生後2カ月の適正な授乳間隔は、どの程度なのでしょうか? この記事では、まず生後2カ月の赤ちゃんの状態や1日の過ごし方を確認。そのうえで生後2カ月の赤ちゃんの授乳間隔、授乳量、回数、さらに「間隔があかない」「ミルクを飲まない」「おっぱいが張らない」など、生後2カ月の赤ちゃんの授乳間隔の困りごとへの対処法をご紹介します。
目次
生後2ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔、どの程度が適正なの?
赤ちゃんの成長はとても早く、特に生後数カ月はぐんぐん成長します。生後2カ月になると、生まれて間もない新生児期に比べて、おっぱいやミルクを飲むことにも慣れてきて、頻度も多くなってきます。なかには、生後2カ月の赤ちゃんの授乳間隔はどのくらいが適正か、心配になるママもいることでしょう。本記事では、生後2カ月の赤ちゃんの授乳間隔を見ていきます。
生後2カ月の赤ちゃんの状態
まず生後2か月の赤ちゃんの体がどんな状態なのか、体重や身長を確認してみましょう。厚生労働省の平成22年乳幼児身体発育調査報告書によると、月齢2〜3カ月未満の赤ちゃんの体重と身長の平均値は以下のとおりです。月齢1〜2カ月未満の赤ちゃんと比べると体重は1kg程度増え、身長は3cm程度伸びています。
- 男の子 体重5.83kg 身長59.0cm
- 女の子 体重5.42kg 身長57.8cm
できるようになること
赤ちゃんの成長は個人差が大きいですが、生後2カ月くらいになると、体の筋肉が少しずつ発達してくるため、手足をばたばたと動かしたり、指しゃぶりをするようになります
首がすわるのは生後3カ月半頃になりますが、生後2カ月でも首が少しずつしっかりしてきます。また周囲のものを目で追うほか、表情が豊かになっていく時期です。
もちろん、成長には個人差がありますので、参考程度に考えてください。
生後2カ月の赤ちゃんの1日の過ごし方
次に、生後2カ月の赤ちゃんがどんな風に1日を過ごすのかを見てみましょう。
生後2カ月の赤ちゃんの睡眠時間は、おおむね14~20時間。1回の睡眠時間が少しずつ長くなり、1日の半分以上は寝て過ごします。夜に6~8時間ぐっすり寝る赤ちゃんもいます。昼寝は1日に2~3回程度行います。おしっこやうんちは個人差がありますが、1カ月の頃より回数は少なくなります。
赤ちゃんにはまだ昼と夜の区別がつきませんが、朝は窓のカーテンを開けて太陽の光を部屋に入れ、日中は散歩などの時間、お風呂の時間などを毎日ある程度決め、夜寝る時は部屋を暗くするようにして、少しずつ赤ちゃんの生活リズムを整えていくことが大切です。
生後1カ月・3カ月の赤ちゃんの過ごし方や授乳間隔
生後1カ月の赤ちゃんは個人差がありますが、1日16~20時間眠り1~2時間起きて、1~4時間寝るというサイクルを繰り返します。授乳についてはミルクだと3時間程度の間隔をあけることが一般的で、母乳の場合は赤ちゃんによって違います。
生後1カ月ではまだ上手にミルクや母乳を飲めないため、1回で十分な量を飲みきれないことも多くなります。生後1ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔と一日の過ごし方については、下記記事を参考にしてください。
生後3カ月になると、睡眠時間が1日14~15時間と短くなり、昼寝は朝、昼、夕と1日3回行い、一日のリズムがとりやすくなってきます。また赤ちゃんの首がすわり始める頃で、1度に飲める母乳・ミルクの量が160~200mlほどと多くなってきます。授乳間隔は3~4時間くらいが目安です。生後3か月の授乳間隔と生活については、下記記事を参考にしてください。
また、厚生労働省科学研究費補助金でまとめられた「未就学児の睡眠指針」という資料がありますので、こちらもチェックしてみてくださいね。
生後2カ月の赤ちゃんの授乳間隔・授乳量・回数は?
生後2カ月の赤ちゃんの授乳について、母乳・ミルク・混合の場合それぞれについて、授乳間隔・授乳量・回数を確認しましょう。
母乳の場合
完全母乳の場合、赤ちゃんがどのくらいの母乳を飲んだのかは測れません。そのため完全母乳のママは、おっぱいを与える時間をみて、どのくらいの母乳を飲んだかを頭に入れておくようにしましょう。
授乳間隔
授乳間隔は、だいたい1~3時間おきが目安です。
母乳量(トータル量)
量は1日の合計で700~1000ml程度が必要です。時間は、左右のおっぱいを各10分あげるのがひとつの目安となります。ただし、母乳は赤ちゃんが飲みたいだけあげても問題ありません。飲むスピードもさまざまなので、時間はあくまでも目安です。ですが、授乳時間が30分以上になるのは避けるようにしましょう。
授乳回数
赤ちゃんがおっぱいを欲しがったときにあげるようにしましょう。授乳間隔は1日7~8回くらいが目安です。ただし、赤ちゃんが寝ているのに、授乳の時間だからといって無理に起こしておっぱいをあげるようなことは不要です。
ミルクの場合
完全ミルクの場合は、ミルクのパッケージに記載されている量を参考にしてみてください。
授乳間隔
目安となる授乳間隔は、3時間程度です。ミルクは栄養価が高く、消化に時間がかかるため、完全母乳の場合に比べると授乳間隔はやや長くなります。
ミルク量(トータル量)
ミルクの量は、1回あたり140~160mlほど。1日の合計で700~1000ml程度になります。ミルクのパッケージに書かれている表記を参考にして赤ちゃんの様子を見ながら与えましょう。
授乳回数
授乳回数は1日6~8回程度です。
混合の場合
母乳とミルクを混合して与えている場合は、基本的に母乳をあげて、足りない分をミルクで補うようにします。そのため、母乳をどれくらいあげたのか、ミルクをどのくらい飲んだかを把握することが大切になります。
授乳間隔
授乳間隔は、だいたい1~3時間おきが目安です。
授乳量(トータル量)
授乳量は1回あたり140~160mlが目安です。ただ赤ちゃんが飲んだ母乳の量とミルクの量によって調整してください。1日の合計量は700~1000mlほどです。
授乳回数
授乳回数は1日6~8回程度。そのうち1~2回程度をミルクにするなど、様子をみながら、母乳とミルクを分けていくといいでしょう。
生後2カ月児の授乳間隔での困りごと
生後2ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔について、「間隔があかない」「ミルクを飲まない」「おっぱいが張らない」など、さまざまな悩みや困りごとに直面するかもしれません。対処法を見ていきましょう。
授乳間隔があかない・あきすぎる
母乳間隔や赤ちゃんが飲む母乳・ミルクの量は個人差が非常に大きいものです。目安となる授乳間隔に比べて「授乳間隔があかない」「授乳間隔があきすぎる」という場合も神経質になる必要はありません。
ただし、授乳間隔が1時間未満になる場合は、母乳の量が足りていない可能性があるので、ミルクで補う必要があるかもしれません。生後2ヶ月の赤ちゃんは1日30g程度体重が増えていきますので、健診などで赤ちゃんの体重を測り、成長のペースを見ていきましょう。心配な場合は、医師や助産師に相談してください。
ミルクや母乳を飲まない・飲み過ぎる
赤ちゃんがミルク・母乳を飲まないと心配になりますね。生後2カ月ではまだ赤ちゃんは授乳に完全に慣れていないことが考えられます。たとえば、抱っこの角度や体勢を変えるなど、ベストポジションを探してみてください。
また哺乳瓶の乳首が冷たいなど、ささいなことで嫌がることも考えられます。そうしたときは別の哺乳瓶を使ってみるのもよいでしょう。
逆に飲みすぎの場合でも、1日30g程度の体重増加を大きく超えていなければ問題はありません。
おっぱいが張らない・張り過ぎる
ママのおっぱいが張らない場合は、おっぱいが張りにくいタイプの「差し乳」かもししれません。しかし差し乳でも授乳を続けていれば母乳はつくられています。
一方、おっぱいが張り過ぎるのは「溜まり乳」と呼ばれるタイプで、母乳分泌過多の可能性があります。乳腺炎などのトラブルが起きることもあるので、その時は早めに医療機関を受診してください。
授乳間隔と授乳量には個人差があるもの
生後2カ月になると、赤ちゃんの成長のスピードにも授乳についても、一人ひとりによって、大きな違いが出てきます。授乳間隔も授乳量も個人差があるので、今回紹介した数字は目安として参考にする程度にとどめてください。記事で紹介したとおりではなかったとしても深刻に考える必要はありません。
少しずつ生活リズムが整っていく頃ですので、ぜひ赤ちゃんとの生活を楽しんでくださいね。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部