離乳食のしらすはいつから食べてOK?

しらすは、離乳食初期から食べることができます。ただ、塩分が多いため下茹でして、塩抜きしてから使用します。
少しザラつきを感じることもあるので、塩抜きしたしらすをすりつぶして滑らかにすると与えやすいです。おかゆや野菜と混ぜても食べやすいでしょう。
離乳食におすすめのしらすの選び方
釜揚げしらすはふっくらと柔らかく離乳食におすすめです。「しらす干し」と書いてあるものでも、離乳食では湯通しして使うため柔らかくなり使いやすいです。また、最近では減塩されているしらすもおすすめです。
しらすと間違いやすいのがちりめんじゃこです。ちりめんじゃこはより乾燥してあるもので湯通ししても硬いため、離乳食には向きません。
しらすにアレルギーはある?
しらす干しにはまれにエビやカニが混入している場合があるため、入っていないか必ず確認して与えましょう。甲殻類は重篤なアレルギー反応をおこす場合もあるので注意が必要です。
離乳食の時期別の進め方

離乳食初期
【5~6ヵ月/開始~1ヵ月】唇を閉じて飲み込む練習(そのままごっくんと飲み込める固さ)
しらすは塩分が多いので茹でて塩抜きをし、すりつぶしてからお湯でのばして飲み込みやすくします。野菜やおかゆと合わせてトロトロにすると使いやすいです。
量の目安
1さじ~10gくらい
離乳食中期
【7~8ヵ月/開始2ヵ月頃~】舌と上あごを使って押しつぶす練習(舌でつぶせる固さ)
まだ歯が生えていないので舌とあごで押しつぶして食べます。しらすを茹でて塩抜きしたものを水気を切って粒が残る程度に軽くすりつぶします。野菜やおかゆと混ぜて使うと食べやすくなります。
量の目安
10~15gくらい
離乳食後期
【9~10ヵ月/開始4ヵ月頃~】歯茎ですりつぶす練習(歯茎でつぶせる固さ)
前歯が生える頃には歯茎も硬くなりますので、歯茎で押しつぶして食べます。熱湯をかけて湯通して塩味と生臭さを取ってから、細かく切って使います。しらすのうまみを生かしとろみをつけたものを野菜などにかけて使いましょう。
量の目安
15gくらい
離乳食完了期
【11~12ヵ月/開始7ヵ月頃~】前歯でかじり取る練習(歯茎で嚙みつぶせる硬さ)
歯茎を使って噛んで食べます。湯通しをすればそのまま使えます。他の食材と一緒に加熱して使うとしらすの素材の味を生かすことでアクセントになります。
量の目安
15~20gくらい
塩抜きや下ごしらえ・保存方法
しらす干しはいわしの稚魚でタンパク質・カルシウムが豊富ですが、塩水で茹でて軽く乾燥しているため塩分が多いのが特徴です。きちんと塩抜きをすれば、やわらかく離乳食で使いやすい食材です。
エビやカニは取り除いて
まれにエビやカニなどが混入していることがあるため、アレルギーの観点からも注意して取り除きます。
塩抜きのやり方
塩分が多いので必ず塩抜きをして使用します。生臭さを取ると同時に、衛生面でも殺菌できます。鍋にひたひたになるくらいまでの水を加えて2分加熱し茶こしなどで水気を切ります。 電子レンジでも同じように加熱して塩抜きをします。
塩抜きはいつまで?
後期までは塩抜きをしましょう。完了期では加熱し、塩味を生かして調理することもできます。
冷凍・保存方法
茹でて塩抜きをしたものの水気をよく切り、細かくしたものを使う分だけラップに包み、冷凍します。
保存期間
保存期間は冷凍しても2~3日までとしましょう。

離乳食のしらすを食べないときはどうする?
まずは新鮮で軟らかそうなしらすを選ぶこと。その他、下記のようなポイントに気を付けて使ってみましょう。
・しっかり湯通しして臭みをとり柔らかくして使う
・口に残りやすいので片栗粉でとろみをつける
・ほかの食材と混ぜ合わせて使うと食べやすくなる
しらすを使った離乳食のおすすめレシピ
離乳食初期|しらすとさつまいものペースト
優しい甘みと塩味が味わえます。水分を多めにして、飲み込みやすくして食べるようにしましょう。

材料(1食分)
しらす 10g
さつまいも 20g
作り方
1. お皿にしらすと大さじ2の水を入れて、レンジで30秒加熱し、塩抜きをします。

2. 塩抜きをしたしらすを擦って、滑らかにします。

3. さつまいものペーストの作り方
4. さつまいもの甘味と、しらすの塩気がそれぞれおいしいペースト。お好みで混ぜながら食べてもおいしいですよ。
離乳食中期|しらすのトマトサラダ
トマトのさわやかな酸味と甘み、しらすのほんのり塩味がおいしいサラダ。とろみ出汁と一緒に、のどごしの良さを味わってください。

材料(1食分)
しらす 5g
トマト 20g
かつお出汁 大さじ2
片栗粉 小さじ1/2
作り方
1. トマト20gを湯剥きして種と皮を取り除き細かく刻み、しらす5gを電子レンジで塩抜きして細かく刻みトマトの上に。

2. 熱したかつお出汁に片栗粉を混ぜながら入れ、ゆるいとろみをつけた出汁をかけます。

3. しらす、トマトに出汁を絡めてめしあがれ。
離乳食後期|しらすと青のりのパスタ
たくさん食べるようになったら作ってあげたいパスタ。しらすと青のりの香りが食欲をそそります。

材料(1食分)
しらす 10g
パスタ 20g
キャベツ 15g
水 80cc
青のり 少々
作り方
1. パスタを2~3cmに細かく折って鍋に入れ、ひたひたになるくらいの水で茹でます。

2. パスタが柔らかくなったら、塩抜きしらすと、細かく刻んだキャベツを入れてさらに茹でます。

3. 既定の分数より長めに茹で、パスタが柔らかく煮込まれたらできあがり。
離乳食完了期|しらすチャーハン
カルシウムがたっぷりとれるチャーハンです。しらすの塩味を生かしてふっくら仕上げます。仕上げにちぎった焼きのりを散らしても風味が増しておすすめです。

材料(1食分)
ごはん 80g
しらす 15g
小松菜 10g(1㎝くらいに切っておく)
卵 1/2個(溶いておく)
しょうゆ 小さじ1
サラダ油 小さじ1
作り方
1. 油を熱したフライパンに小松菜・しらすを入れてしんなりするまで中火で炒めます。
2. 卵を入れ、すぐにご飯を加えて混ぜ合わせます。
3. 最後に鍋肌からしょうゆを入れ、混ぜ合わせてできあがり。
記事監修

病院内にて妊産婦・乳幼児の栄養指導に従事。東京・小金井市のもぐもぐ子ども調理室にてレシピ監修、講義サポート、離乳食・幼児食講座を担当。
離乳食のしらすに関する体験談
HugKum編集部では、0~2歳の子を持つママやパパを対象に離乳食でのしらすについて、アンケート調査しました。まずは、赤ちゃんがしらすを好んで食べてくれたか聞いてみました。
Q.離乳食でお子さんはしらすを好んで(嫌がらずに)食べてくれましたか?

結果は、半数近くの赤ちゃんはしらすを『好んで食べた』と回答。『食べてはくれた』を合わせると8割以上の赤ちゃんはしらすを食べてくれているようです。
しらすを食べる赤ちゃんの様子や、与え方で工夫したこと、感想などの体験談も見ていきましょう。
★ママパパの体験談
「もっと欲しいという感じ。多めに買って、冷凍保存していました。最初は茹でて塩抜きして裏ごししてお粥と混ぜました。裏ごしが面倒だったのを記憶しています」(40代・東京都・子ども3人)
「塩抜きしたただのしらすですが、かなり好んで食べていました。現在も食卓に出すといちばんに手をつけます」(30代・神奈川県・子ども1人)
「口に最後まで残るようで、手でしらすだけを取り出したりしていたので、おかゆと一緒に柔らかく煮込んだり、すりつぶしたりしていた」(30代・神奈川県・子ども3人)
「最初の頃はすりつぶしてあげたり、離乳食完了期にはチャーハンに混ぜたりしてあげたが、特に嫌がることもなく(かといってすごく好きということもなく)難なく食べた」(20代・岡山県・子ども1人)
「上の子はしらす大好き! で、ほうれん草にかけたりおやきに混ぜたりしてとてもよく食べてくれた。下の子はそこまで好きではないが何か(茹でキャベツとか)と混ぜると食べる感じ。2人とも、初期のすりつぶしたしらすよりそのままの形の方が食べやすかったようだ(すりつぶすと生臭みが出やすいから?) 」(30代・神奈川県・子ども2人)
「熱湯で加熱するおかげか匂いを嫌がることもなく進んで食べてくれた。最初に食べさせるときはすり鉢で細かくしないといけない作業が面倒くさかった」(20代・茨城県・子ども1人)
おかゆや混ぜ込みごはん、おやきに混ぜるなど、幅広い料理に活用できるしらす。しらすが大好きでもっと欲しがる子や、塩抜きしただけでも好んで食べてくれるなどの声が聞こえてきました。離乳食初期は、塩抜きしてからすりつぶす工程が手間で面倒くさく感じるという声もありましたが、つぶさない方が赤ちゃんが食べてくれたとの回答もありました。
しらすは赤ちゃんにも食べやすい食材のため比較的好んで食べてくれるよう。口に残る感じや臭みが気になると食べてくれない子もいるようなので、赤ちゃんのペースにあわせて調理を工夫してあげると良さそうですね。
構成/HugKum編集部 写真/田中麻衣 協力/アヤキッチン