言うことを聞かない3歳児にお手上げ! 体験談から探る、原因や親としての接し方、NG行動も…

子育てをしていると、ミルクの飲みが悪い、離乳食をあまり食べてくれない、寝てくれないなど月齢ならではの悩みにぶち当たることが多々あります。3歳児の悩みとして最も耳にすることが多いのが、『言うことを聞いてくれない』ということです。

言うことを聞かない3歳、どう対応するべき?

3歳は自我の確立が著しい時期。運動能力の発達だけでなく生活面においても自分でできることがぐんと増え、たくさんのことを考えて吸収するこの年齢は自己主張も強くなってきます。なかなかこちらの要求を呑んでくれず、ちょっとしたことでも時間がかかってしまい1日が予定通りに進まない、と嘆くママ&パパも…。

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3歳の子を持つママ&パパの体験談

まずは3歳のお子さんを持つママ&パパを対象にアンケート調査をおこない、子どもが言うことを聞かない実体験について教えてもらいました。

※アンケート調査は3歳向けで取りましたが、120人中22人が「3歳の子はいない」と回答したため除外。よって、98人を対象にしたデータです。

Q.3歳の子が「言うことをいかない」と思うことはありますか?

「よくある」と回答した人は過半数を超え、「ときどきある」を合わせるとほとんどのママ&パパがイヤイヤ期の訪れを実感しているという結果に。3歳児が言うことを聞いてくれないのは特別なことではなく、成長過程において誰もが通る道だと思ってよさそうです。

ママ&パパの体験談

次に、どんなシチュエーションで言うことを聞いてくれないのか具体的な例を挙げてもらいました。

まだまだ「我慢する」ということができないのが3歳児。自分が今熱中していることや楽しいことをどうしても優先させたいという気持ちが、その原因になっていることが多々あるようです。

「自分が遊びに熱中している際に、親の都合で出かけるときやご飯を食べようをするときに『僕はいまこれをやっているからできないよ。』という。」(30代・千葉県・子ども1人)
「保育園から降園する時に、遊んでなかなか帰途につかない。『帰ろう』と声をかけても、お友だちを見つけては『一緒に帰るの!』と言い、また遊び始める。」(30代・岡山県・子ども3人)
「お風呂に入ろうと促しても入りたくないということが結構あります。『遅いからそろそろお風呂に入ろうね』と声かけをすると『入りたくない』、『いっぱい一日遊んだからしっかり洗いにお風呂行こう』『いや』というやり取りが多いです。」(30代・岡山県・子ども1人)
「食事の際、椅子に脚を上げたり、手をテーブルの上に出さなかったり、何度注意してもなかなか言うことを聞いてくれない。最初は普通に注意をするも、聞こえていないフリ?をすることが続き、言い方がきつくなってしまう。」(30代・大阪府・子ども2人)
「お店の中で走り回り、『人や物に当たると危ないから走らないで』と注意しても、聞こえないふりをして一人で走っていってしまう。真剣に叱ってもへらへらしていてきちんと聞いてくれないことがある。」(20代・愛知県・子ども1人)
「トイレを我慢してもじもじしているので、トイレに行こうと誘っても、『やだー!おしっこでないー』と言って行かず、結局間に合わない。」(30代・神奈川県・子ども2人)
「都合の悪いことは聞こえないふりをしたり、約束をしてもスルーされたりします。『やーだよー』『〇〇ない!!』と自分の意見を押し通したい姿があります。」(30代・神奈川県・子ども2人)

3歳が言うことを聞かない理由

3歳児が言うことを聞いてくれないのは、自我の確立など成長の過程におけるものだと先述しましたが、もう少し具体的に理由を探っていきましょう。

1歳半~3歳頃に見られる「第一次反抗期」

自我が芽生えることによって主に2~3歳頃に見られるのが「第一次反抗期」。「イヤイヤ期」や「魔の〇歳児」とも呼ばれるそれは、赤ちゃんから子どもへと成長するうえで欠かせないものといっても過言ではありません。なんでもやってくれた親から離れ、「自分」というものを作り上げていくこの時期には、全てにおいて「イヤ!」と反抗をしたり、親の言うことを無視したりなどという行動が多く見られます。

親との信頼関係を築く時期

子どもは時に「なんでこんなことに執着するんだろう」という意味のわからないこだわりや、理由が全く理解できないことで駄々をこねたりすることもありますよね。そんな時はただ単に意地を張ってしまっているだけではなく、親との関係を試していたり、甘えている可能性も…。

自分でやりたい!の気持ちが強くなる

身体も心もぐんぐん発達し、今まで自分でできなかったことができるようになったり、たくさんのことを考え吸収したりすることで、「挑戦したい!」という気持ちがむくむく湧いてくるのがこの時期の子ども達。やりたいのにうまくできない、1人で頑張りたいのに親がやってしまった、そもそもやらせてもらえないなどといったことがお子さんの癇癪の理由となっていることもあるようです。

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言うことを聞かない3歳児への接し方

毎日イヤイヤを繰り返す子ども。いつスイッチが入るかわからず、常にヒヤヒヤしながら子連れで外出するのは精神的にも疲れますよね。もう無理!と爆発して強く叱ってしまうこともあると思いますが、そういった対応の仕方によっては子どもの健全な心の成長を妨げてしまうことになりかねません。

ではどういった接し方をすればいいのか、いくつかポイントを挙げてみました。

頭ごなしに怒らず、分かるように教える

自分の意志を持ち、それを主張するというのは年齢関係なく生きていくうえで大切なこと。この時期に言うことをきかないからと頭ごなしに叱ってしまうとお子さまは自己主張することを諦めてしまい、成長してからも自分の思いを内に溜め込んでしまうということに繋がってしまうかもしれません。

子どもの主張にも耳を傾けて尊重しながら、なぜそれがダメなのか、どうしてこうした方がいいのかなどママ&パパの考えを分かるように伝えることが大切です。

「やりたい!」の気持ちを温かく見守る

好奇心旺盛な3歳児。心と身体の発達により、さまざまなことにチャレンジしたいという欲も芽生え始めます。時間の概念があまりないため、興味のあることには長時間のめりこむことも。ママ&パパの予定もあるため毎回そうはいかないと思いますが、なるべく子どもの興味や好奇心に寄り添って納得のいくまで付き合ってあげましょう。

子どもの気持ちを受け止めて、甘えさせてあげる

子どもは「ママやパパは自分の要求をぶつけてもきちんと受け止めてくれる存在なんだ」ということを確認、実感することで親との信頼関係を築いていきます。癇癪を起こしている時は突き放すのではなく、抱きしめるなどして愛情を表現してあげることも大切。そうすることで自己肯定感が高まって自分に自信を持つことができ、それがのちのちの積極性などへと繋がっていきます。

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親が注意したい行動や言動

日々さまざまなシーンで突然始まる子どものイヤイヤ。どんな方法を試してみても一向におさまらず、どう接するのが正解なのかわからなくなりつい声を荒げてしまうなど、お手上げ状態の人も多いと思います。

しかし親の接し方次第では子どもの人格や性格にマイナスな影響を及ぼしてしまうこともあるため、気をつけたいポイントがいくつかあります。

子どもの人格を否定する言葉で怒る

言うことを聞いてくれないことが日常的に繰り返されるこの時期、何を言っても聞いてくれない、通じないとなるとママ&パパもパンク寸前。つい「なんでそんなに意地悪ばかりするの!」「またウソばっかりついて!」などと人格を否定することを言ってしまったり、他のきょうだいと比べて下げるような怒り方をしてしまうこともあるかもしれません。

しかしまだ3歳とはいえ、それらの言葉は子どもの心に自然と刻まれ、自分は意地悪なんだ、嘘つきなんだ、きょうだいと比べて劣っているんだ、と思い込むようになってしまいます。

嘘になる約束ではぐらかす

おもちゃコーナーからなかなか離れてくれない時に「あとでもう一回来てあげるから」と嘘の約束をしたり、言うことを聞いてくれず「警察に連れていくよ!」と脅しのような言葉を放ってしまった経験はありませんか?  その場をどうにか収めたい一心で、そのような実現しない約束や、都合のいい嘘をついてしまったことのあるママ&パパさんもいると思います。

海外の研究結果によると、子どものころに親から多くの嘘をつかれた子どもは大人になってから親に嘘をつきやすく、心理的な問題を抱えるリスクも高まる傾向にあるのだとか。親にとってはなんてことのないその場しのぎの嘘でも、積み重なると将来子どもに悪影響を与えてしまう可能性が…。

余裕を持って時間を見積もっておくと◎

イヤイヤ期真っ只中のお子さまとの生活は予測できないことばかり!  1日のスケジュールをタイトに組んでしまうとその通りに進まず、親の気持ちにもどんどん余裕がなくなりイライラは募る一方に…。

想定外のイヤイヤへの対応や、子どもの好奇心による寄り道などを優先してあげられるよう、時間は多めにとっておくといいでしょう。時間にも心にも余裕が生まれ、子どもへの接し方も変わってくるはずです。

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今は見えずとも、出口は必ずあります!

3歳児が言うことを聞かないのは心の成長のサイン。とはいえ性格によっても個人差があるため、「どうしてうちの子ばかりこんなに癇癪を起こすのだろう…」と、つい周りのお子さんと比べて思い悩んでしまうこともあると思います。

言うことを聞かない時期も期間限定。色んなことを学び、理解していく時期だと捉え、ママ&パパさんも息抜きをしながらお子さんと一緒に乗り越えていきましょう。

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文/鈴木美奈子

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