とろろは冷凍保存できる?
とろろは冷凍保存ができるんです。山芋は食物繊維を多く含むため、そのままの形で冷凍すると繊維が破壊され食感が落ちます。そのため、山芋は、すりおろし冷凍保存がおすすめ。とろろを冷凍保存するために、まずはとろろの基本情報からチェックしていきましょう。
とろろとは?
「とろろ」は、山芋や長芋を生の状態ですりおろしたものをいいます。ビタミンB1やビタミンC、カリウム、食物繊維などを豊富に含みます。
山芋と長芋の違いとは?
山芋の正式名称は「ヤマノイモ」。山や野に自生し、生で食べることができる芋類すべてを「山芋」といいます。よって、長芋や自然薯、つくね芋なども「山芋」ということになります。山芋の中にも、いくつか種類がありますが、それらの栄養価はほとんど違いはありません。では、種類別に特徴をみていきましょう。
・長芋
長芋は、太く長い棒のような形をしているのが特徴です。長芋は水分量が多いため、他の山芋に比べると粘り気は弱く、味は淡白。さらっとした食感が楽しめます。短冊に切り、生で食べたり揚げ物にするのがおすすめです。
・自然薯
長芋や大和芋は中国から入ってきた外来種ですが、自然薯は日本原産。風味豊かでしっかりとした味わいがあり、長芋に比べると特に粘りが強いのが特徴です。出汁などを加えると、より美味しく食べることができますよ。
食べられなくなったとろろの見分け方
とろろが腐ると以下のような特徴がみられます。
・カビが生える
・中が茶色や黒っぽく変色する
・苦味や酸っぱい味がする
・腐った臭いがする
これらを感じたら、腐っている可能性があるので食べないようにしましょう。また、山芋をとろろにする際に、ピンク色や薄い赤色に変色していることがあると思います。これは酸化によるもの。腐っていませんので、変色した部分を取り除けば食べることができますよ。
とろろを冷凍保存するコツ
とろろを作る際、おさえておきたいポイントや上手に冷凍保存するコツをチェックしていきましょう。
とろろの作り方
1、山芋のヒゲはハサミで切り、持つ部分を残して皮をむきましょう。
2、山芋を持ち、おろし金に垂直に当てておろします(滑る場合はキッチンペーパーで山芋を持つと良いですよ)。
山芋をとろろにする際、金属製のおろし金を使うと山芋の酸化を速めます。そのため、金属製のものより、プラスチック製のもの、または、すり鉢でおろすのが良いでしょう。
痒くなる原因とは?
山芋をおろす際、手が痒くなってしまいますよね。ひどい人は、食べると口の周りが痒くなることも。この痒みの正体は、シュウ酸カルシウムの結晶なんです。この結晶は針のように尖った形状をしいるのが特徴。山芋の皮付近に多く含まれ、皮をむいたり、すりおろす際に皮膚に刺さるように付くことで痒みになるのです。
手が痒くならないコツ
・手や手首に酢をつける
痒みの原因、シュウ酸カルシウムはアルカリ性。酸性の酢を手や手首に塗り込むことで中和され、かゆみが出にくくなります。また、酢は、痒みが出たあとに塗っても効果的ですよ。
・痒みが出たらお湯につける
シュウ酸カルシウムは熱に弱いため、痒みが出た箇所を40度前後のお湯につけると、痒みがおさまります。
冷凍とろろがまずくなる原因
冷凍とろろがまずくなる原因は、冷凍や解凍する際に水分が出ていくこと。水分が失われると、つるっとした食感などが損なわれます。使いやすい量で小分けし、必要な分だけ解凍することで水分をキープしやすくなります。
とろろの冷凍保存方法
変色を防ぐ方法や鮮度を保つポイント、とろろを上手に冷凍保存する方法をみていきましょう。
用意する物
・山芋
・酢
・おろし金
・フリーザーバッグ
・金属製トレー
手順
1、とろろに変色防止のために酢を少々、入れて混ぜましょう。
2、一回で使い切れる量をフリーザーバッグにいれます。
3、なるべく薄く平らにし、空気を抜いて封をしましょう。
4、金属製のトレーに乗せて冷凍保存すると、急速冷凍することができ鮮度が保てます。
解凍方法
フリーザーバッグのまま流水解凍、もしくは、冷蔵庫に移して解凍しましょう。
保存期間
約1カ月の保存が可能です。
製氷皿で小分け冷凍すると便利
とろろを製氷皿で冷凍保存すると、少しだけ使いたい時にすぐ取り出すことができて便利ですよ。
用意する物
・とろろ
・酢
・製氷皿
・ラップ
手順
1、とろろに酢を少々、混ぜておきます。
2、製氷皿にとろろを流し込み、きっちりとラップをして冷凍庫で保存。
3、2〜3時間後、製氷皿からとろろを取り外し、フリーザーバッグに入れ替えて冷凍保存しましょう。
解凍方法
使う分だけフリーザーバッグに入れ、流水解凍か冷蔵庫で解凍しましょう。急ぎの場合は、電子レンジも可能です。その際は半解凍にすると風味が損なわれにくいですよ。
保存期間
約1カ月を目処に使い切りましょう。
冷凍とろろを使った簡単レシピ
あと一品欲しい時におすすめ、冷凍とろろを使ったレシピをご紹介します。
もちふわ!とろろとあおさのお焼き
【材料(作りやすい量)】
- 冷凍とろろ… 250g
- あおさ… 小さじ1
- 片栗粉… 大さじ2
- 白だし… 大さじ1
- サラダ油… 適量
【作り方】
1、冷凍とろろを流水解凍しておきましょう。
2、ボウルにとろろ、白だし、あおさ、片栗粉を入れ混ぜ合わせます。
3、フライパンにサラダ油をひき、2のとろろをスプーンで食べやすい大きさの量をすくって入れます。
4、片面に焼き色がついたら、ひっくり返し、もう片面焼きましょう。両面こんがりと焼き色がついたら出来上がりです。
とろろとしめじの味噌汁
【材料(2〜3人分)】
- 出汁… 500ml
- 味噌… 大さじ2.5
- しめじ… 適量
- 冷凍とろろ… 100g
- ねぎ… 適量
【作り方】
1、冷凍とろろは流水解凍しておきます。
2、出汁を火にかけ煮立たせます。出汁が煮立ったら、しめじを入れましょう。
3、しめじに火が通ったら、弱火にして味噌を溶きます。
4、器に3を入れ、最後に解凍したとろろとねぎを入れて完成です。
とろろは小分けして美味しく冷凍保存しよう
冷凍とろろがまずくなる原因は、水分が失われることだとわかりました。小分けすることで必要以上に水分が失われるのを防ぐことができます。使い切れなかったとろろは、「小分けして冷凍保存」を是非お試しください。
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)