山芋(ヤマイモ)を冷凍するときの注意点は? とろろの場合や、栄養&風味を損なわない解凍方法を伝授

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山芋(ヤマイモ)は長芋も含む「ヤマノイモ科」に属する芋の総称です。大和芋、つくね芋、いちょう芋と呼ばれるものもすべて「山芋」に含まれます。その山芋、冷凍保存ができるんですよ。注意とポイントについて見ていきましょう。
通販で買える冷凍山芋や活用レシピもご紹介します。

山芋(ヤマイモ)は冷凍が可能

山芋のメリットは、生食ができること。一方、デメリットは繊細で傷みやすく、すぐに変色してしまう点にあります。冷凍保存ができるため、長持ちさせたい場合は冷凍がおすすめです。

山芋を冷凍したら栄養はどうなる?

山芋の栄養素をキープしながら冷凍するには、「生のまま」がポイント!  山芋に含まれる消化酵素のアミラーゼは、熱に弱いため非加熱での冷凍が基本です。また、解凍法でも栄養素の流失を最小限に減らすことができます。

すりおろした山芋を冷凍するときは、味付けは×

すりおろしてから冷凍する方法がありますが、味つけはNGです。塩味を加えることで、水っぽくなり、より傷みが早まりますので避けたほうがいいでしょう。

山芋の冷凍保存方法

山芋は、使う目的に応じて、形状を変えて冷凍しておくと大変便利です。では、具体的に山芋の冷凍保存法について解説していきますね。

山芋をそのまま冷凍

皮つきで生のまま冷凍保存することができます。長さのあるものは、適当な大きさにカットし、1本ずつラップに包んだら保存袋に入れて冷凍しましょう。

ラップと保存袋の併用でしっかり密封します。

山芋をカットして冷凍

山芋を細切りにしたバージョンです。皮は厚めにむくと、変色を抑えることができます。切った後は、冷凍用保存袋に入れて少量のお酢を加えるとよいです。

切った場合は、数滴の酢を入れて軽く揉んでから保存しましょう。

 

お酢は、ほんの少しなら解凍後に臭いの心配もありません。

山芋をすりおろして冷凍 

とろろにした状態で冷凍することも可能です。注意点などがありますので、気になる方は、下の記事をチェックしてみてください。

とろろは冷凍保存できる? 美味しさキープする解凍方法、便利な小分け冷凍テク!
とろろは冷凍保存できる? とろろは冷凍保存ができるんです。山芋は食物繊維を多く含むため、そのままの形で冷凍すると繊維が破壊され食感が落...

山芋を潰して冷凍

山芋は、粗くつぶして冷凍することも◎。解凍後は、食感を残したまま料理に使えます。

麺棒で軽く叩き、裂け目を手で割ると簡単です。

山芋を調理して冷凍 

ホクホクとした山芋のステーキ、美味しいですよね。焼いてから冷凍しておきたいところですが、山芋の栄養素は、水溶性がメイン。消化酵素のジアスターゼも加熱に弱いため、栄養学的には、やはり「生」が正解です。皮をむいて輪切りにし、保存袋に入れて保存しておくと重宝します。

この状態であれば、解凍後すぐにステーキとして焼けるのでラクちんです!

冷凍した山芋の解凍方法

生のままで冷凍した山芋、せっかくなら栄養素も食感も残したいものです。次は、解凍法についてまとめました。

山芋をそのまま(カットしたものなど)冷凍した場合

細切りや、大きめにつぶした山芋は、凍ったまま調理しましょう。

生のまま食べたい場合は、流水解凍がおすすめ。栄養素の流失を抑えることができます。

ゆっくり流水で溶かしていきましょう。

山芋をすってから冷凍した場合

とろろにして冷凍した場合は、冷蔵庫で自然解凍するか、もしくは流水解凍もできます。

多少、食感がやわらかくなりますが、電子レンジで半解凍して食べることも可能。

とろろ蕎麦にしたい場合も半解凍くらいで十分です。蕎麦つゆで、すぐに解凍できます。

冷凍した山芋の保存期間

異なる形状で冷凍保存した山芋の保存期間は、以下の通りです。いずれの場合も保存状態が悪いと変色してきてしまうため、あくまでも目安です。なるべく早めに食べ切りましょう。

山芋をそのまま冷凍した場合の保存期間

皮つきのまま生で冷凍した場合は、1ヶ月以上。

山芋をカットして冷凍した場合の保存期間

適当な大きさに切って冷凍した場合で、約1ヶ月ほど。

山芋をすりおろして冷凍した場合の保存期間

とろろにした状態で冷凍した場合で、約1ヶ月ほど。

山芋を潰して冷凍した場合の保存期間

潰して冷凍した場合で、約1ヶ月ほど。

山芋を調理して冷凍した場合の保存期間 

皮をむき、輪切りにして冷凍した場合で、約1ヶ月ほど。

*  *  *

日本では、縄文時代から山芋が食べられていました。日本人にとってはなじみの深い昔ながらの伝統野菜です。別名は、「山ウナギ」との呼ばれるほど滋養強壮作用にも優れているため、上手に活用して体力維持にお役立てくださいませ。

撮影・文/川越光笑(たべごとライター・栄養士)

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そのまま使えて便利な山芋の冷凍食品

やま芋 業務用 ヤマトフーズ

 

浅草むぎとろ 味付とろろ

 

ニチレイ いろいろ使える 味付きオクラ&やまいも

 

冷凍山芋の活用レシピ

【1】マグロとろろ

マグロにとろろ+だし醤油だれをかけるだけ。1分かからず絶品おかずが完成!

◆材料

(2~3人分)
マグロ(角切り) 200g
しょう油 小さじ1
とろろ(山芋のすりおろし) 80g
だししょう油だれ 1/2量
刻みのり 適量

◆作り方

【1】マグロにしょう油をまぶし、器に盛りつける。
【2】とろろにだししょう油だれを混ぜて【1】にかけ、のりをのせる。

◆ポイント

【だししょう油だれ】
だし 大さじ3
しょう油 大さじ1
みりん 大さじ1/2
※だしは、昆布やカツオ節から取るほか、市販の白だし・顆粒だしを使ってもOK。その場合は、表示どおりの濃度に薄めて使いましょう。みりんは耐熱容器に入れてラップをせず、電子レンジで約40秒加熱(600Wの場合)して沸騰させ、アルコール分を飛ばします。

教えてくれたのは


橋本加名子さん

料理研究家・栄養士・フードコーディネーター。料理教室「おいしいスプーン」主宰。働きながらの子育て経験を活かし、簡単でも〝手抜き〟ではないおいしい家庭料理を提案。雑誌や書籍、WEB発信のほか、企業のメニューコンサルティングなども行う。

『めばえ』2018年8月号

【2】豆乳とほうれん草の長芋スープ

朝のビタミン・ミネラル補給に最高の一杯! とろりとした喉ごしで、体を芯から温めます。

◆材料

(大人2人+子ども1人分)
ほうれん草 200g
山芋 150g
豆乳 600ml
粗塩 小さじ1/4
粗びきこしょう 少々

◆作り方

【1】ほうれん草はゆでて水にさらし、水気を切る。5mmの長さに切って、水気を絞り、切っておく。
【2】山芋は皮を除いて、すりおろす。
【3】鍋に豆乳を入れて中火で煮立たせたら、【1】 を入れ、さらに弱火で5分煮る。
【4】【3】に【2】を流し入れて煮立たせ、粗塩とこしょうで味を整える。

教えてくれたのは


ウー・ウェンさん

北京生まれ。1990年に来日。北京家庭料理が評判となり、料理家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。

『めばえ』2017年6月号

【3】ズッキーニのミニハンバーグ

ハンバーグだけどお肉じゃない?  実はズッキーニのハンバーグなのです。山芋をつなぎに使ったヘルシーバーグです。

◆材料

(大人2人+子ども1人分)
ズッキーニ 2本(200g)

【A】
しいたけ(みじん切り) 3枚
くるみ(細かく砕く) 大さじ2
しょう油 小さじ2
コリアンダーパウダー※ 少々
塩 少々

【B】
パン粉 1/2カッップ
山芋のすりおろし 大さじ1
小麦粉 大さじ3

オリーブオイル 大さじ1
ケチャップ 適量
※コリアンダーパウダーのかわりにこしょう少々でも可。

◆作り方

【1】ズッキーニは2mmの輪切りにし(8枚)、残りはみじん切りにする。
【2】ズッキーニのみじん切りに【A】を入れて混ぜ合わせ、【B】を順に加えて混ぜ、全体をひとまとめにする。8等分して、円形を作る。
【3】フライパンにオリーブオイルを熱し、【2】と輪切りのズッキーニを並べ、弱~中火で両面をこんがり焼く。
【4】器にハンバーグを盛り付け、ズッキーニをのせてケチャップを添える。

◆ポイント

ズッキーニには、風邪の予防に効くβ-カロテンが豊富。低カロリーでビタミン・ミネラルが豊富な夏の新定番食材です。
免疫力を高めるβ-カロテン、歯や骨を強くするカルシウム、むくみに効くカリウムなども含有。

みじん切りでマイルドな味に!
野菜はみじん切りにすると、クセが和らぎ、メニューの幅が広がります。フードプロセッサーを使えば簡単ですが、なければ包丁で。

教えてくれたのは


カノウユミコさん

野菜料理研究家。鳥取県の専業農家に生まれ、生来の野菜好き。高校時代から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理・精進料理を研究。現在は鳥取に住み、自ら野菜を自然栽培。東京でも毎月、野菜料理教室を開催している。

『めばえ』2017年7月号

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構成/HugKum編集部

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