たけのこ水煮とは
筍(たけのこ)の漢字は「竹の旬」と書きますが、短い期間にしか収穫できない貴重な食材です。収穫後はすぐに調理する他、水煮や塩漬けにして貯蔵されます。
少量パックで買える商品が多く、いつでも必要な時に欲しい量が購入できます。しかもアク抜きの手間がいらない水煮は、流通と保存技術の向上による賜物です。これを存分に活用しないわけにはいきませんよね。
水煮
「水煮」という言葉が使われていますが、茹でたたけのこを水漬けしたものですから、下茹でが済んでいます。そのまま切って口にすることもできますし、すでに柔らかいので、煮物にすると味が染みやすい点が嬉しいですね。
真空パックされているので保存性が高く、季節に関わらず一年中味わうことができます。
アク抜き済み
もちろん、アク抜きの作業は必要なく、嫌なエグみもありません。柔らかくて風味が良い国産の他、価格にこだわった中国産も多く出回ります。
時折、白い粉状のものが見られますが、これは「チロシン」というアミノ酸ですから、安心してお召し上がりください。
もしも臭いが気になる場合は、水に30分程度浸けるか、サッと茹でれば気にならなくなります。また保存料としてビタミンC などが添加されており、酸味を感じる場合があります。これも茹でることでおさまり、味付けすることでも消えます。
開封前の賞味期限
真空パックされていても賞味期限は様々で、農園から自家発送した後、5日間の商品もあります。スーパーで見かけることが多い少量パックの商品なら6〜9か月というように、賞味期限にはばらつきがあります。さらに缶詰なら3年後まで保存ができるので、購入する際によく確かめてください。
収穫時期が限られ、冷凍すると食感の変化がある繊細な食材ですから、食べ切れる量を少量ずつ開封して使える水煮は、本当に手軽な保存手段です。
生のたけのこを保存する方法は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
開封した水煮の冷蔵保存
市販の水煮を開封した後は、数日間なら冷蔵保存ができます。
手順
【1】容器にたけのこを入れ、かぶるくらいの水を入れてラップをします。
【2】毎日水を替えながら、保存します。
保存期間
4〜5日程度のうちに、使い切るようにしてください。
水煮の冷凍保存
開封後の水煮は、冷凍保存もできます。解凍すると食感が変わるため、使いやすい大きさに切り分けてから冷凍するのがコツです。こちらの記事で詳しくご紹介しています。
たけのこの水煮を使い尽くすレシピ、いろいろ
中華メニューのつけあわせに便利なメンマ風の炒めものや、おやつに嬉しいレシピをご紹介します。ぜひご参考にしてください。
メンマ風、たけのこの甘辛炒め
メンマとは、中国南部や台湾で採れる麻竹という種類の柔らかいたけのこを使います。蒸した後、塩漬け、発酵、乾燥を経ており、ラーメン店などで口にするメンマの99%は輸入品です。ここでは、たけのこの水煮を使って作る甘辛炒めをご紹介します。
◆材料
たけのこの水煮 450g程度
水 400cc
ごま油 大さじ2
【A】
砂糖 大さじ1と1/2
醤油 50cc
中華スープの素 1袋(鶏ガラスープの素で代用もできます)
黒胡椒 適量
唐辛子 適量
◆作り方
【1】たけのこの水煮を食べやすい大きさにカットします。
【2】フライパンにごま油(半量)と唐辛子を入れて加熱します。香りがしてきたら【1】のたけのこを入れて炒めます。
【3】たけのこがかぶるくらいの水と、【A】を入れて煮込みます。落し蓋をして、10分程度煮てください。
【4】落し蓋をはずし、水分を飛ばしながら煮詰めます。最後にごま油の残りと黒胡椒を加えます。
毎日のおやつに!パンダのプチ肉まん
野菜も加えて栄養も満点!あんにたけのこが入ることでシャキシャキ食感に。
◆材料
(10個分)
【A】
ホットケーキミックス 250g
ラード 大さじ1
水 100cc
【B】
豚ひき肉 100g
玉ねぎ(みじん切り) 1/6個
たけのこ(水煮・みじん切り) 50g
砂糖 小さじ1
オイスターソース 小さじ1
酒 小さじ1
片栗粉 小さじ1
しょうゆ 小さじ2
焼きのり 1枚
◆作り方
【1】ボウルに【A】を入れ、ひとかたまりになるまで手でこね、10等分にする。
【2】別のボウルに【B】を入れ、手でよく混ぜ合わせ、10等分にする。
【3】【1】を手のひら大にのばし、【2】を包む。
【4】クッキングシートを10×10cmに10枚切り、【3】をのせ、蒸気の上がった蒸し器で12分蒸す。
【5】のりでパンダの顔を作る。
教えてくれたのは
YOMEちゃんさん
本名・大井純子。毎月200万アクセスを誇る人気ブロガーとして大ブレイク。現在はメニュープランナーとして活躍。夫と6歳の長女と3人家族。愛情たっぷりの育児日記と日常のアイデアあふれる献立を綴ったブログが人気。「よめ膳@YOMEカフェ」
『ベビーブック』2011年12月号
使わない手はない!便利な、たけのこの水煮
旬の季節になると売り場に並ぶたけのこを、あちこちで目にします。季節ものですから、新鮮な味を存分に味わってくださいね。それ以外の季節には水煮がおすすめです。採れたてではありませんが、手間がかからず、季節を問いません。保存方法も簡単ですから、味の濃い炒め物や煮物にすると歯ごたえ良く、お子さんが喜ぶメニューに使えます。ぜひ、活用してくださいね。
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)