「どんぐり虫」の正体とは?虫食いの見分け方や子どもが拾ってきたときの対処法

PR

どんぐりを食べて育つ「どんぐり虫」をご存じですか? どんぐり虫とは、どんな虫でいつ出てくるのでしょうか? この記事では、どんぐりの虫食いや、どんぐり虫がいないどんぐりの見分け方、どんぐり虫の対策や処理法、また、どんぐり虫の育て方までご紹介していきます。

どんぐり虫とは、どんぐりを食べる虫!

「どんぐり虫」と聞くと、絵本の中に登場しそうな名前で、本当にそんな虫がいると知ると、驚いてしまうかもしれません。でも名前の通り、どんぐりの中にすみついている虫が、どんぐり虫なのです。「子どもが公園でどんぐりを拾ってきたら、虫が出てきてビックリした」という経験のある方もいるかもしれません。

どんぐり虫
どんぐり虫って、どんな虫?

どんぐり虫は、なぜどんぐりの中にいるの?

どんぐり虫が、どんぐりの中にいる理由は、どんぐりに卵を産みつけるから。どんぐり虫は、青くて未熟などんぐりに卵を産み、そこで孵化した幼虫がどんぐりの中身を食べて、どんぐりの中で大きく成長していくのです。

どんぐり虫はどうやって出てくる?

どんぐり虫に気づいたことがある人は、実は少なくないのかもしれません。どんぐり虫を見たことがある人の多くは、「街や公園でどんぐりを拾い、家に持ち帰ってきたら中から虫が出てきた」というケース。

また卵を産みつけられたどんぐりには、直径1㎜ほどの小さな穴が開いているのですが、虫は見なくても「その穴に気づいたことがある」という人もいるでしょう。

どんぐり虫の正体

では、気になるどんぐり虫とは、どんな虫なのでしょうか。その正体についてご紹介しましょう。

どんぐり虫の種類

どんぐり虫とは、ゾウムシの幼虫。いくつかの種類がいるようですが、多いのは「クヌギシギゾウムシ」「コナラシギゾウムシ」「ハイイロチョッキリ」など。

上述したように、まだどんぐりが青い時期に、これらの虫がどんぐりに小さな穴を開けて産卵します。どんぐりの中で孵化すると、幼虫はどんぐりの中身をエサにして成長していき、大きくなったらどんぐりに穴を開けて外に出てくるのです。どんぐり虫としてよく見かけられるのは、白い幼虫です。

どんぐりの虫食いの見分け方

何気なく拾ったどんぐりに、どんぐり虫がいたとしたら……。虫が苦手な方にとっては、ゾッとしてしまうかもしれません。そこで知っておきたいのが、どんぐり虫がいるかどうかチェックする方法。どんぐり虫が中にいるかどうかは、どんぐり虫の虫食いのあとを確認してみましょう。

幼虫の虫食い

どんぐり虫がどんぐりに卵を産みつけた形跡は、産卵のときに開ける穴をチェックすればわかります。直径わずか1ミリほどの小さな穴ですが、この穴があるどんぐりは、どんぐり虫が中にいる可能性があるでしょう。

成虫の虫食い

どんぐりの種類で、どんぐり虫の存在の可能性をチェックすることもできるかもしれません。どんぐりとは、ブナ科の果実の総称で、コナラ、ブナ、クリなどのさまざまな種類の木でどんぐりがなります。そして、特にどんぐり虫の虫食いが多いと言われるのが、クヌギの木のどんぐりです。

どんぐりのお腹の部分に、見てすぐにわかるような小さな穴を見つけたら、それは、成虫になったどんぐり虫がどんぐりから出て行った形跡でしょう。

どんぐり虫がいないどんぐりの見分け方

どんぐり虫がいないどんぐりの見分け方
どんぐり虫がいないどんぐりの見分け方

 

どんぐり拾いを楽しみたいとき、中にどんぐり虫がいるかどうか、事前に見分ける方法があればいいですよね。

もっとも簡単なのは、虫食いの穴を確認する方法。それから、どんぐりを振ってみて音がなるかどうかもチェックしてみて。もしカラカラと音が鳴ったら、中身をどんぐり虫に食べられてスカスカになっている可能性があります。

とは言え、穴や音だけでどんぐり虫の有無が絶対にわかるとも言い切れません。茶色くなった秋のどんぐりの中には、かなり高い確率でどんぐり虫がいると思っておいた方がいいでしょう。

どんぐり虫がつきにくいどんぐりはあるの?

ただ、どんぐり虫が少ないと言われる種類の木もあります。コナラ、マテバヤシ、アラカシなどのどんぐりは、どんぐり虫がつきにくいと言われているようです。

どんぐりの虫対策・処理法

多くのどんぐりにどんぐり虫がいるのなら、その虫が外に出てくる前に処理する方法はないのでしょうか。

塩水につける

海水と同じ程度の濃度の塩水をつくり、そこにどんぐりをつけておく方法があります。

水1リットルに塩大さじ2杯ほどを溶かし、ここに2~3日どんぐりをつけておきます。どんぐり虫がいて中が空洞になったどんぐりは軽いため、塩水につけると浮いてきます。浮いてきたどんぐりはすぐに捨ててしまいましょう。塩水につけた後は、どんぐりを新聞紙などの上に取り出して数日間陰干しして終了です。

茹でる

もっと短時間でできる処理が、鍋で茹でる方法。

鍋に水とどんぐりを入れて火にかけ、沸騰したら5~10分ほど茹でます。茹で終わったら、新聞紙などの上に取り出して陰干ししたら完了です。沸騰した湯に、一気にどんぐりを入れると急激な温度変化によって、どんぐりが割れてしまうことがあるので、水から茹でるのがコツ。また陰干しをしっかり行わず、中に湿気が残ったままだと、中にカビが生えてしまうため注意が必要です。

電子レンジに入れる(注意が必要です)

普段使っている鍋でどんぐりを茹でるのに抵抗があるなら、他の方法を試してもいいでしょう。茹でる方法以外で、電子レンジで加熱する方法もあります。しかし、電子レンジでの加熱は、どんぐりが破裂する可能性がありますので、中の様子を確認しながら行うようにしましょう。

冷凍する

時間は少しかかりますが、どんぐりを冷凍庫に入れて凍らせるのも簡単です。冷凍庫にどんぐりを数日から1週間程度入れておけば、中のどんぐり虫が凍死するそう。冷凍庫から取り出したどんぐりは、陰干ししてしっかり乾燥させるようにしましょう。

どんぐり虫の育て方

どんぐり虫の幼虫は、釣りの餌として使われることもあるのだとか。そんなどんぐり虫を育てたいと、子どもが言うかもしれません。どんぐり虫を家庭で育てるには、土が必要となります。カブトムシ用の虫カゴなどのケースに腐葉土を入れ、そこにどんぐりから出てきた虫を入れて育てることができるでしょう。

幼虫は、孵化させるのが難しいようなので、うまく育たない場合は、子どもがガッカリするかもしれません。また、成虫の場合も、愛情を込めて育てても、長生きしてくれるとは限りませんので、そのことをママパパの頭の片隅にとどめておいてくださいね。

どんぐりの絵本のおすすめ

見た目にもかわらしいどんぐりは、さまざまな絵本に登場してきています。どんぐりについて学べる絵本や、どんぐりが出てくる絵本をご紹介しましょう。

ひろってうれしい知ってたのしいどんぐりノート

どんぐりについてイラストで細かく説明した1冊。クヌギ、コナラ、ブナやシイなどのどんぐりの仲間や、どんぐりの木の葉や花について、子どもでもわかりやすいようにイラストたっぷりで紹介。どんぐりについて詳しく知ることができる絵本です。

ドングリ(コナラ)の絵本

コナラのどんぐりの木を中心に、花や実のでき方などを紹介する写真絵本です。どんぐりと昆虫とのかかわりや、森での生き方などをリアルに描いています。また、どんぐりを使った料理など、人の暮らしとどんぐりの深いつながりにも注目しています。

どんぐり

ころんとしたフォルムが可愛らしいどんぐりが主人公の絵本。「どんぐりが転がったよ」「どんぐりが落ちてきたよ」「今度ははねちゃった」など、シンプルな動きのストーリー。赤ちゃんに読んであげる最初の1冊におすすめです。

どんぐり拾いのときには気をつけて

どんぐり虫の存在を知らなかった方は、どんぐりから虫が出てきたら驚いてしまうでしょう。しかし、どんぐりの多くに、どんぐり虫がいる可能性が高いため、子どもと一緒にどんぐり拾いをして家に持ち帰るときは、注意する必要がありそうです。ただ、自宅で簡単に処理できますので、どんぐりを拾って持ち帰るときは、ここでご紹介した方法で、虫が出てこないうちに早めに処理するといいですね。

あなたにはこちらもおすすめ

置きっぱなしは虫が湧く?! 子どもと拾う「松ぼっくり」や「どんぐり」の最適な保管方法は?
【松ぼっくりやどんぐり】ってどうやって保管してる? 公園で子どもと遊んでいてきれいな松ぼっくりやどんぐりを見つけると、つい拾って帰ってしま...

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事