待望の大規模北斎展が東京へやってきた！

浮世絵で世界に多大なる影響を与えた「葛飾北斎」の大規模展が東京で開催されています。浮世絵の版画は、多くの人によって制作され、非常に多くの作品が当時の様子を伝えてくれています。是非、親子で江戸時代の様子や葛飾北斎の視点を楽しんでみてはいかがでしょうか？

子どもに説明しよう！北斎ってこんな人

北斎は、1760年9月23日東京生まれの江戸後期に活躍した浮世絵師です。

代表作に富士山の風景を描いた「冨嶽三十六景」では、「神奈川沖浪裏」が”Great Wave”と「凱風快晴」が”RED FUJI”と呼ばれ、ゴッホやセザンヌやドビュッシーなど海外のアーティストに非常に大きな影響を及ぼしました。アメリカ合衆国の雑誌である『ライフ』の企画「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、日本人として唯一86位にランクインしました。

●東京を中心に引っ越しを９3回も繰り返した？！

東京に生まれ、江戸の生活の様子を3万にも及ぶ作品を残しているので、見ていて昔の生活がうかがえる所も親子で楽しめるポイントです。なんと、生涯で93回も引っ越しを繰り返し、名前も画風もドンドン変えていったそうで、その変遷が一挙に見える良い機会です。名前を変えるとなると今までのキャリアがリセットされるリスクがあるにも関わらず、北斎は新たな挑戦を常に行っていた点は、非常に親子で議論出来るポイントではないでしょうか？

●180cmの長身で、90歳まで生きた？！

江戸時代では、男性の平均身長が157cmだった時代に、北斎は180cmもの長身だったそうです。また、平均寿命がおよそ30歳～40歳とまで言われる時代で、90歳まで生きたというのも、北斎の凡人ではないところがうかがえます。90歳で亡くなる時に「あと5年あれば、絵師として大成できたのに」と悔やんだそうで、描くことへの強い情熱があったからこそ、あのような大作を沢山生み出せたのだと思います。

浮世絵ってなあに？

江戸時代に成立した絵画のジャンルです。大和絵の流れを汲み、総合的絵画様式としての文化的背景を保つ一方で、人々の日常の生活や風物などを多く描かれています。肉筆画と呼ばれる直接描いた作品と、一般的に有名な版画の作品とがあります。

当時、平面的な絵が主流だった時代に、透視遠近法を用いて立体的に見えるように描いたのを浮絵と呼ばれ、歌川派の祖である歌川豊春が錦絵で、浮世絵に仕立てていったそうです。

北斎漫画ってなあに？

葛飾北斎が絵手本として発行したスケッチ画集です。海外では「ホクサイ・スケッチ」とも呼ばれて、お絵かきの手順を描いたり、ジョークを組み込んだイラストも多数描かれて、見ごたえ十分です。

●展覧会場でも学べる、浮世絵の作り方！

会場内には、「神奈川沖浪裏」が８回の版で作られる手順が紹介されています。色を乗せるために沢山の木版を用意して、色を重ねていく手法の展示は親子で楽しめる一つです。

東京では、最初で最後の「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」！

本展監修者・永田生慈氏は北斎研究のために作品の収集も行いました。作品数は2000件を超えます。それらは2017年に一括して、故郷の島根県に寄贈されました。そして氏の遺志により、本展に出品された後は、島根県のみで公開されることとなりました。つまり、本展は永田コレクションを東京で見ることができる最後の機会となります。

【開催概要】

名称新・北斎展 HOKUSAI UPDATED会期開催中〜3月24日(日)　※会期中展示替えがございます場所森アーツセンターギャラリー（六本木ヒルズ森タワー52階）Mori Arts Center Gallery (Roppongi Hills)〒106-6150 東京都港区六本木 6‐10‐1休館日1月29日(火)、2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)詳細https://hokusai2019.jp/