目次
お米が手に入りにくいときは・・・
お米が十分に用意できないときでも、満足できる食事を整えることができます。無理なく取り入れられる方法を見つけて、家庭のスタイルに合った形で続けていきたいですね。
ごはんの回数を見直してみる
毎食すべてにお米を使わなくても、一日一回にするなどの調整で、全体の消費量を抑えることができます。 そのうえで、お米を使う食事では量や内容にひと工夫を加え、満足感を高める工夫も効果的です。
主食以外にも目を向けてみる
主食だけでお腹を満たそうとせず、副菜や汁物の力を借りることで、食事全体のバランスと満腹感を整えることができます。いも類や豆類など、エネルギー源となる食材を上手に取り入れてみてください。
記事の後半で紹介するレシピも、ぜひ参考にしてくださいね。
お米の代用アイデア1|小麦粉でボリュームごはんに
お米の代わりに小麦粉を活用することで、さまざまなメニューが楽しめます。どれも子どもが食べやすく、アレンジの幅も広いため、無理なく取り入れやすいですよ。

パンでボリュームを確保
朝食だけでなく、夕飯にパンを取り入れる方法もあります。カレーやシチューと一緒に食べれば、お米なしでもしっかり満腹感が得られますよ。
また、ロールパンやサンドイッチ用のパンを使って、子どもと一緒に「手巻きサンド」を作るのもおすすめです。好きな具材を選ぶ楽しさも加わります。
麺類で満足感をプラス
うどんやスパゲティ、焼きそばなどの麺類も、小麦粉を使ったボリュームメニューとして活用できます。一皿で主食とおかずを兼ねることができるため、調理の手間も減らせますね。
具材に野菜やお肉を加えると栄養バランスも整い、子どもにも喜ばれる一品になります。
粉ものを活用する
お好み焼きやチヂミ、餃子などの料理も、代用食としておすすめです。野菜を混ぜ込んだり、チーズを足したりすることで、味のバリエーションも広がります。
粉ものは、フライパンや、ホットプレートでまとめて作れるメニューが多いので、忙しい日にも取り入れやすいですよ。
お米の代用アイデア2|雑穀を混ぜれば量が増え、お米の節約にも
雑穀やもち麦を加える「混ぜごはん」は、お米の節約になるだけでなく、栄養もアップします。ぷちぷちした食感が加わることで、食べごたえが増し、子どもにとっても楽しいごはんになりますよ。

もち麦と雑穀を炊き込んで、いつものごはんに変化を
雑穀やもち麦をお米に混ぜて炊くことで、少ないお米でもしっかり満足感のあるごはんに仕上がります。異なる食感や、香ばしさが加わるため、白米とは違った楽しさがあります。
食べ慣れるまでは少量から始め、子どもの好みに合わせて穀物の種類や量を調整すると取り入れやすくなります。
市販の雑穀ミックスを使えば手軽に始められますし、慣れてきたら麦やあわ、きび、押し麦などを組み合わせて、家庭に合ったブレンドを見つけることもできます。
餅や団子をおやつにも食事にも活用
お餅や、白玉団子など、米粉を使った食品も上手に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
切り餅は日持ちがするため、常備しておくと必要なときにすぐ使えて便利ですよ。 焼き餅にしたり、お雑煮に加えたりと、使い方は多様です。

白玉団子は、きなこをまぶしたり、みたらしあんをかけたりして、軽食やおやつとして楽しめます。ちょっと小腹がすいたときや、おかずが足りないと感じたときにも役立ちます。
味つけやトッピングの工夫次第で、飽きずにおいしく食べられる一品になります。
主食以外で工夫する「満足感」の出し方
お米の量が少ないときは、副菜で満腹感を補う工夫が役立ちます。中でも、さつまいもや、じゃがいもなどのいも類や、かぼちゃ、豆類はでんぷんを多く含んでいます。
主食にプラスして取り入れることで、満足感を確保することができます。
さつまいもの炒め物
いつものポテトフライを、さつまいもで作ると、甘みのある一品が出来上がります。バターとはちみつを加え、一味違う仕上がりにすると、お弁当や、おやつにも喜ばれますよ。

・材料
さつまいも 1/2本
有塩バター 10g
はちみつ 大さじ1.5
塩 ひとつまみ
・作り方
【1】さつまいもは棒状に切り、水にさらします。
【2】水気を切って耐熱容器に入れ、電子レンジ600wで4分加熱します。
【3】フライパンにバターを入れて熱し、さつまいもを加えます。こんがりとした焼き色がつくまで炒めてください。

火を止めて、最後にはちみつと塩を加え、混ぜ合わせます。
大豆とアボカドのサラダ
水煮大豆を使って、混ぜるだけで仕上がるサラダを作ります。アボカドの他にも、茹でたじゃがいもと合わせてもおいしいですよ。

・材料
(2人分)
大豆の水煮缶 80g
アボカド 1個
マヨネーズ 大さじ1
バルサミコ酢 小さじ1
塩こしょう 少々
・作り方
【1】アボカドは、皮をむいて種を取り除き、サイコロ状に切ります。
【2】大豆と合わせ、調味料を加えます。 最後に塩こしょうで味を整えます。
古米でもおいしく食べられるコツ
ここまではお米を節約するための工夫を見てきましたが、備蓄米が出回り、古米を食卓にのせる機会も増えてきました。
古米は、通常のお米に比べて水分が少なく、炊くとパサついたり、においが気になったりすることがあります。新しいお米と比べて、見た目がくすんで感じられることもありますが、品質に問題はありません。
ただし、緑やピンク、灰黒色などの変色が見られる場合は、カビが発生している可能性があります。異常があるときは無理に食べず、廃棄するようにしましょう。
おいしく食べるために大切なのは、炊く前に軽く研いでから30分以上しっかり浸水させることです。また、水加減をやや多めにして炊飯し、炊き上がり直後に酒や少量の油を加えてから蒸らすことで、ふっくらとした食感に仕上がります。
もち麦や雑穀と合わせて炊くことで、食感に変化が加わり、古米の風味が気にならなくなる場合もあります。気になるときは試してみてください。
もち麦と雑穀入り炊き込みごはん
お米と雑穀を、半分ずつ合わせて炊くときの割合を確認します。にんじんやしめじ、油揚げなどを加えて炊けば、栄養も彩りも加わる一品に仕上がりますよ。
・材料
米 1合
もち麦、雑穀ミックス 合わせて1合
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ2
塩 ひとつまみ
水 350㏄程度
・作り方
【1】もち麦と雑穀ミックスを合わせて1合分用意します。洗ったお米1合と合わせます。
【2】調味料と水は、合わせて400㏄が目安です。【1】に加えて、炊飯します。
子どもに伝えたい「ごはんがあることの大切さ」

日々の食事のなかで、お米を食べることは当たり前のように感じられてきたかもしれません。その「当たり前」が揺らぐ今だからこそ、食べることの意味や大切さについて、子どもに伝えていく機会にもなります。
子どもの「ごはん食べたい」にどう向き合う?
いつも食べているお米の量が減ると、子どもが物足りなさを感じることもあるでしょう。そんなときは、用意した別の料理を前向きな言葉で伝えてみるのが効果的です。「今日はこんな工夫をしてみたよ」と話すことで、楽しく受け入れやすくなります。
年齢が上がってきた子どもには、なぜ代用が必要なのかを、わかりやすく伝えていくのも一つの方法です。押しつけず、一緒に考える姿勢が、納得と協力につながるようです。
工夫を伝えることで育つ、食への関心
工夫しながら満足感を得る経験は、子どもにとっても食への関心を深める機会になります。「今日は雑穀を混ぜてみたよ」「さつまいもでお腹いっぱいになるね」といった会話は、食について考える経験にもつながります。
日々の食卓を通じて、食べものの大切さや、工夫する知恵を伝えていけたら素敵ですね。
柔軟な対応で満足感を感じましょう
お米不足の影響は、避けにくいものですが、家庭での工夫によって、いつもと違う食の楽しみ方ができる機会にもなります。ごはんにこだわりすぎず、さまざまなアイデアを柔軟に取り入れながら、子どもと一緒に楽しい食卓を囲んでくださいね。
こちらの記事もおすすめ
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)