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子どもの口臭が気になるけど大丈夫?
わが子の吐息を「くさい」と感じたこと、ありませんか? 大人の場合でも「口臭には病気が潜んでいる」とよく耳にするため、なにか身体に異常があるのではないかと心配になる方も多いはず。
口臭の原因にはさまざまなものが考えられます。まずは慌てずにその原因を突き止めていくことが大切です。
本記事では、子どもの口臭の原因を解説の上、口臭対策にしておきたいことや、おすすめの口臭ケア用品をご紹介していきます。
子どもの口臭の原因は? 病気の疑いもある?
ここでは、子どもの口臭の原因として疑われるものをお伝えします。最善の対策をするためにも、まずは原因を押さえておきましょう。
磨き残しや虫歯がある
磨き残しがあると、食べカスから繁殖した菌によってガスが発生し、悪臭が発生。また、虫歯が進行すると歯の神経が死んで腐敗し、それが臭いの元に。子どもの場合、口臭の原因の8割がこの磨き残しやむし歯などによる「口内の菌」と言われています。
歯肉炎
子どもの口臭の原因には、虫歯のほかに歯肉炎も多く見られます。「まさか、うちの子が歯肉炎になるなんて」と驚くママパパも多いようですが、「子どもの4割が歯肉炎」という厚生労働省のデータもあります。
歯肉炎の原因は、磨き残しによってたまったプラーク(歯垢)です。プラークの中で歯周病菌が繁殖することで、歯茎の炎症や口臭が引き起こされます。
口腔内の渇き
唾液には口腔内を殺菌・浄化する作用があります。しかし、口呼吸が多くなると、口腔内が渇いてしまい、唾液の持つ作用が十分に発揮されません。細菌が繁殖しやすくなり、これが口臭の原因となります。
蓄膿症・副鼻腔炎による臭い
蓄膿症・副鼻腔炎では、鼻腔内に侵入した細菌を洗い流すために、大量の鼻水が生成されます。 その結果、鼻臭が生じ、鼻とつながる口の臭いにつながってしまうケースも。また、鼻で呼吸がしづらいために、口呼吸→口腔内の乾燥を引き起こしていることも考えられます。
膿栓が溜まっている
「臭い玉(膿栓)」と呼ばれるものをご存知ですか? 扁桃には体内に侵入しようとするウイルスや細菌を捕獲するための小さな穴が数十個あいています。そして、ウイルスや細菌が死骸となってこの小さな穴に溜まったものが「臭い玉(膿栓)」と呼ばれるもので、これが強烈な臭いを発するのです。通常、咳や食事の際に自然と排出されますが、口が乾いて唾液が少ない状態だと溜まってしまい、口臭の原因になります。
単純性ヘルペスに感染している
また、口臭の原因が、単純性ヘルペスウイルスである場合も。単純性ヘルペスは、発熱や歯茎の腫れを伴うヘルペス性歯肉口内炎を引き起こします。気が付いたら、すぐに歯科を受診しましょう。
体調の不調による口臭
体調の変化や不調も口臭の一因として考えられます。不規則な生活習慣や偏った食生活などによって、胃腸が疲れて消化不良を起こしていたり、腸内に悪玉菌が増えていたり…。これら内臓の不調は、におい物質を発生させる原因になり得ます。また、風邪を引き免疫力が落ちると、口腔内細菌の活動が活発になり口臭が発生します。
「臭い別」に考えられる原因|子どもの口臭、どんなにおい?
ここまで、子どもの口臭が生じる主な原因をお伝えしてきました。とはいえ、「わが子がどれに該当するのかわからない…」という方が多いはず。ここでは、あくまでも目安にはなりますが、すっぱい臭いか、ドブのような臭いか、アンモニア臭か…といった「臭いの種類」ごとに疑われる原因をお伝えします。
酸っぱい臭い
口臭が「酸っぱい」とき、お子さんは胃の不調を起こしているかもしれません。胃に不調が起きると、胃の中の食べ物がうまく消化されず、そのままお腹にとどまりがちに。そして、胃の中で食べ物が腐敗・発酵し、その臭いが血流に乗って肺から「酸っぱい」呼気として排出されていることが考えられます。
ドブのような臭い
「ドブのような臭い」の場合もまた、消化器の不調などによって消化できなかった食べ物が体内にとどまりつづけ、腐敗臭を発生させていることが原因かも。その腐敗臭の「臭い物質」が腸管から吸収され、血流→肺→呼気へと流れていることが考えられます。
アンモニアの臭い
口からおしっこのようなツンとした臭いを感じたときは、肝機能が低下しているかもしれません。
通常、体内では、摂り入れたタンパク質が消化される過程でアンモニアが生じるのですが、それは肝臓で無毒化され、後に尿といっしょに排泄されます。しかし、肝機能が低下すると、アンモニアをうまく無毒化できず、血液中のアンモニア濃度が増加。すると、口臭にも尿のような「アンモニア臭」が感じられるようになります。
うんちのような臭い
腸内環境が乱れると、口から「うんちのような臭い」が感じられる場合があります。たとえば、便秘をすると糞便臭が腸内に発生したときや、肉やお菓子など動物性タンパク質の食べ過ぎで悪玉菌が増え、腸内に悪臭が発生したとき。こういった場合、腸内の臭いが血液→肺→呼気として排出され、「うんちのような」口臭が生じます。
子どもの口臭対策はどうする?
では、こういった口臭が見られたとき、まずはどのような対処をすればよいのでしょうか? ここでは、すぐにでもやっておきたい対策をご紹介。
歯科受診する
子どもの口臭が気になる時、何科にかかればいいのか迷ってしまう方もいるかもしれません。ですが、子どもの口臭の原因の8割は口腔内の菌。まずは歯科を受診してください。原因が虫歯や歯肉炎だった場合は、定期的に歯科に通いながら改善していきましょう。
正しい歯磨き習慣
磨き残しは、ほっておくと歯周病や虫歯を引き起こします。歯垢を残さないように仕上げ磨きをしっかりすることが大切です。歯ブラシでの通常の歯磨きに加えて、フロスの使用を徹底するのも◎!
ガムを噛む
ガムを噛むと唾液の分泌がうながされます。そして、唾液には口腔内を殺菌・浄化する作用があります。口臭の原因が口の乾きにあると思われる場合は、ガムを噛ませてあげるのもおすすめです。
タブレットを舐める
夜寝る前にキシリトールが入っているタブレットを舐めることで、唾液の分泌が促されるとともに舌の汚れも着きにくくなるので、口臭を抑えることができます。タブレットを舐める際は舌を大きく動かしながら舐めるようにしましょう。唾液の分泌がさらに多くなるのでオススメです。ガムやタブレットは誤嚥のリスクもあるので、小さい子どもの場合は注意しましょう。
鼻呼吸する/耳鼻科に行く
同じく、口呼吸をしていることも、唾液の分泌が少なくなる原因に。できるだけ鼻呼吸を習慣づけるようにしましょう。また、もしも鼻に不調がある場合は耳鼻科を受診しましょう。
食事や生活習慣の見直し
食生活・生活習慣の乱れは、消化不良や腸内の悪玉菌増加を引き起こす可能性があります。これら内臓の不調は、におい物質を発生させる原因のひとつ。バランスの良い食生活と、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
記事監修
行方 隆博
日本大学歯学部卒業後、都内勤務医を経て2020年神奈川県逗子市にてルミエールデンタルオフィスを開業。自分自身も歯医者嫌いだったことから、歯医者さんが苦手な人のための歯科医院を目指し日々診療に励む。一般歯科をはじめ、インプラント、矯正、審美歯科、歯周外科、など全てに対応。
ルミエールデンタルオフィス http://lumiere-dental.com
今すぐ使いたい!市販の口臭ケア用品のおすすめ
口臭の原因が、口腔内の菌や不調にある場合は、歯科にかかりながらおうちでも丁寧な口腔ケアを徹底しましょう。ここでは、市販で簡単に手に入る子ども用の口臭ケア用品をご紹介していきます。
モンダミンKid’s ぶどう味
むし歯を防ぐマウスウォッシュの定番・モンダミンのキッズバージョン。むし歯予防や口内浄化の効果や口臭を防ぐ作用はそのままに、ノンアルコールタイプで低刺激。子どもにやさしい仕上がりとなっています。自分でクチュクチュして吐き出せるようになったら(3才頃〜)使用可能! 子どものみがき残しが気になる方におすすめです。
GUMデンタルペースト 子供スタンディング
ロゴに添えられたミッフィーがかわいい『G.U.M』のキッズ用デンタルペースト。ブラッシングだけでは取り除けない歯垢をコントロールし、将来、ムシ歯や歯肉炎になりにくい口腔環境を整えてくれます。子どものムシ歯や歯肉炎予防をしておきたいママパパから人気のアイテムです。
ファイン ハピカタブレット
『ファイン ハピカタブレット』は、寝る前の歯磨きのごほうびにおすすめ!
カルシウムやキシリトールなど、歯に良い成分がたっぷり配合されていて、虫歯になりにくい口内環境を作ってくれます。さらに、おいしいぶどう味なので、子どもにとって毎日のハミガキが楽しい時間に!
歯磨きや生活習慣を見直しつつ、気になる場合は専門家に相談しましょう
お子さんの口臭の原因に、当てはまりそうなものはありましたか? 子どもの口臭は決して珍しいものではありません。口腔内のケアや食生活・生活習慣を見直しつつ、気になる場合は専門家に相談してみましょう。
構成/HugKum編集部 文/羽吹理美