赤ちゃんが9ヶ月くらいになると「後追い」が始まります。ママ(パパ)の姿が見えなくなると泣き出したり、探し回ったり、追いかけられたりしたことは、どんなママ・パパも経験したことがあるのではないでしょうか。
当記事では、赤ちゃんの後追いとはどのようなものなのか、いつからいつまで行われるのか、後追いしないのは愛情不足が原因なのか、などについて解説します。また、Hugkum編集部ではママ・パパへのアンケートを実施、赤ちゃんの後追いについてどう感じていたのかをリサーチしてみました。
赤ちゃんの後追いとは?
赤ちゃんの後追いとは、ママやパパなど目の前にいた人がいなくなったときに泣き出したり、探し回る行為をいいます。特にママがいなくなると、トイレや洗濯物を干している間でも泣かれてしまうので、家事が進まないと感じているママも多いでしょう。後追いが始まると、赤ちゃんはどこにでもついてこようとするので、目が離せなくなります。
赤ちゃんの後追いはいつからいつまで?
赤ちゃんの後追いは一時的なことであり、また、ママ(パパ)に愛着や信頼が芽生えた成長の証ともいえます。そんな赤ちゃんの後追いは、いつからいつまで続くのでしょうか。
赤ちゃんの後追いは9~11ヶ月頃から
後追いが始まる時期は、赤ちゃんによって個人差があります。早い子だと生後7~8ヶ月ごろから後追いが始まる赤ちゃんもいますが、一般的には、つかまり立ちやハイハイができるようになる生後9ヶ月ぐらいからといわれます。
後追いが始まる時期の赤ちゃんは、泣いて自己主張をするなど、自分の感じたことをアピールできるようになります。
赤ちゃんの後追いは1~2歳頃まで
生後9ヶ月ごろから始まる後追いは、一般的には1~2歳の間に落ち着く子が多いといいます。記憶力が発達することによって、ママやパパが戻ってくることがわかれば、徐々に離れていても平気になっていきます。また、言葉を理解できるようになったり、環境の変化に対応ができるようになると後追いしなくなるようです。
赤ちゃんの後追いに寂しさやストレスなどを感じましたか?
赤ちゃんの後追いについて、ママ・パパにアンケートで聞いてみました。後追いされることで、一緒にいてあげられない寂しさや、泣かれてしまったりなどしてストレスを感じた方や、感じなかった方もいるようです。
寂しさやストレスなどを感じた
アンケートによると、全体の52.1%の方が赤ちゃんの後追いに寂しさやストレスを感じたようです。「トイレにゆっくり入れない」「家事ができない」などの回答も多いようですが、先輩ママからは「今となってはかわいい思い出」と懐かしむ意見も見受けられました。
・トイレまで一緒についてきていました。気持ちに余裕があるときなら気にせずいられますが、余裕がないときはトイレくらい一人で一息つきたい!!って思いました。しかし、子どもが大きくなった今は「もっと一緒にいたかったな」と思います。 [ 女性 ]
・洗濯物を干すときも、抱っこから降ろすと大泣きするので、家事ができない!とわたしも泣いた記憶があります。おんぶ紐を使うことで解決しました。 [ 女性 ]
寂しさやストレスなどを感じなかった
一方で、43.2%の方は後追いでの寂しさやストレスを感じなかったと回答しました。「そこまで後追いされなかった」「後追いの期間が短かったから」という回答以外には、「お兄ちゃんが遊んでくれていた」「祖父母が手伝ってくれた」など、家族の協力があった場合は寂しさやストレスを感じなかったようです。
・祖父や祖母も一緒に住んでいるためか、後追いをすることがなかったので。 [ 女性 ]
・後追いされたり、特に泣くこともなかった。第二子のときは、お兄ちゃんがいたのでかまってくれたからかも。 [ 女性 ]
赤ちゃんの後追いの原因は?
赤ちゃんが後追いの原因には、どんなことが関係しているのでしょうか。赤ちゃんの後追いがひどくなる原因や、終わったのに再び復活する原因について見ていきましょう。
後追いがひどくなる・再び復活する原因は?
赤ちゃんの後追いは、ママやパパが離れようとすればするほどひどくなることもあります。ママ・パパが仕事に復帰することが決まったり、環境の変化を不安に思うことが原因のようです。また、ママが下の子の出産で入院した場合などにも、後追いが復活することがあるようです。
赤ちゃんが後追いしないのは愛情不足?
インターネットなどでは、赤ちゃんが後追いをしないのは親の愛情不足と書かれていることもあるようです。ママ・パパに対する赤ちゃんの関心や執着心が薄いように見えるため、そのような情報が出回っているのかもしれません。
でも、後追いをしないのは、愛情不足が原因とは限りません。生活環境や性格にもよるでしょう。ママ・パパの愛情と関係なく、祖父母や兄弟がいると後追いをしない赤ちゃんもいるでしょう。後追いをしないからといって必ずしも問題があるとはいえませんが、どうしても気になる場合は小児科医に相談してみてもいいでしょう。
赤ちゃんの後追いへの対処法
赤ちゃんの後追いには、どのように対処するといいのでしょうか。どの方法が適しているのかは赤ちゃんによって変わってきますが、紹介する対処法でできるだけ楽に乗り切れるよう、参考にしてみてください。
保育園に預けてみる
朝から晩まで家の中で赤ちゃんとずっと一緒にいると、後追いされ続けてストレスに感じてしまうこともあるでしょう。そんなママ・パパは、赤ちゃんを保育園に預けたり、子育て支援センターなどに出かけることがおすすめです。月齢が近い赤ちゃんが集まる場所に行けば、他のママ・パパと悩みを共有することもできて、気分転換にもつながります。
離れるときは声をかけてから
親が急にいなくなると赤ちゃんも不安に感じてしまいます。たとえトイレなど短時間でも、そばを離れるときは「すぐに戻るから待っててね」など、その都度声をかけてから離れましょう。
言葉がわからなくても何度も繰り返して伝えることで、赤ちゃんに理解させてあげることが重要です。
危ない場所を作らない
ハイハイができるようになると、赤ちゃんがママ・パパを探すためにキッチンや階段をひとりで移動してしまうことがあります。赤ちゃんから目を離す場合は、危険な物や場所がないか周りを確認しましょう。また、赤ちゃんが危ない場所に行かないように、ベビーゲートなどで囲っておくことも有効です。
おんぶ・抱っこ紐を使う
どうしても家事をしなくてはいけないときは、おんぶ紐や抱っこ紐の利用も考えてみましょう。ただし、思ったよりもママ・パパの体に負担がかかるので、使う時間や頻度などの工夫をしましょう。
家事は最低限にする
後追いの期間は、長く続くものではありません。ママ・パパに愛着や信頼が芽生える大切な時期なので、できるだけ家族と協力して家事を分担し、なるべく赤ちゃんと一緒にいてあげましょう。
後追い期間も心に余裕を
赤ちゃんの後追いの原因、期間、後追いについてのアンケート結果をご紹介しました。また、アンケートの結果から、後追いの寂しさやストレスを感じている方がたくさんいることもわかりました。赤ちゃんの後追いについてひとりで考えすぎず、先輩ママ・パパや子育て支援センター、保育園、病院などに悩みを相談してみるのもいいかもしれません。周囲の協力を得ながら、後追いはこの時期だけと理解して丁寧に対応しましょう。
記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部