子育てや仕事に追われている世代でも手軽に取り組めることとして、SDGsにつながる課題に取り組む団体に寄付をする、という形のアクションがあります。今回ご紹介するのは「セーブ・ザ・チルドレン」です。
SDGsは「持続可能な開発目標」の略で、2030年までに世界中で力を合わせて達成しようとしている17の目標のこと。その中には、貧困の問題や、教育、ジェンダー平等、環境問題など様々なジャンルの社会課題が含まれています。
目次
「セーブ・ザ・チルドレン」てどんな団体?
「セーブ・ザ・チルドレン」は、子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織。テレビCMなどで団体名を耳にしたことがある方も、多いのではないでしょうか?
始まりは第一次世界大戦の直後。荒廃したヨーロッパで、敵も味方も関係なく、栄養不良に苦しむ子ども達の支援に取り組むひとりのイギリス人女性がいました。その女性こそが、セーブ・ザ・チルドレンの生みの親、エグランタイン・ジェブです。彼女は活動の中で、子どもの権利に関する世界発の公式文書とされる「ジュネーブ子どもの権利宣言」を起草。これは、現在196の国と地域が批准する、国連の「子どもの権利条約」へとつながりました。
現在、日本を含む29か国の独立したメンバーが連携。支援を行っている国は120か国にも上ります。
1986年には、セーブ・ザ・チルドレンジャパンを設立。日本国内では、子どもの貧困問題解決や、虐待の予防、災害における緊急・復興支援を行い、子どもの権利を実現する活動を行っています。
どんな活動をしているの?
セーブ・ザ・チルドレンは、以下のような活動を通じ、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指しています。どれも、当たり前のように子どもに受け取ってほしい権利ばかりですが、こうして支援を行わなければ手に入らない子ども達が世界中に多くいるのが事実です。
緊急・人道支援
自然災害や紛争の影響を受けた子どもや地域社会に対して、日常を取り戻すための支援や、生活を再建するためのサポートを行っています。
保健・栄養
妊産婦と新生児のケア、感染症や栄養不良の予防と治療。保健システムの強化を通じ、すべての子どもやその家族が、良質な保健サービスを受けられるよう支援を行っています。
教育
すべての子どもが質の高い教育を受けられるよう、学習環境の改善、教員の能力養成、地域社会の意識向上、就学前教育の普及を行っています。
子どもの保護
子どもを暴力、虐待、搾取から守るための取り組みや、安心・安全に成長できる環境づくりを行政や地域社会、保護者、子どもたちなど様々なステークホルダーとともに推進しています。
防災(災害リスク軽減)
災害時に子ども達が主体的に行動できるよう、地域社会の防災体制を強化。子どもを中心とする防災を推進しています。
子どもの貧困
すべての子どもが生活や成長に必要なものやサービス、機会を与えられ、可能性を発揮できるよう、直接支援や社会啓発、政策提言を行っています。
アドボカシー
子どもの権利に関わる様々な問題の根本的解決に向けたアドボカシー(政策提言)活動に取り組んでいます。
「夏休み 子どもの食 応援ボックス」
日本での具体的な活動をご紹介します。経済的に困難な状況にあるご家庭では、学校給食のない長期休み期間に子ども達の食環境が悪化しがちです。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年3月から5月末にかけて一斉休校が実施された際もこのことは大きな問題となりました。
セーブ・ザ・チルドレンでは、2020年に3回にわたり、ひとり親家庭を対象とした応援ボックスを実施しました。その際、根強いニーズがあると分かり、2021年7月下旬には規模を拡大。緊急事態措置を実施すべき区域、およびまん延防止等重点措置を実施すべきと定められた、21都道府県の3,182世帯に対し「夏休み 子どもの食応援ボックス」を提供しました。
配布を受けたご家庭からは、次のような声が届いているのだそう。
「食欲がある時期の子ども達も、気をつかって私には言ってきません。今回ご支援いただいたたくさんの食品を子どもたちは喜んでいました」(中学生、小学生のお子さんを持つお母さま)
「深夜のバイトを掛け持ちで頑張っています。素敵な福袋が届き、子ども達は“ママ、楽になるね。ゼリー食べてみたかった!”と喜んでいます」(三兄弟のお母さま)
子育て中の親御さんにオススメしたいコンテンツも!
セーブ・ザ・チルドレンのHPには、子育て中のママやパパに役立つコンテンツも掲載されています。
「おやこのミカタ」というコンテンツは、子どもの「見方」を知り、子どもとのつきあい方のヒントを得ることで、子どもの「味方」になることを目指してるもの。子どもの権利を守ろうと活動されている団体さんらしい、子どもの立場に立った考え方に考えさせられます。
「子どもにイライラしたときにどう行動したら良いか」のヒントは、とても具体的ですぐに実践できるもの。子育てしていると、時には大きな声で怒りたくなる時もありますが、イライラを子どもにぶつけ続けると、子どもの成長に弊害が生じる可能性があるのだそう。ほかにも興味深いテーマがありますので、ぜひチェックしてみてください!
「イライラマネジメント」はこちら≫
「おやこのミカタ」はこちら≫
どうやって寄付をするの?
セーブ・ザ・チルドレンでは、毎月定額での寄付と、1回のみ寄付をする方法があります。
定額の寄付は月1,500円、2,000円、3,000円、5,000円、10,000円の中から選ぶことができ、カード決済か、口座振替から選ぶことができます。1回のみの寄付は、3,000円以上、千円単位で、カード決済、口座振替のほか、携帯キャリア決済や、コンビニエンスストアでの支払いも選べるので気軽に試してみることができそうです。
そのほかにも、ポイントやマイルを使った募金や、フリマアプリのメルカリからも募金が行えます。
メルカリ募金にチャレンジ!
様々な募金方法の中から、メルカリ募金にチャレンジしてみることに! メルカリのアプリを開いてみると、メルペイのタブの下のほうに「メルカリ寄付」というボタンがあります。今まで気づきませんでした。
開いてみると、セーブ・ザ・チルドレン以外にも、市町村への寄付や、以前記事にしたWWFといった様々な団体が出てきました。今回は、「セーブ・ザ・チルドレン」をタップ。
ここでは、201円から1円単位で寄付ができます。
使わないモノを売って寄付ができたら、ちょっと良い気持ちですよね。メルカリを使っている方はチェックしてみてください!
毎回の寄付で何ができる?
寄付金額で何ができるか見てみましょう。
月1,500円の支援を1年間で…清潔な衣類、石けんやおむつなどの新生児キットを7組の母子に提供できます。
月3,000円の支援を1年間で…災害で学用品を失った子どもたちにスクールキット20セットを支援できます。
月10,000円の支援を1年間で…家族用の衛生用品キット(*1)と家屋の修復に必要なシェルターキット(*2)を31家族に支援できます。
*1:バケツ、タオル、歯磨きセット、石けん、洗剤、くし、爪切り、シャンプー、給水タンク
*2:ロープ、防水シート
※支援を行う時期の物価や支援を必要としている子どもたちの状況により、内容は異なる場合があります。
子どもの笑顔を守るため、助け合いの心で
新型コロナウイルスの流行により、これまで順調だった仕事が急に立ち行かなくなる方が急増。子育てをしながら苦しい状況になることは、対岸の火事ではなくなってきています。収入の減少により、子どもに満足に食事を食べさせられない、必要な学用品をそろえられないといった状況は、誰にでも起こりうることと考えた時、寄付は、恵んであげるものではなく、助け合う気持ちで行うものなのだと改めて思いました。
皆さんの中でご興味がわいた方は、ご支援を検討してみてはいかがでしょうか。
セーブ・ザ・チルドレンHPはこちら≫
画像提供:セーブ・ザ・チルドレン
【第三回 Donation to SDGs! 日本赤十字社編】はこちら≫
【第四回 Donation to SDGs! フードバンク編】はこちら≫
文・構成/寒河江尚子