目次
赤ちゃんの平熱はどれくらい?
赤ちゃんの平熱と大人の平熱は違うことをご存知ですか。赤ちゃんの熱の区分、月齢別の平熱を見ていきましょう。
赤ちゃんの熱の区別
赤ちゃんの熱は、平熱、発熱、高熱、微熱と区別することができます。
平熱
平熱は、健康な状態のときの体温のことです。赤ちゃんの場合は、36.5〜37.5℃が平熱です。大人よりも平熱が高いことを覚えておきましょう。
発熱
乳幼児の場合、一般的には体温が37.5℃以上を発熱といいます。体温が37.5℃以上になると予防接種を受けることはできません。あるいは、平熱よりも1℃以上体温が高い場合を発熱とする考え方もあります。
高熱
乳幼児の場合、体温が38.5℃以上を高熱といいます。
微熱
微熱は、平熱よりも少し熱が高い状態をいい、明確な定めはありません。平熱よりも少し熱が高い状態、たとえば1℃以上高くはない状態を微熱といいます。
赤ちゃんの平熱の目安
実際に測った赤ちゃんの平熱は何度くらいなのか。文献をもとに脇の下で測った体温の目安を紹介します。
新生児
新生児の体温は、36.7〜37.5℃です。平均値は37.1℃となります。
乳児
乳児の体温は、36.8〜37.3℃です。平均値は37.1℃。新生児とほぼ同じです。
幼児
幼児の体温は、36.6〜37.3℃です。平均値は37.0℃。乳児のころよりもほんのわずかですが、体温が下がっています。
赤ちゃんの平熱を知ろう! 体温の測り方
赤ちゃんの平熱を知るには、体温計で測る必要があります。体温計には、おでこや耳で測るものや脇で測るタイプなど、さまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、選ぶときに迷うこともあるかもしれません。
以下の記事では、赤ちゃん用体温計の必要性や選び方、おすすめの体温計も紹介しています。赤ちゃんの体温計について知りたい方はチェックしてみてください。
平熱が高い赤ちゃんの特徴と注意点
赤ちゃんの平熱は、大人よりも高いケースが多くなっています。平熱が高い赤ちゃんの特徴と注意点を見てみましょう。
特徴
赤ちゃんの平熱が大人より高いのは、大人より体温維持が困難な2つの理由があるからです。
1つ目は、身体が小さい割に体表面積が大きいので、体表の温度が奪われやすいこと。2つ目は、皮下脂肪が少なく、皮膚から熱が逃げやすいことです。平熱を高く保っておくことで、これらの点をカバーできると考えられます。
また、乳幼児は体重あたりの食事摂取量が成人よりも多いことから、体がつくる熱の量が多くなり、体温が高くなるといわれています。
注意点1:汗への対処
首のまわりや背中などに汗をかいていたら拭いて、着替えさせるようにしましょう。汗を拭いてあげることで、あせもなどの湿疹や体が冷えることを防げます。
注意点2:大人が体温調節を
赤ちゃんは体温調節がまだ上手にできません。自分で調節できないので、衣服の調節や室内温度など、快適に過ごせるようにママ・パパが管理してあげてください。
注意点3:平熱よりも1℃以上高ければ身体をくまなくチェック
平熱よりも1℃以上体温が高い場合は、いつもと違うところがないか、身体をチェックしましょう。元気がない、飲みが悪い、ぐったりしている、おしっこの回数が少ないなど、いつもと様子が違うようなら、病気の疑いがあります。
平熱が低い赤ちゃんの特徴と注意点
赤ちゃんのなかには、平熱が低い子もいます。そのような赤ちゃんの特徴、注意点を解説します。
特徴
赤ちゃんは体温の調節がまだうまくできないため、外気の温度が低いと体温も低くなる傾向にあります。また、1日のなかでも体温に変化があり、冷房で冷えすぎたり、寝る前などは体温が一時的に低くなることもあります。とはいえ、体温が36℃以下になっていなければ心配する必要はありません。
注意点1:室内温度を低くしすぎない
室温が低すぎると身体が冷えてしまいます。適度な室温を保つようにしましょう。
注意点2:体温が36℃以下の場合は温かくする
体温が36℃以下の場合は、衣類を多く着せたり、毛布でくるむなどして身体全体を温めてあげてください。また、室温も少し上げるなど、調整するようにしてください。
注意点3:低体温がひどい場合は病気や疾患に注意
低体温がひどい場合は、感染症、代謝疾患、心疾患の可能性があります。低体温が続く場合は、病院を受診してください。
赤ちゃんが熱を出したときの対処法
赤ちゃんが発熱した場合の対処法を、「微熱」「発熱」「高熱」別に解説します。
微熱(37℃程度)
微熱であっても元気そうなら、いつもどおりに過ごして様子を見ましょう。無理に寝かせる必要はありません。こまめな水分補給を心がけてください。
発熱(37.5℃以上)
発熱しているものの、水分をしっかり摂れていて、ぐったりしていないようなら、以下の対処をして様子を見て過ごします。
・こまめに水分補給する
・首、足の付け根、脇などを冷却剤などで冷やす
・汗をかいたら、肌着を着替えさせる
ただし、いつもと様子が違うようであれば、病院を受診しましょう。
高熱(38℃以上)
高熱が出た場合は、早めに病院を受診するようにしてください。特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんは注意してください。
熱があるのに手足が冷たい
熱があるのに手足が冷たいのは、まだ熱が上がりきっていないからです。厚着をさせ、布団の枚数を増やしたり、室温を上げたりして、体温を下げないようにしてください。
熱があっても元気
生後6ヶ月以上の赤ちゃんでは、熱があってもミルクが飲めていて、元気そうなら自宅で様子を見ることもあります。ただし、赤ちゃんの体調が変化しやすいので、しっかり様子をチェックしてください。
このとき、水分補給をこまめに行うようにし、衣類の調整をして赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてください。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
編集部がピックアップ!赤ちゃんの熱を冷やすおすすめグッズ
赤ちゃん熱を冷やすグッズのおすすめを編集部がピックアップしました。
「チュチュベビー わきの下専用ちょいパットアイス」
脇の下専用冷却パック。ゴム仕様で簡単に装着ができ、長さの調節もできるのが特徴。取り外し可能なボタンが付いているので、片側のみでも使えます。冷凍しても固まらないジェルを使用し、ゴツゴツせず、やさしい装着感です。
「チュチュベビー やわらかジェルまくら」
冷やしてもかたまらず、ゴツゴツしない、やわらかいジェルまくらです。ジェルが「かたよりにくい」構造になっているのもポイント。赤ちゃんの後頭部をしっかり冷やします。
「ケンユー ももアイス」
太ももの付け根部分を冷やす保冷バンド。冷凍しても柔らかいジェル袋を、面ファスナー付きの保冷バンドにセットして装着します。保冷バンドは細かい起毛のパイル生地を使用しており、肌に優しいのがポイントです。
赤ちゃんの平熱は個人差・変動が大きい
赤ちゃんの平熱には個人差があります。また、1日に体温が大きく変動するため、起きたとき、午前、午後、寝る前の4回測って記録しておくと、発熱しているかどうかがわかりやすくなります。ただし、平熱であっても体調に変化があれば病院を受診してください。
発熱した場合、体調に変化がないようなら、自宅でできるケアをしながら経過を見守りましょう。赤ちゃんが嫌がらなければ熱を冷やすグッズを使ってみるのもおすすめです。
文・構成/HugKum編集部