいたひらいた」など、世代を超えて楽しめます。遊び方解説付きなので知らない曲もすぐに歌えます。
わらべ歌を毎日に取り入れよう
スキンシップはもちろん、心や体の発達、友達とのかかわり合いが学べるなど、多くのメリットがあるわらべ歌。毎日の生活の中にわらべ歌を取り入れ、赤ちゃんや子どもの心と体の発達を上手に促していきましょう。
文・構成/HugKum編集部