【持続可能な寄付活動】ヘアドネーションで笑顔をつなぐ! 寄付をした小学生の体験談をレポート

SDGsという言葉があちこちで聞かれるようになった今、「何かしたい」と思っても、具体的な動きを起こすのは意外と難しいですよね。そんな皆さんが、関心を持った課題から関われるよう、この連載ではSDGsにつながる活動をあらゆる角度からピックアップ。第六回目は、ヘアドネーションについてご紹介します!

SDGsは「持続可能な開発目標」の略で、2030年までに世界中で力を合わせて達成しようとしている17の目標のこと。その中には、貧困の問題や、教育、ジェンダー平等、環境問題など様々なジャンルの社会課題が含まれています。

ヘアドネーションを知っていますか?

ヘアドネーションという言葉を聞いたことがありますか? がんなどの病気や、先天性および心因性の脱毛症・無毛症で髪の毛を失った方のために、寄付された髪の毛でウィッグを作り、無償で提供する活動です。

小児がんと闘う子ども達の中には、つらい治療に加えて自分の髪が抜けてしまうことに、大きな精神的ダメージを受けることがあります。ヘアドネーションは、そんな子ども達に、自分のウィッグをプレゼントすることで、治療や毎日の生活に少しでも前向きな気持ちを持ってもらうことにつながる活動です。

写真AC

どうやって寄付するの?

髪を伸ばしたら、ヘアドネーションの活動に賛同する美容室で髪を切ってもらいます。

いつも利用している美容室で対応ができない場合、インターネットで「ヘアドネーション」と検索すると、様々な団体が出てきますので、気に入った団体のWEBサイトから、お近くの美容室を検索をすると良さそうです。

必要な髪の長さは、31㎝以上と言われています。ウィッグを作る際、髪の毛を半分に折ってウィッグ用の地肌に植え付けるのですが、31㎝未満の毛では医療用のフルウィッグが作れないためです。

ちなみに、提供する長さによって作れるスタイルが変わってきますので、伸ばす際の参考にしてみてください!

31cm:ショートウィッグ
40cm:ボブウィッグ
50cm:ロングウィッグ
60cm:スーパーロングウィッグ

参考:JHD&Cホームページ

実際にヘアドネーションを行った親子にお話を聞いてみました!

ヘアドネーションは、髪の毛さえ伸ばせば、子どもにもできる活動。実際に、ヘアドネーションを行ったHugKum読者のママと、娘のあかりちゃん(小学3年生)にお話を聞いてみました!

2年半かけて、寄付を実現!

筆者:なぜヘアドネーションをしようと思ったのですか?

ママ:コンビニやスーパーのレジに、募金箱が置いてあることがありますよね。それを見つけると、娘はよく「募金するからお金ちょうだい」と言っていたんです。ある時「ママのお金をもらって入れても、本当にあなたが寄付したことにはならないよ」という話になって。娘と考えた結果「髪の毛なら自分のものだから、本当の寄付になるかもしれない!」ということで、挑戦してみることにしました。

筆者:何か月くらい伸ばしたのですか?

ママ:もともと七五三のために髪を伸ばしていたのですが、七五三を終えた娘にドネーションを提案し、そこから1年ほど伸ばしました。

ドネーションには最低31㎝必要とのことでしたので、おかっぱだった髪が、ドネーションできる長さになるまでは、2年半程かかりました。

2年半かけて伸ばした髪の毛をカットしました。少し緊張した様子のあかりちゃん。

近所のヘアサロンでできました

筆者:髪の毛はどこで切ったのですか?

ママ:近所のヘアサロンで「ヘアドネーションをしたい」旨を伝えたところ、普通のカット料金に+1000円でヘアドネーション用にカットしてもらえました。

お店では、シャンプーをした後、髪をゴムで小分けにして、長さを測ってカットしました。

【before】

こんな風に髪の毛の束を分けてからカットします。

【after】

カット後の写真。ドネーション後の ボブヘアも可愛いですね!

 

カットした髪の毛は、持ち帰って自分で郵送します。ウェブサイトで、ドナーシートという用紙をダウンロードして詳細を記入し、レターパックに同封し発送しました。

追跡できる郵送方法を推奨されていたのでレターパックにしたのだそう。

 

私たちはJHD&C事務局という団体に送りました。WEBサイトにヘアドネーションの仕方から、寄付した髪の毛がウィッグになるところまでわかりやすく書いてありましたよ。

さみしかったけど、ウィッグになるのは楽しみ!

ママ:気軽に始めたヘアドネーションですが、髪が伸びれば伸びるほどシャンプーやドライヤーにもひと苦労。途中、諦めそうな時が何度かありましたが、親として手伝えることろは手伝って、伸ばすことができました。困っている人のために行動し、寄付できたことは娘にとって大きな自信につながったように思います。ヘアドネーションを通して私も様々なことを学ぶことができ、良い経験になりました。

大切な髪の毛を贈る前に、写真を撮ってくれました!

あかりちゃん:ヘアドネーションの話を聞き、私のかみの毛がだれかの役に立つなら、ぜひやってみたいと思いました。
切った時は、思ったよりも短くなってしまったので、少しさみしかったです。切りに行く前に、一度、美よういんへ行って、31センチくらい切るとどのくらいの長さになるか、切っても結べるか、聞いておいたほうがよかったなと思いました。でも、このかみの毛が捨てられるのではなく、ウィッグに生まれ変わると思うと、楽しみな気持ちになりました。
ひつようとしている人がたくさんいるので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと思いました。

困っている人を想像し、行動を起こす経験に

 

 

 

 

 

髪の毛を伸ばすという、簡単そうで根気のいる寄付。ヘアドネーションのために伸ばしていたとはいえ、30㎝以上髪の毛を切ることは、女の子にとって勇気のいることだったのではないかと思います。でも、困っている人のことを想像して行動を起こし、最後までやり遂げた経験はこれからの自信にもつながりそうですね。 あかりちゃんの髪の毛がウィッグとなり、必要とするお子さんとご両親に笑顔を届けられたらいいなと思います。

皆さんの中でご興味がわいた方は、ご支援を検討してみてはいかがでしょうか。

写真提供/あかりちゃんのお母さま
文・構成/寒河江尚子

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