目次
コンビニのレジ袋有料化制度はなぜ始まった?
今回は、ちょくちょく寄ってしまうコンビニでのレジ袋についてもクローズアップしていきます。
レジ袋有料化制度とは?
レジ袋の素材であるプラスチックは、環境に還ることがなく、海に排出されていると問題にされてきました。海の生物にプラスチックゴミが絡まっていたり、エサと間違えて飲み込んでしまったなんていうニュースを見たことがある人も少なくないのでは。そんなプラスチック、実は日本はアメリカに次いで世界で2位の排出量となっています。すでに有料化していたり、使用禁止にしている国々も多いのです。
レジ袋有料化はいつから?
そういった事情から政府は、プラスチックゴミを2025年までに25%排出抑制を目標に。そこで、令和2年7月1日から全国一律でレジ袋を有料化したのです。
どのくらいの人がコンビニレジ袋を辞退している?
買い物用の大きなエコバッグは用意したという人も多いと思いますが、そこまでかさばることのないコンビニでレジ袋を使う人はどのくらいいるのか、0〜12歳の子をもつママ・パパにリサーチしました。
Q.コンビニで買い物をするの際にレジ袋の利用はしていますか?
結果は、みんなの意識がかなり高く、エコバッグを持参する人が約80%と圧倒的でした。レジ袋を利用する人は約13%とかなり少数派に。そこで、それぞれの理由を聞いてみました。
レジ袋を利用
コンビニだからこその理由のようですが、ちょっとした時にエコバッグを持っていくのは面倒、という声が多数のよう。また、レジ袋は家でも活用できる、という声も挙がりました。
「以前はエコバックを持参してたが面倒くさくなった」(40代・神奈川県・子ども2人)
「ちょっと寄る時にはエコバッグを持っていないことが多いから」(30代・埼玉県・子ども1人)
「自宅でゴミを捨てたりするのにゴミ袋が必要だから」(30代・東京都・子ども2人)
エコバッグを持参
エコバッグを持参する人は、コンビニというちょっとした買い物に、レジ袋代がかかるのはもったいない、と感じる人もいるよう。また、いつ買い物をするか分からないので、出かける時には環境のために、常にエコバッグを持っているという人も。
「レジ袋のお金がもったいないから」(40代・茨城県・子ども1人)
「無駄なゴミを出さないため」(40代・岐阜県・子ども1人)
「買い物の時は常にエコバッグを持ち歩いているから」(30代・東京都・子ども3人)
「以前はコンビニ行くたびに袋に入れてもらっていて、家にたまっていた。持参すれば環境にもいいと思う」(40代・青森県・子ども3人)
その他
ちょっとしたものなら手で持ち帰るというツワモノも。コンビニは家の近所ということが多いはずなので、パンや牛乳なら手持ちでOKという人も。そんな手があったかと思う人もいるのでは。
「袋は使わず手で持つ。袋代がもったいない」(40代・群馬県・子ども1人)
「そのまま手で持ち帰る。そんなにたくさん買わないから」(30代・静岡県・子ども2人)
コンビニのレジ袋の価格
気になるのが、コンビニごとのレジ袋の価格。レジで急に値段を確認しにくいので、事前に知っておくと安心。
各コンビニごとのレジ袋の価格
大手コンビニチェーンのレジ袋価格をまとめたので、ぜひ参考にして。また、石油由来だはなく、植物由来の特別な処理をすれば堆肥として利用できるバイオマスプラスチックを加えたものなど素材もチェックしたいもの。
ローソン
プラスチック以外にも、SDGs (持続可能な社会)に全社として取り組んでいるローソンは、植物由来の素材を30%配合してプラスチックの削減レジ袋を1枚3円で販売。また、携帯して繰り返し使えるバッグの販売も進めています。
セブンイレブン
数々のSDGsに取り組んでいるセブンイレブンも、レジ袋の素材をバイオマスプラスチック配合とし、「小・中・大・弁当用」の4サイズを3円、「特大」サイズを5円で販売。
ファミリーマート
バイオマス素材を30%配合したレジ袋に変更するとともに、サイズを問わず一律1枚3円(税込)。
お店によって金額が違うのはなぜ?
各コンビニ料金を見てきましたが、ほとんどのお店が1枚3円という結果に。1枚1円以上という価格設定にしかできないほか、それぞれの売り上げは、店舗の売り上げではなく、環境施策に役立てるためにちょうどいい価格なのではないでしょうか。
レジ袋が無料のコンビニもあるって本当?
また、有料化の対象になっていないプラスチック製のレジ袋もありますよね。たとえば、プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上であり、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%であること、バイオマス素材の配合率が25%以上の場合には義務化されていないのです。大手チェーンのコンビニでは該当しませんが、例えば飲食店としては、マクドナルドや吉野家が無料になっています。また、現在の新型コロナ禍で、お客さん自身で食品を入れること=清潔ではない、というのも大きな理由のようです。
レジ袋の売上金はお金はどこへ?
今までは無料だったレジ袋の売り上げって、結局お店が儲かるだけなんじゃないの?とモヤモヤしてしま人もなかにはいるのでは。それが、そうでないことが各社の取り組みで分かりました。
ローソン
直営店舗におけるレジ袋の収益金の一部を、一般社団法人全国フードバンク推進協議会にお米として寄贈。寄贈したお米は子どもたちの食をサポートする取り組みの一環として、食品の支援を必要とする家庭に提供されているそう。
セブンイレブン
レジ袋の収益金は地域社会の環境保全活動や、資源循環などの環境負荷低減の取り組みに活用。
ファミリーマート
ファミリーマートのバーコード決済機能付きアプリ「ファミペイ」を提示し、レジ袋を辞退された人には、「エコスタンプ」を進呈。スタンプが30個貯まると、対象商品のクーポンでまたお買い物ができて結果としてお得になるそう。
※各コンビニのレジ袋の値段や取り組みは編集部調べです。変更になる場合があります。
レジ袋有料化の効果とは
レジ袋を有料化することで、どのくらいのプラスチックゴミが削減されているのか、また、効果はあるのか、日々、エコバッグを使用している私たちには、ちょっと気になるところですよね。
レジ袋有料化が意味ないと言われるのはなぜ?
お店でのレジ袋を辞退したものの、家庭での用途として、取っ手付きのビニール袋の購入率が上がったりと、そのままプラスチック袋が減ったわけではないと言われる所以のよう。確かにゴミ入れとして欠かせないという人も多いですよね。
レジ袋有料化の目的
レジ袋の削減自体はそこまで大きなものではありませんが、ほとんどの人が毎日のようにエコバッグを利用することで、環境について考えることの第一歩に。地球に優しい社会を日々、ひとりひとりが考えるきっかけになるのです。また、事業者自体がビニール袋以外のプラスチック製品を木製や紙製にするきっかけとなり、消費者もそれを受け入れやすくなったという効果もあります。
身近なコンビニのレジ袋から環境を考える
近所にあるので、つい買い物に寄ってしまうなど利用率の高いコンビニ。そこでエコバッグを使うことで、知らず知らずに環境への取り組みに参加できていることがよく分かりましたね。子どもにもぜひ説明してあげてください。
レジ袋有料化についてもっと詳しく知りたいならこちらの記事をチェック
参照:レジ袋有料化Q&Aガイド
参照:環境省
参照:総務省
文/松川麗 構成/HugKum編集部