【ファイナンシャルプランナー監修】足し算、引き算を覚えたら「おこづかい学習」を始めよう!

おこづかい学習は小学校1年生ごろから

お金の上手な使い方は、おこづかいを通して子どもに教えることができます。 数の概念やたし算、ひき算を覚えた小学校1年生ごろが始めどきです!

まず初めに、子どもに伝えておきたい「お金」のこと

親が働いているからもらえる

給料日やボーナス日は子どもにも伝えることが大切。「働いた分だけお金がもらえる」ことを教えましょう。

使ったらなくなる

「お金がなくなったら、何も買えなくなる」ことをおこづかいを通して経験させ、学ばせましょう。

お金で買えないものもある

手伝い=報酬ではなく「手伝ったらママが喜んでくれた」ことをうれしいと感じるように仕向けましょう。

おこづかいは金銭の基礎トレーニング

「欲しがっていたおもちゃを買ってあげたのに、大事にしない」といった話はよく聞かれます。なぜおもちゃを手に入れることができたのかを子どもが理解していないからです。
欲しいものが買える仕組みは、「おこづかい」を通して学習することができます。親の目が行き届く1年生のうちに、お金の使い方の基本をお子さんに学ばせましょう。

子どもの成長に合わせてお金の管理も任せよう

「1年生にお金の管理を任せるのは、まだ早いのでは…!?」という意見もありますが、何事もまずは経験させることが大切です。そのかわり、「失敗はつきもの」だと思っていればいいのです。
失敗した経験は「こうすればいいのだ」と子ども自身が学ぶきっかけとなるのです。

<準備>おこづかいを始める前に!

お金の使い方のルールは、家族で話し合います。 まずは、少ない額から無理なく始めましょう。

ルールや約束を家庭で話し合う

おこづかいは子どもにお金の管理を任せ、やりくりの学習をさせるためのもの。お金を管理させる以上、まずは家族で使い方のルールについて話し合いましょう。
「買ったものを記録する」ことは、お金のやりくりを学習するために必須です。
また「友だちにお金を貸したり、借りたりしない」「友だちに買ってあげたり、買ってもらったりしない」といった、金銭トラブルを防ぐためのルールも教えておきたいですね。

金額を決める

最初は「おこづかいの準備期間」ととらえ、まずは100円程度の少ない額から始めましょう。 「欲しいもの」だけを買うようにして様子をみます。 慣れてきたら、子どもの能力に合わせて使う金額を決めます。その際、おこづかいで買うものの範囲を決めることで、金額もおのずと決まりますね。
また、おこづかいを与えるのは月1回がおすすめです。毎週だと「あと何日かでもらえるから使ってしまおう」と考えるようになり、計画性が育ちにくくなります。

おこづかい学習に必要な4アイテムをそろえよう

おこづかい学習を始めるにあたり、左の4つをそろえましょう。とくに財布や貯金箱は、子どもといっしょに買いに行き、お気に入りを見つけてあげてくださいね。

1.さいふ

1、子どもの手に収まりやすい小銭入れのようなものがおすすめ。

2.貯金箱

子どもの意思で「お金を取っておく」ことを習慣化させることができます。

3.おこづかい帳

買ったものを記録し、月に一度は親子で上手に使えたか振り返りましょう。

4.口座

お年玉など大きな額の貯金用に口座をつくりましょう。キャッシュカードは預かりましょう。

<実践>おこづかい学習スタート!

おこづかいを与えたら、どのように使うかは子どもに任せ、定期的に親子でチェックしましょう。

買う前に「必要なもの」か「欲しいもの」か考える習慣をつける

お金のやりくりの練習をさせるなら、おこづかいで買うものに、欲しいものだけでなく必要なものも少しだけ含めるとよいでしょう。

おこづかい帳をつける

おこづかいを与えるにあたり、子どもに必ずしてもらいたいのが、おこづかい帳をつけること。できれば高学年までには習慣づけておきたいですね。
おこづかい帳は、おうちの人が必ず目を通しましょう。何に使ったか、どう使ったかを確認することは、子どもの生活を知るうえでも大切です。左のポイントを確認し、親子で話し合いましょう。

月に一度は親子でチェック!!

□ 残高は合っている?
□ 買ってよかったものは?
□ いらなかったものは?
□ ルールは守れた?
□ 次に気をつけることは?

お年玉は「貯金のトレーニング」!子ども専用の口座でお年玉を管理

お年玉をもらったら、まずは貯金。子どもと銀行へ行き、子ども名義の口座をつくりましょう。すでに将来のための通帳がある場合は、お年玉など高額なおこづかい専用の通帳を新たにつくります。貯金した後、子どもが必要に応じて使えるようにします。
「通帳の残高が増えるとうれしい」と思えるようになるといいですね。

こんなときは…!?おこづかい”あるある”Q&A

おこづかいにまつわる”あるある”なシチェーションでの対処のしかたを紹介します。

Q-1 おばあちゃんから子どもに高額なおこづかいをもらった

A 気持ちよくいただき、買ったものを報告しましょう

おばあちゃんの孫を思う気持ちですから、ありがたくいただきましょう。まず貯金tをしてから、子どものために買ったものを報告しましょう。

 

Q-2 「友だちにお菓子を買ってもらった」と言っている

A 自分で働けるようになってからだと教えましょう

買ってもらったり、買ってあげたりするのは、自分で働いてお金を得るようになってからだと教えましょう。相手の親にも事情を話し、代金を子どもといっしょに返しに行きましょう。

Q-3 「手伝いをしたからお金をちょうだい」と言われた

A わが家の方針を再確認しましょう

毎月おこづかいを与えているのであれば、あげる必要はありません。手伝いは「家族の一員としての役割」であって、それも含めてのおこづかいなのだということを伝えましょう。

Q-4 「ゲームソフトをお年玉で買ってもいい?」と相談された

A   買う前に必ず貯金し、通帳に記録してから

子どもが自分で考えて決めたのなら、許可してもよいでしょう。ただし、買う前にまずお年玉を貯金し、通帳に記録することが大切です。

Q-5 旅行先でお菓子やおみやげを買いたがる

A「特別おこづかい」を与えて自分でやりくりさせましょう

旅行先で「あれ買って」などと言われると、つい財布のひもが緩みがちに。子どもがやりくりに慣れてきたら、おやつや飲みものなどを買うための「特別おこづかい」を与えてみましょう。

グッとこらえて!買ったものに文句は言わないようにしよう

子どもがお金をもったら、最初は大喜びで、親からすれば明らかに不必要なものを買ってしまうこともあるでしょう。けれど、「またこんなものを買って!」などと、子どもが買ったものに文句を言わないようにすることが大切です。
そして、必要なものが買えなくなったりしても「なぜだろう?」と自分で考えさせること。失敗も成長の過程ととらえて、あたたかく見守りましょう。

 

アドバイス/羽田野博子
NPO法人マネー・スプラウト代表。ファイナンシャルプランナー。各地で子どものためのマネー教室などを開催。著書に『お子さんがお金に興味をもったら読む本』(つちや書店)など。

 

出典/『小学一年生』別冊HugKum イラスト/畠山きょうこ 構成/天辰陽子

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