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子育てに「向いていない」と思ったことがある人はどれくらい?
子育ては楽しいことばかりではありません。体力的にも精神的にも辛いと感じる時があったり、自分が子育てに向いていないと感じる経験をしている人も少なくないようです。
実際子どもを持つパパママ100人にアンケートをとってみると「自分は子育てに向いていないと思う(思った)」と回答した人は全体の半数以上、「子育て中に面倒くさいと思ったことがある」と回答した人は実に7割弱もいました。
どんな時に子育てに向いてないと思うのか、どんな理由で子育てを面倒だと感じるのか、詳しくアンケート結果をみていきましょう。
子育てに向いてないと思ったことのある人は大半!
「子育てに向いていないと思う(思った)ことがある」と回答したパパママは55.5%と、全体の半数を超える結果となりました。どんなときに「向いていない」と思ったのでしょうか。
こんなときに「向いてない」と思った!
子どもに向き合うことは親の義務ですが、子育てをする上で、うまく行かずにイライラしたり、理想と現実のギャップに悩んだり。どんなときに「向いていない」と思ったのか、具体的に回答があったのはこちらです。
◆ママ・パパの回答
叱り方がわからない(30-39歳・三重県・子ども2人)
夜泣きの時の対応ができなかったとき(40-49歳・大阪府・子ども2人)
なんで泣いているか分からない時やイライラしちゃうとき(30-39歳・鳥取県・子ども1人)
自分の感情をコントロールできないときが有ったから(40-49歳・福岡県・子ども4人)
仕事優先になってしまうとき(40-49歳・千葉県・子ども2人)
理想と違う場面があり悩む。試行錯誤が良いかも不安になる(30-39歳・埼玉県・子ども1人)
料理が上手に作れなかったとき(40-49歳・東京都・子ども1人)
子どもが泣いているときにイライラしたり、思った通りにならないときに自分が感情的になってしまうという意見が一番多かったです。また仕事との両立で子育てより仕事を優先してしまったときに、向いてないと感じるという声も。料理が上手に作れなかった、叱り方がわからない、など、子どもとの生活で上手くできないことがあって悩んだときにも「向いていない」と思ってしまうようです。
子育て中に「面倒くさい」と思ったことは?
子育て中に「面倒くさい」と思ったことがある、と回答した人は、68.1%という結果でした。およそ10人に7人のパパママが何らかの理由で子育て中に面倒だと思ったことがあるようです。具体的にどんな場面で面倒さを感じたのか、アンケートの回答を紹介します。
こんなときに「面倒くさい」と思った!
パパママが子育てを面倒だと思った場面はこちらです。
◆ママ・パパの回答
ほかにやらなきゃいけない仕事があるとき(40-49歳・神奈川県・子ども2人)
子どもを連れて出かけるとき(30-39歳・三重県・子ども2人)
自分のペースを乱されるので(30-39歳・千葉県・子ども2人)
疲れているときや用事が重なって忙しいとき(40-49歳・埼玉県・子ども2人)
料理など、子どもの分は栄養面などを考えないといけないから (40-49歳・東京都・子ども1人)
身の回りの事をやってあげないといけなかったとき(40-49歳・大阪府・子ども2人)
機嫌が悪いとき(30-39歳・兵庫県・子ども2人)
子どもの遊びに付き合うとき(30-39歳・愛知県・子ども2人)
仕事や用事で忙しいときや、こちらが疲れているときに「面倒くさい!」と感じるパパママが圧倒的に多いということがわかりました。また子どものためにどこかへ出かけるときや、子どものために料理をすること、子どもと遊んであげなくてはいけないなど、「子どものために」という親としての義務感が強くなっているときに、面倒くさいと感じるという回答が目立ちました。
子育てに向いていないと思いやすい人の性格・特徴
子育てには大小さまざまな試練があります。例えば、夜泣きする子どもをあやして寝不足になることや、イヤイヤ期の子どもにも諦めずに付き合うのも、当然みんなやっていることですが、しんどいと感じることもあります。子どもが怪我や病気にかかれば、自分のこと以上に心配になります。
辛い時や上手くいかないときに「自分は子育てに向いていないのでは?」と感じるという回答がアンケートでも多く挙げられました。では、実際に子育てに向いてないと思いやすい人の性格や特徴とは、どんなものなのでしょうか。
完璧主義の人
アンケートの回答にもあったように、向いていないと感じた理由に「夜泣きの対応がすぐにできなかった」「理想と違う場面に悩む」などがありました。これは、「親なのだからこうしなければ!」と強い責任感で頑張り過ぎてしまうゆえ、「向いていない」と落ち込んでしまうのではないでしょうか。
子どもの授乳や離乳食も完璧にこなし、しつけや遊びもとことん向き合い、お友達との関わり方までしっかりフォローする。そうできればいいですが、全てを理想通りに完璧にこなすことはとても大変です。ゆえに完璧主義の人は、子育てを楽しむ余裕が減り、我慢やストレスを抱え込む傾向にあるようです。
自分のペースを崩されたくない人
マルチタスクの子育て中のママパパ達。仕事も忙しく、子育てや家事も毎日待ったなし。子育て中は圧倒的に時間が足りないのが多くのパパママの実情です。「仕事優先になってしまうとき」「用事が重なって忙しいとき」「自分のペースを乱されるので」というアンケートの回答も目立ちました。できれば自分のペースで独身や子どものいない時と同じようにやりたい、と感じる人は、子育てに自分が向いていないのでは、と思ってしまう傾向にあるようです。
自分を周りと比べてしまう人
大人もそうですが、子どもの性格や特徴は千差万別です。ですが、子育て中はこうあるべき、という概念にとらわれたり、周りの子どものできている部分を見て、自分の子どもと比べてしまう人は、「子育てに向いていない」と落ち込みがちです。自分は自分、とブレない軸を持っていると、周囲に流されたり、つまらない比較で落ち込んでしまうことも少なくなるのですが、どうしても比べてしまう人は「子育て向いていない」と感じることがあるようです。
「向いていない」と思うママ・パパがうまく子育てするには?
アンケートの回答からもわかる通り、子育てに向いていないと感じるときというのは、自分の育児を客観的に見ていたり、子どもとのやりとりを振り返って反省をしている場面が多いこともわかりました。
「感情的にイライラしてしまう」「他にやらなきゃいけない仕事がある」など理由が明確な場合が多いですね。特に多かった理由について、どうしたらうまく乗り切れるのか、保育のプロのアドバイスを紹介します。
感情的になってしまうときのアドバイス
保育経験41年・元園長先生の田苗孝子先生の育児相談室の記事をご紹介します。
「気持ちのイライラを子どもにストレートにぶつけるのには、ひとつもいいことがありません。乳幼児の場合、親の機嫌が悪いのはなぜなのか、その原因は理解できないので、しゅんとして、ひたすら耐えるだけ。そして、気持ちのコントロールができない親の姿に影響を受けて、大きくなったときに子ども自身も親と同様のふるまいをする人間になってしまう可能性があります」
親が感情的になることが、子どもの将来にも大きく影響してくることがわかります。
田苗先生がアドバイスしてくれたのは、この2点です。
・子どもの前では母親を演じ、子どもが寝た後に、自分の想いは配偶者や両親、兄弟、友人などに聞いてもらい心の整理をする
・我慢ができずに子どもに当たったときには素直に謝る。プラスの関わりを持つことで親子の絆を深めていけばよい
▼田苗先生の育児相談室の記事はこちら
他にやることがあって忙しいときのアドバイス
仕事で責任を果たすことを放棄するのは難しいですね。そうであれば、家事や育児を完璧にやろう、という意識を出来るだけ軽くしましょう。優先順位を決めて頑張りすぎないこと、辛いときには誰かに助けを求めることで、自分を楽にする方法をとることです。
同時進行で仕事、子育て、家事をこなす忙しさのストレスに悩むパパママへのアドバイスはこちらの2点です。
・子育てを頑張りすぎないこと。優先順位を決めて、完璧にやろうとしなければ、うまくいかないと感じることも減ります
・子育てが大変な真っ只中は終わりがないように思えるけど、大変なのは数年だけ
またHugKum編集部のママ座談会では、「子育てが大変なのは数年」という先輩ママの話も。実際に手のかかる就学前の時期は、特に忙しいと感じるようです。年齢が上がるとともに、また別の子育ての悩みは出てきますが、時間的・体力的にいちばん大変なのは本当に数年の間、ということです。
▼HugKum編集部のママ座談会の記事はこちら
子育てに「向いていない」と思うのは一生懸命の証!
今回のアンケート調査から、パパママが子育てについて何らかの悩みや不安があるからこそ「向いていない」と感じることがわかりました。そして、大半のパパママが子育てを「面倒くさい」と思うことがあるというのも、正直な意見ですね。
「私は子育てに向いている!」と思えたら幸せかもしれませんが、自信満々に自分のやり方を子どもに押し付けたりする親だと子どもは大変です。不安や悩みを抱えながら、試行錯誤を繰り返し、家族や仲間とお互いに愚痴を吐き出したり相談をしながら、子育て時代を一緒に乗り越えていくのもいいのかなと思います。このアンケートが、少しでも子育て中のパパママが楽になるきっかけになれば、と願っています。
文・構成/HugKum編集部