Amazonを使って寄付!?「フードバンク」で7人に1人の子どもが貧困という社会に向き合う

SDGsという言葉があちこちで聞かれるようになった今、「何かしたい」と思っても、具体的な動きを起こすのは意外と難しいですよね。そんな方が手軽に取り組めることとして、今回は「フードバンク活動」についてご紹介します。

子育てや仕事に追われている世代でも手軽に取り組めることとして、SDGsにつながる課題に取り組む団体に寄付をする、という形のアクションがあります。今回ご紹介するのは「フードバンク活動」についてです。

【第一回  Donation to SDGs! ユニセフ編】はこちら≫

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SDGsは「持続可能な開発目標」の略で、2030年までに世界中で力を合わせて達成しようとしている17の目標のこと。その中には、貧困の問題や、教育、ジェンダー平等、環境問題など様々なジャンルの社会課題が含まれています。

まだ食べられる食品を、困っている人に届ける「フードバンク」

フードバンクとは、品質には問題ないものの、通常の販売ができない食品や食材をメーカーなどから引き取り、必要とする施設や団体、困窮世帯に無償で提供するボランティア活動です。フードバンクは1967年にアメリカで始まり、様々な国で活動が行われています。

日本では2000年以降に設立され始め、現在は北海道から沖縄まで、あらゆる団体が活動を行っています。

農林水産省HPより

参考:
農林水産省HP
消費者庁HP
全国フードバンク推進協議会HP

日本では 7人に1人の子どもが貧困という現実

厚生労働省の調査によると、日本の子どもの貧困率は13.5%。約7人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあります。

そんなにいるの? と思う方は多いかもしれません。貧困という言葉からは、生きるための最低水準が満たされていない状態をイメージする方が多いと思いますが、これは「絶対的貧困」と呼ばれるもの。一方、「相対的貧困」とは、国民全体の所得の「中央値」に対してその半分に満たない所得の世帯。周りからは分かりにくいものの、実は食べるのにも精一杯という家庭が多く存在し、新型コロナウイルスの影響で一層深刻になっています。

フードバンクでは、こういった家庭に集まった食材を箱詰めして送る活動があります。

参考:
厚生労働省調査
日本財団HPより

「子ども食堂」の活動を支える フードバンク

貧困家庭の子どもや、親が働いていて食事を一人でとらなければならない子ども達が利用できる「子ども食堂」という場所をご存知ですか?

子ども食堂は、NPO団体や地域のボランティアによって支えられ、子ども達が栄養のある温かい食事をとることのできる場所。フードバンクで集められた食材は、こういった子ども食堂でも活用されています。

毎年東京ドーム5個分の食品を捨てている日本


フードバンクは、地球環境を守る観点からも、大切な役割を担っています。

SDGsでも課題の一つとなっている食品ロス。世界では9人に1人が栄養不足でありながら、年間約13億トンもの食材が廃棄されています。日本でも、年間約612万トンの食品が廃棄されており、東京ドーム約5杯分にものぼります。

安全に食べられるにもかかわらず、賞味期限が近い、包装に傷がついている、印字にミスがあるといった理由から販売することができなくなった食品を、フードバンク団体が間に入ることで、必要なところに届ける橋渡しをしてくれているのです。地球環境のためにも必要な活動ですよね。

参考:

農林水産省HP 食品ロスの現状を知る

消費者庁HP|食品ロス

どうやって支援するの?

フードバンク事業を行っている団体は、全国に存在します。インターネットの検索窓で、「お住まいの地名+フードバンク」と入力すると、近隣で活動している団体を見つけることができます。

フードバンクへの支援方法は主に3つあります。

1 食材の支援

企業から食糧の提供を受ける以外に、個人からの持ち込みを受け付けている団体もあります。ご家庭で食べない食材を寄付する他、指定する食品を購入して支援します。

2 お金の支援

フードバンクの活動には、食材の配送費といった活動資金が必要となります。各団体や、団体を取りまとめる協議会等に、クレジットカードや振り込みで支援します。

3 時間の支援

各施設や家庭に送る食材の箱詰めなど、フードバンクに関わる活動を直接支えます。新型コロナウイルスの影響でボランティア活動を一旦停止している団体もありますが、興味のある方はお近くの団体HPを確認してみてください。

ローソンと連携した「こども宅食」

「一般社団法人こども宅食応援団」という団体では、ローソンと連携し、食品の支援を必要とするご家庭に食品等を寄贈する取り組みを行っています。

ローソンとタッグを組むことで、食品の総量や栄養バランスを保つことができる上、利用家庭を継続的に支援できるのだと言います。

ローソンから寄贈されたのは、プライベートブランドの親子丼の素、味噌汁、ビーフカレーのほか、ぬいぐるみや鉛筆セットなども入っているそうです。食品だけでないところも、子育て世代にとっては嬉しいですよね。

こども宅食応援団は、「こども宅食」を全国に広げるための取り組みや新規の団体への立ち上げ支援、政府への政策提言なども行っています。こども宅食の活動が気になる方はHPをチェックしてみてください。

こども宅食応援団のHPはこちら≫

アマゾンの欲しい物リストで簡単! 食材寄付にチャレンジしてみた!

食品の寄付を行ってみたいと思った筆者ですが、各団体の倉庫に持って行くのはちょっと勇気もいることですよね。そんな時「特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン」という団体で行っている「グッドごはん」というフードバンク活動を見つけました。

グッドごはんでは、食品を宅急便で寄付できるほか、団体のAmazonアカウント内にある欲しいものリストから、必要とされている品物を簡単に寄付できるようです。早速チャレンジしてみました!

グッドごはんの欲しい物リストをチェック

欲しい物リストを見てみると、お菓子や栄耀補助食品のほか生理用品などが並んでいます。

グッドごはん(東京)の欲しいものリストを見る≫

お菓子と生理用品をセレクト

もし食費に余裕がなかった場合、私ならお菓子などを節約するだろうなと思い、子どもがお菓子を食べる機会をつくれるようポテトチップスを選んでみました。私も大好きな、プリングルスのサワークリーム&オニオン。

また、食品ではありませんが、生理用品が特に必要とされている旨が書かれてあったため、一緒にセレクトしてみました。

カートに入れたら、配送先の中からグッドごはんを選んで簡単に終了!ここで購入した商品は「グッドごはん」を通して生活に困窮しているひとり親家庭へ届けられるのだそうです。普段から使い慣れているAmazonを使えたので、あまりにもスムーズに寄付ができて驚きました!

グッドごはんのHPはこちら≫

子ども達が当たり前のようにごはんを食べられる世の中に

フードバンクの取り組みは、食に困っている世帯の救済だけでなく、地球環境保護の観点からも、有意義な活動ということが分かりました。

フードロスに関しては、賞味期限の設定方法といった日本の商習慣も大きく影響しているため、個人の努力だけでは解決することが難しい問題です。しかし、フードバンク団体が有効活用をしてくれることで、少しでもムダがなくなるのは消費者としても気持ちが良いことですよね。そして何より、家庭の状況に関わらず、成長期の子ども達がきちんと食事をとれる仕組みづくりを応援したい気持ちになります。

皆さんの中でご興味がわいた方は、支援を検討してみてはいかがでしょうか。

 

構成・文/寒河江尚子

今回の記事で取り組んだのはコレ!

  • 1 貧困をなくそう
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsとは?

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