「昆虫類」はどう見分ける? 全生物の4分の3を占める虫たちの歴史・特徴・成長の仕方をまとめて解説

いわゆる「虫」と、昆虫類の違いはどこにあるのでしょうか。生物学上の属性や特徴・成長の違いなど、昆虫類に関する基礎的な知識をまとめて解説します。あわせて大まかな種類数や誕生した時期も確認していきましょう。

昆虫類の定義・特徴は?

「虫」と呼ばれる生物が全て、昆虫に該当するとは限りません。昆虫類の生物学における定義と、体の特徴を解説します。

節足動物における分類の1つ

「昆虫」とは、生物を分類する際のグループ名です。生物を特徴で分ける際には、以下のような言葉が使われます。

●界(かい)
●門(もん)
●綱(こう)
●目(もく)
●科(か)
●属(ぞく)

考え方・知見などによって違いはあるものの、動物「界」における節足動物「門」のうちの昆虫「綱」に該当する生物を「昆虫」と呼ぶのが一般的です。なお、昆虫綱を分類する場合には「目」を使います。例えばミンミンゼミだと「節足動物門・昆虫綱・カメムシ目」に分類されます。

体に見られる3つの特徴

主に大人の昆虫(成虫)の体に見られる特徴は、以下の通りです。

●体が頭部・胸部・腹部に分かれている
●胸部についた3対・合計6本の足
●2対・合計4枚のハネがある

カブトムシを例に、昆虫の体の特徴を見ていきましょう。

カブトムシの成虫の体は、目・口・触覚のある頭部と、胸部・腹部に分かれています。左右に2枚ずつハネがあり、胸部から両側に3本ずつ足が伸びているため、昆虫と判断できます。ただし、原始的な昆虫にはハネを持たない生物もいるので、上記の特徴が全て当てはまるとは限りません。

カブトムシの体の構造

主な変態別・代表的な昆虫類

「変態」とは、昆虫類が一生のうちに姿を変えることを意味した言葉です。変態の種類ごとに、成長の流れや該当する昆虫を確認しましょう。

完全変態の昆虫

チョウは完全変態の代表
チョウは完全変態の代表

卵・幼虫・さなぎ・成虫の順に成長する昆虫は「完全変態」に分類されます。さなぎの時期がある完全変態の昆虫は、幼虫とは見た目が異なります。該当する昆虫の目(もく)は、以下の通りです。

●甲虫目
●ハエ目
●ハチ目
●チョウ目

甲虫(こうちゅう)目の昆虫類には、カブトムシ・クワガタムシなどが挙げられます。「イモムシ」「アオムシ」とも呼ばれる幼虫からさなぎになり、ハネを持った成虫へと進化するチョウは、完全変態の代表ともいえる昆虫です。その他、ガ・ハエ・ハチなども完全変態に含まれます。

不完全変態の昆虫

トンボの他、カメムシ・コオロギ・セミなども、不完全変態に該当
トンボの他、カメムシ・コオロギ・セミなども、不完全変態に該当

不完全変態の昆虫は、卵・幼虫・成虫の順に成長するため、さなぎの時期がありません。カメムシ目・バッタ目・トンボ目が不完全変態に該当し、幼虫・成虫の見た目が似ているのが特徴です。

もちろん例外もあり、トンボの場合は「ヤゴ」と呼ばれる幼虫からは想像できないような見た目をしています。一方で、幼虫・成虫の見た目がほとんど同じバッタは、不完全変態の典型ともいえるでしょう。カメムシ・コオロギ・セミなども、不完全変態に該当する昆虫類です。

無変態の昆虫

不完全変態には、幼虫から姿を変えずに成虫になる「無変態」も含まれます。環境の変化が少ない原始的な昆虫に多く見られ、代表的な生物にはシミ・イシノミなどが挙げられます。

不完全変態と同じく、卵・幼虫・成虫の順に成長しますが、脱皮を繰り返して大きくなるため、見た目は変わりません。大きさ以外はほとんど同じ見た目をしているので、生殖機能の有無で幼虫・成虫かを見分けます。

昆虫類に関するQ&A

日常生活で目にする機会も多い昆虫は、身近なようで謎の多い生物です。最後に、昆虫類に関する疑問をピックアップして解説します。

クモは昆虫類といえる?

結論からいうと、クモは昆虫類とはいえません。クモも昆虫類と同じ節足動物ですが、体のつくりが異なります。昆虫類の体が頭部・胸部・腹部の3部に区別できるのに対し、クモには「頭胸部(とうきょうぶ)」があり、頭部・胸部がつながっているのが特徴です。

節足動物門の生物は、足の本数で3種類の「綱」にグループ分けされています。クモの足は8本あるため、足が6本の昆虫綱ではなく、クモ綱に属します。

地球における昆虫の種類はどれぐらい?

諸説ありますが、地球上には約100万種類もの昆虫が生息しているといわれています。学名のない種類や未発見の昆虫を含めると、3,000〜5,000万種類は存在するようです。

昆虫の種類は非常に多く、人間を含めた全動物の約4分の3を占めているという説もあります。環境に合わせて体のつくりを柔軟に変化させてきたため、成長の仕方や特徴も豊富です。

昆虫類はどれぐらい前から存在する?

昆虫類の歴史は長く、最古といわれる昆虫・トビムシの化石は約4億年前の地層から発見されました。また、見つかった化石から、約3億5,000万年前にはバッタ・トンボ・ゴキブリといったハネのある昆虫が存在していたことも分かっています。

コオロギ・セミ・甲虫などが出現したとされるのは、約2億3,000万年前です。約1億3,000万年前になると花の咲く植物が現れ、チョウ・ミツバチなどの蜜を吸う生物も誕生しました。さかのぼれる人間の起源は約600万年とされているため、昆虫類のほうがはるかに先輩といえるのです。

昆虫類は体のつくりで見分けよう

虫と昆虫類は、意味合いが異なります。昆虫類を見分ける簡単な方法は、体のつくりをチェックすることです。体が頭部・胸部・腹部に分かれていて、足が6本の場合は、ほぼ間違いなく昆虫といえます。

昆虫の歴史は4億年以上と、人間の起源よりもはるかに長いのも驚くべき事実です。一方で環境などの要因が重なり、カブトムシ・チョウといった子どもから人気の昆虫は減少傾向にあります。身近な虫が昆虫なのか判断できない場合は、体のつくりに着目してみましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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