国語の文章問題が苦手な子の克服方法とコツを解説!おすすめドリルやアプリも

PR

国語の文章問題の解き方のコツ

ここまで、子どもの苦手意識の克服方法をまとめてきました。ただ、いずれの情報も、少し総論に近い話でした。もっと具体的に、今すぐ役立つ、文章問題の苦手克服のコツを『神奈川県版「読解力」向上のためのガイドブック』からまとめてみました。

文章を読みながら「5W1H」を押さえる

そもそも読書が苦手、文章を読む作業が苦手、読んでも意味が理解できないという子どもは、誰が(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、なぜ(Why)したのかといった、文中の大切な情報を見過ごしている可能性もあります。

例えば共同通信社の新聞記者が記事を書く際に守っているルールブック(『記者ハンドブック』)には、六要素と逆三角形という言葉が書かれています。新聞は5W1H(六要素)を簡潔にまとめた結論部分を最初に示し、その後でそれぞれの情報に肉付けしていく(逆三角形)書き方をしています。

逆から言えば、新聞のリードは5W1Hを見抜く、整理する際の練習材料になってくれるはずです。大人用の新聞だと言葉が難しすぎるので、全国紙が出している子ども版の新聞を購読して、ニュースの冒頭(リード)を子どもと読みながら、5W1Hをまとめる練習をしてみてもいいかもしれません。

「事実と意見」とを区別する

文章を読みながら、根拠を持って批判したり、書かれた内容を深く理解するためには、「テキスト」の中に書かれた事実の部分と、著者の意見の部分を分けて考えなければなりません。

「テキスト」について熟考・評価する力が弱い子どもは、この部分をごちゃごちゃにしている可能性があると『神奈川県版「読解力」向上のためのガイドブック』でも指摘されています。

文章問題の「テキスト」のどこが事実で、どこが意見なのか、意見を支える根拠は何なのかを、親子で一緒に考える練習が、本番のテストでも役立つ可能性が高いです。

接続詞に注目する

先ほど、語彙力が大切だと紹介しました。語彙力の中には当然、接続詞も含まれます。接続詞とは、話の展開を予告し、補強してくれる大切なつなぎ目の言葉ですね。

「さらに」などの付加を意味する接続詞、「なぜなら」など理由を意味する接続詞、「例えば」など例示を意味する接続詞などに毎回注目し、論理の流れを正確に把握する練習をしてみてはどうでしょうか? 本文の意味、問題の意味を理解できない子どもも、本文の展開を見失う心配が減るはずです。

「Why」「True?」「So what?」

世界的な経営コンサルティング会社に勤務するBarbara Mintoが書いた『The Pyramid Principle』という書籍があります。この本は、論理的なレポートを書くための文章論が扱われています。

その中で、論理的に整合性が取れた文章を書くためのポイントとして、「Why(なぜ)」「True?(本当に?)」「So what? (それで?)」を常に意識するといいと書かれています。

この考え方は文章を読む際にも応用できるはずです。「テキスト」について熟考・評価する力が弱い子どもは、文章を読む際に本文に対して「なんでそうなるの?」「本当に? 根拠は?」「それが、どうしたの?」と問い続けると、論理を正確に追い続けられるはずです。

『神奈川県版「読解力」向上のためのガイドブック』にも、「なぜ?(なぜ~は~だと言えるのですか?)」「それから?」「具体的には?」「他には?(もう少し)」 を問い続ける大切さが書かれています。

親子で読み聞かせをしたり、一緒に読書をしたりする時、本文の流れに応じて「なんでこうなったの?」「これって、本当かな?」「それで、どうなったと思う?」などと、親が上手に問い掛けを織り交ぜてみてはどうでしょうか。

自然と子どもは「Why(なぜ)」「True?(本当に?)」「So what? (それで?)」を考えるようになるかもしれません。

「主語―述語」を明確に表現する

日本語の特徴として、主語と述語が離れやすい問題があります。大人の作文でも、主語を書いて途中の文章を書いているうちに、「何をした」という述語の部分を書き忘れてしまう場面がありませんか?

読解問題で意味の分からない長文に出くわした時は、途中の余計な情報を無視して、主語と述語にだけ注目してみてもいいのかもしれません。

記述問題の解答でも、自分の考えを表現する力が弱い子どもには、主語と述語がきっちり対応しているか、見直す習慣を身に付けさせてみましょう。

生涯役立つ!子どもの【国語力】を伸ばすには?学年別の学習法やおすすめ本をご紹介
すべての教科の学習をするうえで必要不可欠である「国語力」。社会で必要な対人関係やコミュニケーション能力を養う基盤でもあり、近年は国語力の向上...
次のページは▶▶学年別|文章問題におすすめのドリル

編集部おすすめ

関連記事