日本の伝統文化ともいえる「武道」。なかでも弓道は、心身の鍛錬につながると言われています。今回は、弓道を習うメリット、初心者でも安心の弓道教室の選び方をご紹介しましょう。また、子どもが通えるおすすめの弓道教室や弓具もピックアップしました!
目次
心が整う。子供の習い事に「弓道」を選ぶメリット
弓道を習うことで、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットを紹介します。
心を鍛えることができる
弓道では、心も体も鍛えることができます。的を射るときは集中力を要します。集中力を欠くと、矢が的に中(あた)らず、体勢も歪んでしまいます。また、練習では、集中力を保ちながら弓を引く動作を何度も繰り返します。そのことで、忍耐力も養われます。
礼儀が身につく
武道の基本は、「礼に始まり礼に終わる」といわれています。これは、弓道に限らず、柔道や剣道などでも同じです。このことから武道では、あいさつや感謝の気持ちを養えるのです。
弓道教室では、まず、弓道場での作法を教わります。その作法には、入退場の際に、神棚に一礼することや、弓道場使用前後の清掃などがあります。これらを続けることで、礼儀作法が身につき、生活上でも役立ちます。
姿勢がよくなる
弓道では、姿勢が大切です。正しい姿勢でなければ、弓を引くことは不可能です。練習を重ねることで、全身の筋肉をまんべんなく使うことができ、正しい姿勢が保てるようになります。もちろん、普段の生活でもきれいな姿勢で過ごせるようになるメリットがあります。
弓道の習い事の注意点
習い事として弓道を選ぶ場合に、注意すべきポイントがいくつかあります。
弓道教室は基本的に中学生から
ほとんどの弓道教室の募集は、中学生からが対象です。なぜ、小さいうちから習えないのでしょうか。小学生以下だと骨が形成されていく段階なので、そのときに強い力が加わると、ゆがみや骨が曲がってしまうなどの恐れがあるからなのです。
また、弓を持つ、弓を引くには力が必要となります。それらの力が備わっていないと、弓道は難しいでしょう。
ただし、弓道教室によっては小学校高学年から受け入れているところもあるようです。
弓道教室が少ない
弓道をするには、弓道場が必要となります。よって、弓道教室の数はたくさんあるわけではないのです。家の近くにないこともあるので、教室に通いたい場合は、しっかり調べましょう。
初心者でも安心の弓道教室の選び方
弓道教室を通うにあたり、いつから始められるのか、月謝はどのくらいかが気になりますよね。ここではそれらを含め、弓道教室の選び方を紹介します。
何歳から始められるの?
残念ながら、弓道は幼児や小学校低学年のお子さんが通えるところはほとんどない状態です。早くても、小学校高学年から。ですが、小学校高学年でも受け入れてもらえるところは非常に少ないです。
年齢制限しているところも多い
弓道教室では年齢制限を設けているところも多いです。多くの弓道教室は、中学生または高校生以上からとなっています。その理由は、小学生以下だと体が発達段階で、骨格ができておらず、体に負担がかかるためです。
弓道は中学生や高校生からはじめても遅くありません。子どもが弓道に興味があるようでしたら、少し大きくなってから習うようにしてみてはいかがでしょうか。
月謝や費用はどれくらい?
弓道の月謝の相場は、5,000~10,000円程度です。ほとんどの場合、最初は弓具を貸してもらえますが、弓具を揃えるとなると、70,000円程度はかかります。また、場合によっては年会費がかかる教室もあります。
子どもが通える弓道教室のおすすめ
小学生や中学生が通える弓道教室をご紹介します。また、ご自宅の近くの弓道場を調べたい場合は、公益財団法人全日本弓道連盟のホームページの「全国弓道場マップ」を活用し、弓道教室の開催などを聞いてみるのもよいでしょう。
「太田市弓道連盟」(群馬県・太田市)
「太田市弓道連盟」は、市内はもとより近隣の地域からも弓道愛好者が集まってその会員数を増やしている連盟です。練習は、9時~16時が主婦層や高齢者層、15時~19時は高校生、そして18時~21時は勤め帰りの人達がそれぞれ中心となって、会員各自の都合にあった時間帯を利用しているのだそう。
こちらでは、小学5年生から中学生が対象とした、ジュニア弓道教室を開催しています。弓具の弓、弽(ゆがけ)、矢は貸し出しがあります。
「三芳町弓道スポーツ少年団みのり弓和会」(埼玉県・入間郡)
「三芳町弓道スポーツ少年団みのり弓和会」は、埼玉県入間郡三芳町で武道として弓道の稽古を積んでいる会です。会員は小学生~70歳代と幅広いのが特徴です。稽古日であれば、いつでも見学可能とのことなので、訪れてみてはいかがでしょうか。
「鳥取市弓道場 弓道教室」(鳥取県・鳥取市)
鳥取県鳥取市の「鳥取市弓道場」では、初心者教室を開催。この教室では、弓道をとおして心身を鍛え、礼儀を学び、弓道の修練が、心身共に日常に生かされることを目的としています。参加可能年齢は、小学生高学年から。初心者教室は、10回の教室の受講(予定)です。
「司正会」(東京都・足立区)
「司正会」は、弓道初心者から上級者まで、さまざまな人が集まり楽しく練習をしている会です。練習場所は、足立区綾瀬にある東京武道館。練習環境にとても恵まれています。2ヶ月に1度の司正会主催月例会に、年1回の夏季合宿、正月の新年射会に年末の納射会とさまざまなイベントも盛りだくさん。練習日ならいつでも見学可能です。
「荒川弓道連盟」(東京都・荒川区)
1953年(昭和28年)4月1日設立、東京都弓道連盟第一地区に加盟する荒川支部。道場は、荒川総合スポーツセンター4階にある弓道場を使用しています。荒川区及び、荒川区周辺の在住者、在勤者、そして荒川区と縁のある人々など、10代~80代男女と幅広い層のメンバーで構成されており、日々の稽古に励んでいます。弓道教室も開催されていますが、そちらの問い合わせは、荒川総合スポーツセンターへ。
弓道の習い事に必要な弓具
弓道教室に通うことになったら、必要なのが弓具です。ここでは、初心者におすすめの弓具をご紹介します。
弓道着
弓道衣には上衣、角帯、足袋、袴などがあります。上衣は、体にフィットするサイズを選ぶようにしましょう。サイズが大きすぎると、着装が乱れ、動きを邪魔してしまいます。また、袴は、帯を結ぶ位置を決め、くるぶしの中心に袴の裾がくる長さのものがベストです。
弓道着 上着 通年用
ポリエステル65%、綿35%素材の上位です。綿100パーセントより薄手で、シワになりにくいのが特徴です。ポケット付きなので、貴重品を入れるのに重宝します。
弓道着 袴 通年用
奥ヒダステッチが入った袴で、たたみやすいのがポイントです。足を揃えて立った時、足のくるぶしの中心が袴の下端となるサイズを選びましょう。中・高校生で、身長が伸びている方は、少し長めの袴を購入し、裾を折り曲げて仕付けるのがおすすめです。
弓かけ
弓かけは、弓を引くための道具です。弓かけは鹿革でできているため、最初の使い心地は固いため、早めに購入し、手に馴染ませるようにするとよいでしょう。弓かけには三つがけと四つがけの2種類ありますが、初心者であれば三つがけがおすすめです。
【弓道】弓かけ ゆがけ【手形合わせ】
初心者向け弓かけです。小鹿の染革を使い、控え部分を堅くすることで、ある程度の弓力に対応しています。基本的な馬手(右手)の捻りをかけやすく、自然な取りかけができるように製作されています。
三本カケR
メイン素材にレザーを使用した弓かけです。親指が、人差し指や中指ぐらいに柔らかいタイプなので、初心者に適しています。
矢
矢に使われている素材には、ジュラルミンやカーボン、竹などがあります。また、矢についている羽根もさまざまです。それらの組み合わせによって、値段が変わりますし、特徴も違います。
初心者の人におすすめなのは、安価なジュラルミン矢です。また、カーボン矢であれば、高価ですが丈夫です。
弓道用ジュラ矢
矢の大部分をしめるシャフトがジュラルミン製の矢です。羽根には、ターキー(七面鳥)が使われています。耐久性、均一性に優れ、安価なのが特徴です。
弓道 矢 黒尾羽 特選抜染 粕尾柄
カーボン製の矢です。最大の特徴は、剛性を落とさず、軽い箆が出来ること。箆を軽くすることにより、矢のバランスを前にすることができ、より安定した飛びが得られます。
弓
弓は、初心者の場合、道場や教室で借りることが多いかもしれません。練習を重ね、自分の弓力や自分に合う弓がわかってから買うのがおすすめです。
弓の素材にも、グラスファイバーやカーボン、竹製などがあります。初心者の方におすすめの弓は、グラスファイバー製がよいでしょう。グラスファイバー弓は、形状が変化しにくく、耐久性があるためです。
直心1グラス弓 二寸伸
日本のグラスファイバー弓の代表商品「直心直心Iグラスファイバー弓」。航空、宇宙、スポーツ分野で広く使われているTグラスを使用し、木層三層構造になっています。そのため、曲げ弾性が実技、練心に比べて強く、ねじれ剛性、芯材との親和性に優れているのが特徴です。
実技 並寸【弓道用グラス弓】
「実技」は、グラスファイバー製の弓です。手の内や射がまだ安定していない初心者向けのモデルです。裏反りが最も浅く、初心者でも扱いやすいでしょう。
心体鍛錬・礼儀が学べる弓道は、大きくなってからの習い事におすすめ
弓道は、骨格がしっかりとしてきてから、健康なご高齢の方まで、幅広い世代の方が楽しめるスポーツです。心体が磨かれ、礼儀作法も身につけられ、それらは生活上でも役立ちます。弓道は子どもが少し大きくなったら、ぜひおすすめしたい習い事です。
文・構成/HugKum編集部