結婚式は「おめでとう」の気持ちを伝える場、とまずは子どもに説明しよう
子どもと結婚式に参加することになったら、最初に結婚式とは何かを伝えてあげてください。結婚式は新郎・新婦のお二人が結婚したことを皆さんにお知らせする大切な場であること。そこに招待いただいたということは、自分たちがお二人にとって大切な相手であるということ。そして同じ場に集まる人たちは、新郎・新婦に心からの『おめでとう』を伝えたい人であることをゆっくりと丁寧に説明してあげて下さい。
大人は結婚式に対し “相手に失礼があってはいけない”という気持ちから、お祝いの気持ちと同じくらい緊張感を持つ方が多いようです。実はその緊張感は子どもにも伝わります。
さらに、いつものパパママと見た目も違いますよね。特にママは公園に行くときとは違う服装でおめかしをします。それだけで子どもは「いつもと何か違う・・・」と構えるでしょう。さらに会場に着いて、いつも以上に子どもの音に敏感になってしまい、注意も強く言ってしまう。子どもにとってみれば、結婚式とは楽しい場所なのか、嫌な場所なのか分からなくなってしまいます。
子どもには『きちんとしなければいけない場所』であることを伝える前に『その場が幸せに溢れた場である』こと『みんなで「おめでとう」の気持ちを伝えに行く場』であることをまず伝えましょう。
例えば新郎側で招待されていたら「今日はね、結婚式に家族で参加するのよ。結婚式というのは(新郎)がパパやママみたいに新しい家族をつくるから、新しい仲間をみんなに紹介してくれることなの。美味しいご飯があって、(新婦)がお姫様みたいなドレスを着るんだって。(新郎)がうちみたいに仲良し家族になったら嬉しいよね!家族で少しおめかしして『おめでとう』をいいに行こうか。〇〇ちゃんに『おめでとう』を言われたらとても喜ぶと思うんだ!」というように子どもの参加意識が高まる語りかけで説明をしてあげたら子どもも心の準備ができますよ。
子どもが過ごしやすい環境を自分たちで作ろう
子どもがその場に慣れるには、同じ会場にいる方、テーブルがご一緒の方が少しでも身近に感じられると安心感が増します。パパ・ママが事前に「こんにちは。同じテーブルの赤名と申します。今日は小さな子が一緒で少しお騒がせしてしまうかもしれませんが宜しくお願い致します。」と、挨拶するのも良いのですが、できれば子どもと一緒に行って、子ども自身が挨拶できると尚良いですね。
大事なことは自分たちから先に挨拶をすることです。さらに子どものことも「感じが良い子だな」と思ってもらえたら嬉しいですよね。そのポイントは5つあります。子どもだけでなく大人にも大切な【マナーの5原則】です。
マナーの5原則
①身だしなみ
結婚式はフォーマルな場ですから、子どもの服装もフォーマルなものを選びましょう。何回も使用するものではないので、レンタルを利用してもいいかもしれません。女の子でしたら可愛い色味のお出かけ用のワンピース、男の子でしたら襟付きのシャツ・嫌がらなければブレザーや蝶ネクタイがあると可愛いですね。靴下やタイツは白。靴はできればフォーマルな黒靴がベストですが、歩きにくいときはデザインが派手でない黒のスニーカーでもいいでしょう。
②表情
マスクをしているので笑顔を作るのは難しいかもしれませんが、相手のお顔‥できれば目を見てご挨拶ができると相手も嬉しくなります。
③態度・仕草
ご挨拶の時は指先をお臍の下で揃える、もしくは体の側面にまっすぐつけて背筋を伸ばして立つのが理想です。でも緊張してできない場合も多いでしょう。ママの手をずっと握って離れないかもしれません。その時は無理に離そうとせず「しっかりギュって握っていてあげるから体をまっすぐにしてご挨拶しよう」と許容範囲を広げつつ、できることから挑戦させてあげてください。一度できたら自信がついて手を繋がなくても言えるかもしれません。
④話し方
「おめでとう」「こんにちは」など短い言葉でいいので大きなこえでハッキリ言えるといいですね。子どもには「みんなマスクをしているし、人も多くて聞きづらいから少し大きな声で伝えてあげてね。ちゃんと聞こえると嬉しいから。」と、ひと言あるといいです。一番分かりやすいのはパパやママがお手本になってあげることです。
⑤挨拶
上の①~④ができた挨拶は、素敵な挨拶・相手に感じが良いと思われる挨拶になります。
それでもぐずってしまったら
結婚式に参加するための心と環境を頑張って整えても、子どもの集中力の持続時間は短かったり、会場が暗くなったり明るくなったりを繰り返していると疲れてしまうこともあるでしょう。そんな時は休憩の時間として少し会場の外に出てリラックスする時間をとってあげましょう。ぐずってからではなく、調子がいいな、と思う時から「お手洗いにいこうか」などこまめに時間を取ってあげるといいと思います。
新郎新婦に直接「おめでとう」を伝えてみよう
家族で結婚式に来たのは『新郎・新婦のお二人をお祝いする気持ちを伝えるため』でしたよね。歓談の時間に様子を見て、話しかけに行けそうだったら直接「おめでとう」を伝えてみましょう。他人のために行動することができた経験は心が満たされると思います。
もし直接話せなくても『今日、〇〇ちゃんがいたからお二人とも本当に幸せそうだったね。ニコニコしていたね。良かったね。頑張ったね。』と沢山褒めてあげてください。新郎新婦のお二人だけでなく、子どもたちにとっても思い出の一日となりますように。
文・構成/赤名麻由子
赤名 麻由子