ゴーヤの冷凍保存
ゴーヤの爽やかさを逃さず、冷凍保存するメリットをご紹介します。
苦味を軽減
ゴーヤの苦味は、モモルデシンと呼ばれる20種類以上ものアミノ酸からなる成分によるものです。胃腸を刺激し、粘膜の状態を整えてくれるため、夏バテ防止や食あたりの予防にもなります。冷凍することでこの苦味はかなり減ります。
ちなみに、モモルデシンは緑色の果皮に含まれており、わた部分には含まれません。そのため、白いわたの部分は苦味がなく、さらに果肉の1.7倍ものビタミンCが含まれています。できれば、わたも残したままで調理し、体に取り入れたい部分なのです。
長期保存
ゴーヤは常温で4日程度の保存期限ですが、カット冷凍で3週間、丸ごとなら1か月の長持ちが可能です。冷凍してもサッと流水で洗えば包丁が入るため、塩もみや天ぷらなどにも使いやすく、デメリットが見当たりません。
冷凍の方法
ゴーヤの冷凍は、カットしてから、もしくは丸ごとがおすすめです。シャキっとした食感は失われますが、苦味が減って、揚げ物や和え物に使いやすくなります。
カットしてから冷凍
【1】縦割り半分にカットして種とわたをとり、食べやすい大きさにします。
【2】フリーザーバックに入れて冷凍してください。
丸ごと冷凍
ラップで包み、フリーザーバックやポリ袋に入れて冷凍します。
保存期間
カットして冷凍したゴーヤは、3週間を目安に、丸ごとなら1か月をめどに食べきってください。
解凍方法
解凍方法は、それほど難しくありません。自然解凍のほか、流水解凍なら素早く柔らかくなります。
自然解凍
カットして冷凍したゴーヤを、自然解凍すると茹でたようにしんなりとしますから、塩で軽く揉めば、浅漬けの完成。茹でるとほとんどのビタミンCが流れてしまうので、これはお得。
流水解凍
丸ごと冷凍したゴーヤでも、サッと水につければ無理なくカットすることができます。縦割りにすれば、わたもとることができ、解凍の手間はほとんどかかりません。
加熱調理にはそのまま
ゴーヤチャンプルなどの炒め料理ならば、カットして冷凍したゴーヤをそのまま加熱します。解凍してから使うよりも、食感が残るためおいしく仕上がります。
冷凍ゴーヤの活用レシピ
冷凍のゴーヤを活用できるレシピをご紹介します。
冷凍ゴーヤの白和え
厚揚げを使い、簡単にできる白和えです。はちみつと味噌で味付けしているので、お子さんでも食べやすい味で、ご飯がすすみます。
◆材料
カットして冷凍したゴーヤ 1/2本分
厚揚げ豆腐 1/2丁
味噌 大さじ2
はちみつ 大さじ1
◆作り方
【1】冷凍庫から、カットして冷凍したゴーヤを取り出します。30分ほど常温に置いて自然解凍し、水をしっかりと絞ってください。
【2】ボウルに材料をすべて入れます。厚揚げ豆腐を手で潰しながら、他の材料と混ぜ合わせます。
冷凍ゴーヤの天ぷら
栄養が詰まったわたも一緒に、天ぷらでいただきます。カリッと揚げるとスナック感覚で食べられます。冷凍ゴーヤを使うと、苦味が驚くほど少なくなって、食べやすいですよ。
◆材料
丸ごと冷凍したゴーヤ 1/2本
小麦粉 大さじ2
水 大さじ2
油 適量
◆作り方
【1】冷凍庫から、丸ごと冷凍したゴーヤを取り出します。
【2】ボウルに入れ、水に浸して流水解凍します。1分経たずに柔らかくなるので、半解凍でカットします。
【3】包丁で1cmの輪切りにし、種をはずしてください。水気をしっかり拭き取ります。
【4】小麦粉と水を混ぜて衣を作り、【3】のゴーヤにまとわせます。160℃の油で揚げてください。
ゴーヤチャンプルを冷凍保存する方法
生のゴーヤを使って作るチャンプルと、それを冷凍する方法をご紹介します。
ゴーヤチャンプル
しっかりと味が染み込んだゴーヤからは爽やかな苦味が感じられ、暑い日にピッタリの一品です。
◆材料
ゴーヤ 1本
豚バラ肉薄切り 200g
木綿豆腐 1丁(400g)
卵 2個
サラダ油 大さじ2
ごま油 大さじ1
塩こしょう 少々
しょうゆ 大さじ1
【A】
砂糖 小さじ2
塩 少々
しょうゆ 大さじ1
◆作り方
【1】木綿豆腐の水切りをしておきます。キッチンペーパーに包み、耐熱皿にのせて電子レンジ600w5分の加熱で水切りができます。
【2】粗熱がとれた豆腐を手でちぎり、食べやすい大きさにします。
【3】ゴーヤのヘタを切り落とし、種とわたを除いて薄切りにします。【A】と混ぜ合わせて5分程度味をなじませます。
【4】豚バラ肉を3cm幅に切り、塩こしょうをしておきます。
【5】フライパンにサラダ油を入れて温め、中火で【2】の豆腐を炒めます。焼き色がついたら一旦取り出します。
【6】フライパンにごま油と【3】のゴーヤを入れて、炒めます。火がとおったら一旦取り出します。
【7】フライパンで豚バラ肉を炒め、全体に火がとおったら【5】の豆腐、【6】のゴーヤを戻し、全体を炒めます。塩こしょうをしてください。
【8】溶き卵を加え、全体に絡めたら、しょうゆをフライパンの縁から回しかけます。
冷凍方法
【1】粗熱がとれたゴーヤチャンプルを、少量ずつラップに小分けします。
【2】フリーザーバックに入れて冷凍します。
保存期間
冷凍したゴーヤチャンプルは2〜3週間をめどに、食べきってください。
解凍方法
解凍は、小分けしたラップを耐熱皿にのせ、電子レンジ600wで1分30秒を目安に温めてください。
長期保存の他にもメリット大
野菜の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇るゴーヤは、風邪のひき始めなどに食べると効果が期待できます。冷凍庫に保存してあれば、不調の時でもすぐに調理することができますね。
夏野菜のおいしさを長持ちさせるためにも、冷凍保存は効果的。苦味の軽減や調理のしやすさなど、メリットが多くありますから、ぜひ冷凍保存を試してくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)