いまやクリスマスケーキになくてはならない、いちご。ビタミンCいっぱいの真っ赤な果実で親しまれていますが、日本へは江戸時代末期にオランダから伝来したのが始まりといわれています。現在、日本で登録されているいちごは、なんと約300種類。まさに日本はいちご天国なんです!
美味しい いちごの選び方
いちごは水分が多いため、傷みやすいのが難点。パック売りの時に、すでに傷んでいるものを買ってしまったという残念な経験はないでしょうか? 選ぶ時に外せないのは、4つ。赤色が鮮やかで光沢がある・表面に傷がない・ツブツブがくっきりとしている・ヘタにハリがあり乾いていないこと。このポイントを確認しながら購入するようにしましょう。あとは、パックの裏もチェック! たまに、上のいちごに押しつぶされて傷んでいることがあるため最終確認をお忘れなく。
いちごの保存期間はどれくらい?
水で洗わず冷蔵保存した場合で、約1週間が目安です。冷凍は、約1か月。干した場合は、2週間ほど保存ができます(半乾きは必ず冷蔵庫で保存すること)。いずれもビタミンCの流失を避けるため、できるだけ食べる直前に水洗いをするようにしましょう!
いちごの保存に適した温度とは?
いちごは冷えすぎると、いちごが持つ抗酸化作用が発揮できない状況に。逆に10℃程度で約1.8倍もアップすると言われています。さらに赤い色素成分であるアントシアニンも約3倍になるとか。栄養素を保つためには、野菜室が向いている果物といえそうです。
常温で保存する場合
基本的に温度が安定しない常温保存は、あまりおすすめできません。ここでは、たまたま産直などで鮮度抜群のいちごが手に入った場合のみ、常温保存する方法をご紹介します。この場合も水洗いはせず、1粒1粒キッチンペーパーで包んでからタッパーなどに重ならないように詰めます。冷暖房などがあたらない風通しのよい冷暗所で保存しましょう。できるだけ早め(翌日くらいまで)に食べ切れば、つみ立ての新鮮さを味わうことができます。
冷蔵庫で保存した場合
冷気のあたる冷蔵庫では、一体どのように保存するのが正解なのでしょうか。次に、いちごを冷蔵庫で保存するときの注意点をご紹介します。
いちご保存の裏技&テクニック
いちごの冷蔵保存の基本は、まず“洗わないこと”。パックから取り出したら、1度水洗いしたくなりますがそれはNGです。理由は、豊富に含まれるビタミンCが流失してしまい、水を含むことでさらに傷みやすくなってしまうからです。また、ヘタをとるのもご法度! ヘタには、果肉よりも高いビタミンCがあり、その差は10%増とも。食べる直前に取るのが正しい保存法なんです。
配置換えだけ! 鮮度をキープする方法
冷蔵保存をする際、基本の考え方を生かしながら、配置換えするだけで鮮度を保つ方法があります。100円ショップなどで売っている使い捨てのフタつきタッパーを使う方法です。下にキッチンペーパーを敷き、重ならないように並べ替えてフタをしてください。この場合もヘタを残して洗わずに保存するのが大切です。
いちごはアルミホイルと相性抜群!?
いちごとアルミホイルは結び付かないかもしれませんが、いちごを保存する時の強い味方がアルミホイルなんです。用意するのは、アルミホイルとキッチンペーパーのみ。いちごを洗わずにアルミホイルにキッチンペーパーを重ねた上に載せていきます(このとき、ヘタを下にするのがポイント!)。いちごは乾燥に弱いため、しっかりと包み込んで冷蔵すれば、傷みにくく保存期間も断然長くなります。
干せば栄養価もアップ!
常温や冷蔵保存以外に、ドライフルーツにしてしまうという上級テクニックも。
作り方は、薄切りにして盆ザルなどに重ならないように並べて上下をたまに返し、2日ほど天日干しするだけです。この方法で、栄養価はさらに高まります。しかも、カラカラに乾いたいちごは、保存期間がぐーんと長くなり、冷蔵庫よりも1週間ほど長くなるうれしいおまけ付きです。
気になる保存法はありましたか? いちごの保存法はいろいろありますが、ぜひ自分にもできそうなやり方で、お試しくださいね。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
いちごを使ったおすすめレシピ
【1】いちごのムース
クリーミーでなめらか!
◆材料
(4~5人分)
いちご 1パック(350g)
粉ゼラチン 8g
水 40cc
生クリーム 200cc
【A】
砂糖 90g
レモン果汁 1/2個分
◆作り方
【1】粉ゼラチンは水に振り入れてふやかす。
【2】生クリームは8分立てにし、使う直前まで冷蔵庫で冷やす。
【3】いちごはヘタを除き、ミキサーにかけてピューレ状にする。【A】とともに鍋に入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら火から下ろし、【1】を加え、へらで混ぜて溶かす。
【4】【3】をボウルに移し、氷水にあてながら、とろみがつくまで混ぜる。【2】を2回に分けて加え、そのつどむらなく混ぜる。
【5】型に流し、冷蔵庫で冷やし固める。
*食べるときに、輪切りのいちごやミントの葉を飾っても。
教えてくれたのは
柳瀬久美子さん
フランスに留学し、フランス家庭のお菓子と料理をマスター。簡単でおいしくて、おしゃれなレシピが人気。
『ベビーブック』2012年3月号
【2】いちご入りスティックチーズケーキ
細長く切って個包装にすると食べやすく、持ち寄りにもバッチリです。
◆材料
(13×15×4.5cmの型1台分)
胚芽クラッカー 65g
バター 35g
【A】
いちご 2/3パック(200g)
グラニュー糖 65g
レモンの絞り汁 大さじ2/3
クリームチーズ 180g
砂糖 35g
生クリーム 140cc
卵 2個
コーンスターチ 大さじ1と1/2
◆作り方
【1】胚芽クラッカーはフードプロセッサーで細かく砕き、バターは電子レンジで加熱して溶かし、合わせてよく混ぜる。クッキングシ ートを敷いた型に敷き詰め、冷蔵庫で20分冷やす。
【2】鍋に【A】を入れてザッと混ぜ、中火にかけ、アクを取りながら15分煮る。50gを残してフードプロセッサー(またはミキサー)にかけてピ ューレ状にし、ざるでこす。
【3】ボウルに室温に戻したクリームチーズと砂糖を入れてよく混ぜ、生クリームを3回に分けて加え、そのつどよく混ぜる。
【4】【3】に溶いた卵を5回に分けて加えてそのつどよく混ぜ、コーンスターチを加えてさらによく混ぜる。【2】のすべてを加えてザッと混ぜる。
【5】【1】に【4】を流し入れ、オーブンの天板にのせ、天板に熱湯を注ぎ、180℃に熱したオーブンで30分焼き、 150℃に下げて30~40分焼く。
【6】しっかりと冷まし、ステ ィック状に切り分ける。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合の目安です。
教えてくれたのは
YOMEちゃんさん
愛情たっぷりの育児日記と日常のアイデアあふれる献立をつづ ったブログ「よめ膳@YOMEカフ ェ」が人気で、毎月200万アクセスを誇る。女の子のママ。
『めばえ』2014年6月号
【3】いちごのはちみつ煮
甘くて酸っぱい、大人も子ども大好きな味!上に沿えたリコッタチーズとの相性◎!
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
いちご 1パック
水 100ml
はちみつ 大さじ2
リコッタチーズ 大さじ2
※リコッタチーズは、水切りしたヨーグルトでも代用可。
◆作り方
【1】いちごはヘタを取って半分に切る。
【2】鍋に水、【1】、はちみつを入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にしてフタをし、10分煮る。食べる前にリコッタチーズをのせる。
教えてくれたのは
ウー・ウェンさん
北京生まれ。1990年に来日。北京家庭料理が評判となり、料理家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。
『めばえ』2017年6月号
【4】ストロベリークラフティ
とろとろの生地は冷めても美味。
◆材料
(4人分)
いちご 8個
【A】
コーンスターチ 20g
砂糖 90~100g
卵 2個
【B】
牛乳 80cc
生クリーム 120cc
バニラエッセンス 少々
バター 適量
※いちごは中サイズを使っています。いちごの大きさによって調節してください。
◆作り方
【1】いちごはヘタを除いて、食べやすく切る。
【2】ボウルに【A】を入れ、泡立て器でサッと混ぜ、卵を加えてよく混ぜ合わせる。【B】を加えて、さらに混ぜる。
【3】耐熱容器4個の内側にバターを薄く塗り、【2】を茶こしを通して流し入れ、【1】を並べる。
【4】180℃ のオーブンで20~30分焼く。
教えてくれたのは
柳瀬久美子さん
フランスに留学し、フランス家庭のお菓子と料理をマスター。簡単でおいしくて、おしゃれなレシピが人気。
『ベビーブック』2012年3月号
【5】いちごとブルーベリーのクリームチーズピザ
カラフルで華やか、ケーキ感覚で楽しく作りたいデザートピザ。クリームチーズで甘さ抑えめに。
◆材料
(直径25cm×1枚分)
ピザ生地 1枚
いちご 8個
ブルーベリー 大さじ4
クリームチーズ 100g
はちみつ 大さじ3
コーンフレーク 適量
◆作り方
【1】いちごは4等分に切る。
【2】クリームチーズは室温に戻し(または電子レンジで1分ほど加熱し)、はちみつを加えて混ぜる。
【3】ピザ生地に【2】を塗り、【1】とブルーベリー、コーンフレークをのせ、220℃に熱したオーブンで15~20分ほど焼く。
【1】混ぜる
ボウルに強力粉、塩、水を 入れ、箸などで混ぜ合わせる。
【2】こねる
【1】にオリーブ油を加えて、手でこねる。まとまったら、30分ほどおく。
【3】のばす
【2】を2等分し、めん棒(または手)でそれぞれ直径25 ㎝ぐらいにのばす。
*生地は【2】の状態で冷凍保存できる。ラップに包み、冷凍保存用袋に入れる
教えてくれたのは
鈴木 薫さん
シンプルで、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子、男の子の母。
『めばえ』2015年3月号
【6】カステラの一口ケーキ
小さく切ってクリームやフルーツでかわいくデコレーション♪
◆材料
(作りやすい分量)
カステラ 3切れ
ホイップクリーム 適量
好みのフルーツ(いちご、キウイ、ブルーベリー)、チョコスプレー、メレンゲドールなど 適量
◆作り方
【1】カステラは1切れの厚みを半分にし、大きさも半分に切る。合計6組のケーキ台を作る。
【2】フルーツは小さめに切る。
【3】【1】のカステラの間にホイップを絞ってはさみ、上にもホイップを絞る。【2】やチョコスプレーなどを飾る。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2015年12月号
【7】スコップケーキ
ざっくり作って、ざっくり取り分けるからラクチン!
◆材料
(20×13×深さ4~5cmの容器1個分)
市販のスポンジケーキ 1台
【A】
生クリーム 2/3カップ
プレーンヨーグルト 大さじ3
砂糖 20g
バナナ 小1本
いちご 6粒~
ブルーベリー 適量
板チョコ 適量
【B】
いちごジャム 大さじ1
水 大さじ3
◆作り方
【1】バナナは薄切りにし、いちごはヘタを取 って薄切りにする。板チョコはピーラーなどで削るか刻む。
【2】耐熱容器に【B】を入れて混ぜ、電子レンジで加熱して溶かす。
【3】ボウルに【A】を入れ、底を氷水にあてながら7~8分立てに泡立てる。
【4】スポンジケーキは横半分に切り、半量を容器に合わせて切って敷き詰め、【2】の半量を塗り、【3】の大さじ3を塗り、バナナをのせる。【3】の大さじ1を塗り、板チョコを散らし、残りのスポンジケーキをのせる。【2】の残りを塗り、【3】の大さじ6~7を全体に塗る。
【5】冷蔵庫に30分以上おいて、クリームにのせやすくなったら、いちご、ブルーベリー、あればミントを飾る。
※電子レンジの加熱時間は600Wの場合の目安です。
教えてくれたのは
青木恭子さん
小田真規子主宰のスタジオナ ッツ所属。2つの保育園に7年間、栄養士として勤務。0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は、雑誌やWEBなどで活躍中。
『めばえ』2016年3月号
【8】いちごバナナミルク
食の細い子にもぴったり!もう一品というときにも、砂糖を加えていないバナナといちごと牛乳のドリンクで朝の栄養補給はバッチりです。
◆材料
(子ども1人分)
いちご 3個
バナナ 1/3本
牛乳 1/2カップ
◆作り方
【1】いちごはへたを取り、半分に切る。バナナは皮をむき、2cm幅に切る。
【2】ポリ袋に【1】と牛乳を入れて口を閉じ、手で果物をつぶすようにもむ。
教えてくれたのは
松尾みゆきさん
管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーターとして、テレビや雑誌、書籍等、幅広く活躍。自身も母として「食育」を実践している。
『めばえ』2016年5月号
【9】いちごとバナナのクリームチーズのキッシュ風グラタン
旬の果物がいっぱいで、デザートみたい♪ 焼き上りにはキッシュの甘い香りが部屋いっぱいに広がります。
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
いちご 小20個
バナナ 1本
キウイ 1個
みかん 1個
クリームチーズ 20g
【卵液】
牛乳 1/2カップ
生クリーム 1/4カップ
卵 2個
砂糖 50g
◆作り方
【1】いちごはへたを切る。バナナは輪切りに、キウイは半月切りにする。みかんは皮をむいて小房に分ける。
【2】耐熱皿に【1】のフルーツを並べ、よく混ぜた卵液を流し入れて、クリームチーズをちぎって散らす。アルミホイルをかけてオーブントースターで12分ほど焼く。
教えてくれたのは
コウ ケンテツさん
料理研究家。旬の素材を生かした簡単&ヘルシー&おいしいメニューが評判で、テレビや雑誌、講演会など多方面で活躍。1男1女のパパとして、食育や食を通してのコミュニケーション活動にも力を入れている。
『めばえ』2017年2月号
【10】食パンいちごケーキ
簡単に作れてフルーツたっぷり、甘さ控えめ。ヨーグルトソースでさわやかな味わいに。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
サンドイッチ用食パン 3枚
いちごジャム 大さじ1
バナナ 小1本
【A】生クリーム 1/3カップ
砂糖 大さじ11/2
プレーンヨーグルト 大さじ2
いちご 小4粒
◆作り方
【1】パンにいちごジャムを等分に塗る。
【2】ボウルに【A】を入れ、氷水にあてながら泡立て器で八分立てにする。
【3】【1】のパン1枚に【2】のクリーム大さじ1を塗り、薄切りにしたバナナの半量をのせ、【2】の大さじ1を塗る。2枚目のパンを重ねて同様にし、3枚目のパンはジャムの面を下にしてのせる。全体をラップで包み、20分ほど冷蔵庫で冷やす。
【4】ラップを外して対角線上に切り、残った生クリーム小さじ1ずつをのせ、いちごを飾る。
教えてくれたのは
青木恭子さん
小田真規子主宰のスタジオナッツ所属。2つの保育園に7年間、栄養士として勤務。0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は、雑誌やWEBなどで活躍。
『ベビーブック』2014年3月号
構成/HugKum編集部