「北枕」は縁起が悪いって迷信? 枕の向きによる効果も紹介

「北枕」とは「北に枕を向けて寝ること」をあらわす言葉です。「北枕は良くない」と言われたことはあるものの、なぜ縁起が悪いのか理由は知らないという方も多いのでは? 「北枕」は縁起が悪いとされる理由や、「北枕」やそのほかの枕の向きによる効果も紹介します!

「北枕」はなぜダメ? 縁起が悪いとされる理由

小さな頃に、おじいちゃんやおばあちゃん、もしくは両親から「北枕は良くない」と言われたことはないでしょうか?

昔からよく聞く説ではありますが、これは本当なのか、単なる迷信なのか、よくわからないですよね。また、なぜ「北枕」は縁起が悪いのかを知らないという方も多いはず。まずは、「北枕」が良くないとされる理由から見ていきましょう。

1:亡くなった人が頭を向ける方角だから

日本では、亡くなった方の頭を北に向けて安置する慣習があります。これは、お釈迦様が亡くなったときに頭を北に向けていたからだそう。このことにより、「北枕」が死を連想させるため、縁起が悪いとされているのです。

しかし、日本では「北枕」に悪いイメージを持つ人も少なくありませんが、インドでは逆。お釈迦様が亡くなったときに頭を向けていた方角だからこそ、縁起の良い方角と考えているそうです。

2:体が冷えてしまうから

日本の風土と家屋も、「北枕」が良くないとされる理由なのだとか。現在の家屋はつくりがしっかりしているため、すき間風が入ってくることは少なくなりました。しかし、昔の家はほとんどが木造のため、北の方角から冷たい風が入ってくることが多かったよう。そのため、北に頭を向けて寝ていると、冷たい風が頭に吹き、体が冷えてしまうため、「北枕」は避けるべきと考えられていたそうです。

実は縁起が良い!「北枕」による効果とは?

「北枕」は「不吉」「悪夢を見る」など縁起が悪いというのが通説ですが、実は縁起が良いという説もあります。その効果は、恋愛運や健康運、金運アップなどさまざま。ここでは、「北枕」で寝ることで得られるとされる効果を紹介します。

1:健康運アップが期待できる

「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉を聞いたことがありますか? これは「頭部を冷やし、足部をあたたかくすることは健康に良い」という考えです。古くから信じられてきた考えで、現代医学でも取り入れられています。日本の気候上、南の方角は暖かく、北は寒くなる傾向にありますよね。「北枕」で寝ると、頭は寒くなり、足は暖かくなるため、健康に良いと考えられています。

2:子宝に恵まれる

風水の考えによると、北は子宝に恵まれる方角だそうです。さらにはそれが転じて、恋愛運にも良い効果があるとされているのだとか。

3:金運を蓄えられる

こちらも風水にもとづいた考えですが、一説によると北の方角は「蓄えるパワー」があるのだそう。金運といえば、通常は西の方角が重要視されます。その西から入ってきた金運の流れを、北でしっかりと蓄えておくと、金運が出ていくことがないのだとか。

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そのほかの枕の向きによる効果とは?

「北枕」は恋愛運や健康運、金運にも良い効果が期待できると説明しました。しかし実は、そのほかの枕の向きによっても得られる効果が違うのだそうです。「東枕」「西枕」「南枕」で寝ることで得られるとされる効果をそれぞれ紹介しましょう。

東枕

東は太陽が昇る方角です。エネルギーが入ってくる方角であるため、「東枕」で寝ると、活力や元気を得られるとされます。

また、新しい出会いを呼び込む方角ともされるので、仕事運や恋愛運アップも期待できるのだそう。「元気がないな」「仕事も恋愛も停滞している」と感じたときは、「東枕」で寝てみてはいかがでしょうか。

西枕

先述したとおり、西は金運に効果があるとされる方角。そのため「西枕」で寝てみると、より金運アップの効果が得られるかもしれません。

また、風水では、西の方角は物事が熟して落ち着くとされる意味合いも持ちます。「生活に安定感を出したい」「落ち着いて生活をしたい」と考える方には「西枕」がいいかもしれませんね。

南枕

南は、太陽のエネルギーを受けやすく、「火」の気を持つ方角とされます。知性や才能、名誉などの意味合いを持ち、人気運アップに効果が期待できるのだとか。芸能関係に就いている方のほか、直感力を上げたいという方は「南枕」にしてみるとその恩恵が受けられるかもしれません。

ただし、「火」の気が強い方角であるため、気持ちが高ぶりやすく、寝つきが悪くなることもあるようです。

「北枕」以外に気をつけたい寝室環境のポイント

睡眠環境を整えるのは、枕の向きだけではなく、寝室全体の環境を考えることも大切です。睡眠に良い寝室環境のポイントを見ていきましょう。

1:壁に枕を向ける

枕の向きはもちろん、枕の先に何があるかも睡眠には重要です。例えば、枕がドアの方向を向いていると、人が出入りするたびに、ドアを開け閉めする音や気配が気になってしまい、落ち着いて寝ることができませんよね。

また、枕が窓の方向を向いているのもおすすめしません。窓に近いと、すき間風が入ってくることもあったり、外部の冷気の影響を受けやすかったりします。「頭寒足熱」が健康に良いとはいえ、冷気で喉を痛めるなどの悪影響も考えられるので、避けるほうが無難でしょう。

これらのことからも、枕は壁に向けるのがおすすめです。人や気温の影響を受けづらく、落ち着いて寝ることができるでしょう。

2:鏡が自分に向かないようにする

風水では、自分の寝姿が鏡に映ると、気が抜かれてしまうという考えもあるのだそうです。そのため、寝室に鏡を置くのは避けたほうがいいでしょう。

ただし、他に置く場所がない、クローゼットに近いから寝室に置きたいという場合は、鏡にカバーをかぶせるのがおすすめ。自分が寝ている姿が映らないので、悪い影響を避けられるかもしれません。

3:インテリアはなるべく落ち着いた色合いに

寝室はリラックスできる空間を演出することが大切。赤やオレンジ、蛍光色などの刺激の強い色味のものは気分が高揚してしまう場合もあるので、できれば避けたほうがいいですね。また、ベッドライトや時計など、小さなものであればあまり影響を受けないかもしれませんが、カーテンや壁紙などは面積が広いため、色の影響を受けやすくなることも。

自分の好きな色や、金運に効果のあるとされる黄色を取り入れたいという場合には、小さなアイテムにするといいでしょう。

最後に

一般的には縁起が悪いとされる「北枕」。しかし実は、日本の気候の関係から、健康に良いとは知らない方も多かったのではないでしょうか。ただし、「北枕」は、様々な説が存在しますので、何が正解かは一概には言えません。あくまで参考程度に取り入れてみるのがいいかもしれませんね。

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構成・文/結野雅美(京都メディアライン)

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