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生後8ヶ月の赤ちゃんはどんな時期?
生後8カ月ごろになると多くの赤ちゃんが、手をつかずに一人でお座りができるようになってきます。お座りと同時にずりばいをはじめ、活動範囲が広くなり「まさかこんなところに手が届くなんて!」と慌ててしまう経験があるママやパパもいると思います。中には、四つばいやつかまり立ちを始める子もいます。
また、人見知りや後追いがピークになるのもこの時期。ママ・パパとしてはゆっくりトイレもできず「大変!」と思ってしまうかもしれませんね。
生後8ヶ月の離乳食の進め方
離乳食の回数は2回食
離乳食初期の後半から始まった2回食もこのころには定着し、少しずつ食べる量も増えてくる頃です。
白身魚や赤身魚を食べ慣れたら、鶏ささみにもチャレンジ
何となく「肉はチャレンジしにくくて」とおっしゃる親御さんは多いもの。例えば、白身魚(鯛、カレイ、ヒラメ、鮭など)、しらす、赤身魚(まぐろ、かつおなど)を食べているのなら、脂身の少ない鶏ささみにもチャレンジしていきましょう。
味付けはあと少し。離乳食後期から
「味付けしなくて美味しくないんじゃないの?」と思ってしまいますが、まだこの時期は、だしと食材の味で十分美味しさを感じます。もうしばらく味付けなしで進め、離乳食後期から味噌としょう油を中心に、ごくわずかの調味料で風味をつけていきましょう。
手づかみ食べはまだ早い?
「手づかみ食べは離乳食後期から!」ということではありません。もし、赤ちゃんが自分で触ることに興味を示しているのであれば「おためし手づかみ」をスタートさせても構いません。その際も、与えっぱなしにするのではなく、必ずそばで食べる様子を見守ってください。
生後8ヶ月の離乳食のスケジュール
離乳食中期は、引き続き一日2回食で様子を見ましょう。
下図は、ミルクの回数とあわせた一日のモデルケースです。あくまで参考に、各家庭のサイクルや赤ちゃんの状況で柔軟に対応しましょう。
生後8ヶ月の離乳食の量の目安
生後8ヶ月の離乳食の1回あたりの量の目安は、以下のようになります。
下記の品目をすべてそろえる必要はありません。炭水化物なら、かゆ・うどん・食パンのうちどれかを選択した場合の分量。また、タンパク質の食品(肉/魚/卵など)を2種使う時は、それぞれの量を減らして調整してください。
7倍かゆなら… 50~80g
ゆでうどんなら… 30~55g
食パンなら… 15~20g
いも類なら… 20~30g
野菜/果物なら… 20~30g
豆腐なら… 25g
魚/肉なら… 10から15g
卵なら… 卵黄1個~全卵1/3個
乳製品なら… 50から70g
生後8ヶ月の離乳食の食材
生後8カ月ごろの離乳食中期には、食べられる食材も増えてきます。
炭水化物
7倍かゆ、里芋、そうめん、マカロニ、スパゲティー
麺類は、表示の倍程度の時間で茹でて、クタクタのやわらかさに調理しましょう。
野菜・果物
レタス、オクラ、ニラ、きゅうり、ズッキーニ、アスパラガス、ピーマン、パプリカ、小豆、キウイ、ぶどう、サクランボ、わかめ、もやしなど
繊維が多めの野菜も食べられるようになりますが、調理の基本は同じくクタクタに軟らかく煮ます。切る時は繊維を断ち切るように、縦・横・斜めと切り、食べにくい場合は細かく切ってあげましょう。
たんぱく質
納豆、高野豆腐、豆乳、きな粉、鮭、マグロ、カツオ、鶏ささみ、鶏むね肉、卵白など
卵は、卵黄を与える時と同じく、引き続き固ゆで卵にして与えます。まずは、耳かき1杯分の少量から与えてみましょう。
乳製品
牛乳、プレーンヨーグルト、カッテージチーズなど
牛乳は、飲み物としてではなく調理に使います。飲み物として飲めるようになるのは1歳を過ぎてからです。
生後8ヶ月の献立の立て方のポイント
8ヶ月を迎える離乳食中期のは、引き続き2回食です。この頃の献立の進め方、注意点のポイントは、食べる量、時間、食材の変化です。
徐々にバランスを考えた献立作りを意識します
「バランスがとれた」と言われると難しそうに感じますが実は簡単。「炭水化物」「ビタミン/ミネラル」「タンパク質」の3つの栄養グループから食材をピックアップしてメニューに取り入れればいいのです。
午後は食べ慣れた食材を
新しい食材は、万一にそなえて、なるべく病院の空いている午前中に食べ、午後は食べた経験のある食材にしてみましょう。
1回目と2回目は別メニューにする
マンネリ化しないためにも、1回目と2回目に使う食材に変化をつけてみましょう。
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生後8ヶ月の離乳食レシピ
ここからは、離乳食中期におすすめの具体的なレシピをご紹介します。
離乳食中期・ささみとオクラのスープ
<材料>
鶏ささみ 10g
オクラ 1本(10g)
にんじん 10g
かつお昆布だし 150ml
<作り方>
・鶏ささみは筋をとる
・オクラは板ずりして、ガクを取り、縦半分に切って種を取り除く
・にんじんは煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしににんじん、オクラ、鶏ささみを入れて煮る
2.それぞれ火が通ったらみじん切りにする
3.鍋に戻してひと煮立ちさせる
離乳食中期・高野豆腐とにんじんのスープ
材料
高野豆腐 5g
にんじん 15g
キャベツ 5g
かつお昆布だし 150ml
作り方
・高野豆腐は、乾物のままおろし金ですりおろす
・にんじん、キャベツを煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしでにんじん⇒キャベツの順で中~弱火で煮る
2.1を取り出してみじん切りにする
3.2を鍋に戻して、高野豆腐鵜を入れて弱火で煮る
離乳食中期・かぼちゃのマカロニグラタン
材料
マカロニ(ゆでたもの) 30g
かぼちゃ 15g
牛乳 20ml
カッテージチーズ 5g
作り方
1.茹でたマカロニを小さく刻む。かぼちゃは、皮、種、ワタを取り除き1㎝幅に切る
2.かぼちゃをお湯で湯がいて軟らかくなったら取り出し細かくつぶす。
3.器に、2、マカロニ、牛乳、カッテージチーズを入れ混ぜ合わせ、トースターで3分温める
離乳食中期・ヒラメと白菜のとろみスープ
材料
ヒラメ 10g
白菜(葉先) 5g
昆布だし 150g
水溶き片栗粉 小さじ1
作り方
1.鍋に昆布だしを沸かし、ある程度大きめに切った白菜を煮ます
2.ヒラメを加えて白くなるまで煮る
3.2を取り出してみじん切りにする
4.鍋の煮汁を80mlにして、3を鍋に戻し加熱し、水溶き片栗粉でとろみをつける
離乳食中期・大豆とトマトのスープ
◆材料
ゆで大豆 15g
玉ねぎ 10g
トマト 20g
かつお昆布だし 100ml
水溶き片栗粉 小さじ1
◆作り方
1.大豆は薄皮をむきみじん切り、玉ねぎはすりおろす。トマトは湯むきをして種を取りみじん切りにする。
2.かつお昆布だしに、大豆と玉ねぎを入れて煮る。
3.トマトを加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
離乳食中期・マグロとニラのとろみスープ
<材料>
マグロ(刺身) 10g
玉ねぎ 10g
ニラ 5g
水溶き片栗粉 小さじ1
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・玉ねぎとニラはみじん切りにする
1.かつお昆布だしに玉ねぎとマグロを入れて煮る
2.マグロを取り出してみじん切りにする
3.2のマグロとニラを1に入れて煮る
4.水溶き片栗粉でとろみをつける
離乳食中期・鶏肉じゃが
材料
鶏ささみ 10g
じゃがいも 10g
にんじん 10g
玉ねぎ 10g
(※野菜の合計30g)
煮汁 100ml(※大人用の煮汁<調味料なし>から取り分け)
作り方
1.鶏ささみはそぎ切りして煮汁で煮る。
2.1と取り分けた野菜をすり鉢に入れて細かくすりつぶす
2.煮汁を加えて滑らかにする
離乳食中期・ささみとニラのじゃがいもちぢみ
写真は大きめに切っているので、実際はつまんで一口で食べられるくらいに小さく切って与えましょう。
<材料>
鶏ささみ 10g
ニラ 10g
小麦粉 20g
じゃがいも 20g
水 20g
<作り方>
1.鶏ささみ、ニラは5㎜幅に切る。じゃがいもは皮をむいて水につけすりおろす。
2.小麦粉、じゃがいも、水をよく混ぜ、1を加えて混ぜる
3.フライパンを熱し2を流し入れ片面が焼けたら返す。しっかり火が通るようにふたをして、弱火で焼き色がつくまで火を通す。
離乳食中期・鮭とかぶの煮物
<材料>
生鮭 10g
かぶ 20g
ほうれん草(葉) 5g
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・生鮭は骨と皮を取り除く
・かぶは皮をむき煮やすい大きさに切る
・ほうれん草は葉の部分を切り取り下茹でして、アクを取ってみじん切りにする
1.かつお昆布だしにかぶ→生鮭の順に煮る
2.1を取り出してみじん切りにする
3.鍋に2とほうれん草を入れて再度火にかけ煮る
離乳食中期・バナナのフレンチトースト
<材料>
食パン
バナナ 15g
牛乳 30ml
<作り方>
1.ボウルにバナナを入れてトロトロになるまでフォークでつぶす
2.牛乳を混ぜ入れ、食パンの両面に塗る
3.フライパンで両面じっくり焼く
*写真はフレンチトーストが分かりやすいように切っていません。中期の赤ちゃんには、食べる前に2~3㎜に切って食べさせてあげましょう
離乳食中期は「食べる経験」を積ませてあげる時期
8カ月ごろは、食べムラも出始める時期でもあります。今回紹介した目安量を食べていない、この食材を食べてくれないなど悩むことがあると思いますが、まだ、離乳食をスタートして2~3カ月です。今はとにかく、楽しい雰囲気の中、食べる経験を積んでいくことを重視して進めていきましょう。
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※ HugKum では「離乳食」に関する記事を多数配信しています。こちらからご覧ください。
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。