Q:ショックからなかなか立ち直れません
小1の娘はショックを受けると落ち込みが激しく、なかなか立ち直ってくれません。先日は、一緒に帰る約束をしていた友だちがほかの子と帰ってしまい、泣きながら帰ってきました。夕飯までずっと元気がなく、その日はあまり食べませんでした。また、授業中に手を挙げて発表したけれど「うまくできなかった」と、ずっと落ち込んでいました。そんな娘に対して、親としてどんな言葉をかけたらよいでしょうか。 (きょうこさん)
A:ほかの見方を示し、客観的にとらえるサポートをしましょう。
一緒に帰る約束をしたのに、ほかの子と帰ってしまった。大人なら、なにか理由があると考えますよね。けれど、子どもは物事を客観的にとらえる力が未熟で、「約束したのに、ひどい!」としか思えないのです。
そこで、親御さんは、違った見方もあることをていねいに説明することが大切です。例えば、「約束を忘れちゃったのかもしれないね」などと、ほかに理由があるかもしれないことをイメージさせるのです。すると、気持ちを切り替えて考えることができるようになります。
うまく発表できずに落ち込んでいたら、「発表しようと思ったの、すごいよ!」などと、娘さんの行動をほめましょう。そして、「次はどうしたらうまく発表できるかな」と、次もチャンスはあるのだと気づかせるのです。これをくり返すうちに、いずれは違う場面でも柔軟に状況を考え、周りが見えるようになってくると思います。
気をつけたいのは「こうすればよかったのに」と言ってしまうこと。親は失敗しないアドバイスのつもりでも、子どもの行動を否定したことになり、かえって失敗を引きずる結果に。
友だちのことが絡んでくる場合は、相手を悪者にする言動はNGです。「あなたのほうが正しい」などと言ってしまうと、娘さんは友だちと仲たがいをしてしまうかもしれません。
親のメッセージは、子どもには強烈に響くもの。言葉は慎重に選び、わが子に寄り添ってあげてくださいね。
落ち込むわが子への声かけポイント
・ほかにも見方があることを伝える。
・できたところを具体的にほめる。
・次はどうしたらいいか一緒に考える。
言ってはいけない!NGワード
・「▲▲すればよかったのに」
子どもの行動を否定することになる。
・「○○ちゃんが悪い」
子どもの人間関係を悪化させてしまう。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年2月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子