クリームチーズの上手な冷凍テクニック|ボロボロにしない方法から分離してもおいしいレシピまでご紹介

チーズケーキを焼いたり、そのままでもおいしく食べられるクリームチーズ。調理に使ったあと、少量あまった時はどうしていますか?そんな時は、さっと冷凍保存ができると便利ですよね。今回はクリームチーズの冷凍についてご紹介します。

クリームチーズは冷凍できる?

クリームチーズは冷凍して保存することができます。ただし、ナチュラルチーズのタイプはボロボロと分離してしまうので、加熱調理に使うことをおすすめします。

もともとチーズには、菌が生きたままのナチュラルチーズと、高温で殺菌してあるプロセスチーズの2種類がありますが、クリームチーズでもこれは同じです。同じメーカーが両方のタイプを販売していることもあります。

ナチュラルチーズの中で生きている乳酸菌を冷凍すると、菌の活動が弱まり熟成が止まりますが、死滅もしません。冷凍後は解凍して加熱する、という温度変化を大きく与えることになるので、匂いや味の変化には特に注意をしてください。その点、プロセスチーズの冷凍なら食感の変化も少なく、もともと菌類も殺菌されているため心配がありません。

チーズの種類は、パッケージの裏側に明記されているので、要チェック。

クリームチーズの特徴

クリームチーズは甘くなめらかな口当たりで、数多くあるチーズの中でも、いちばん親しみがあるかもしれません。

牛乳にクリームを混ぜて発酵させており、熟成の過程がないので比較的簡単に手作りすることもできます。

市販の商品では、プレーンの他にブルーべリーなどのフルーツ味も数多く、小分けされているのも親しみやすい点です。

冷凍するとボロボロになる理由

冷凍したクリームチーズを解凍すると、水分が出てボロボロしたダマができてしまうことがあります。どうしてこの変化は起こるのでしょうか。

クリームチーズのなめらかな口当たりは、水分を多く含むことから生み出される食感です。さらに他のチーズと比べて、脂質の含量が多い特徴をもちますが、これはつまり、水と油を同時に蓄えている状態です。冷凍・解凍によってこれらが分離し、食感が変化してしまうのです。

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冷凍保存のポイント

なめらかな食感を保てる冷凍方法はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

分離しにくい冷凍方法は急冷

ブロックのまま冷凍するのと、小分けにして冷凍するのとでは、冷凍完了までにかかる時間がちがいます。もちろん小分けのほうが早く、氷分子を小さく保てることから、水分の分離を抑える効果があります。

また、冷凍後のクリームチーズはカチカチで包丁が入りません。小分けにしておけば、使いたい量だけを解凍できるメリットもあります。15グラム程度の大きさに切りわけてからラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ保存してください。

クリームチーズを包装しているアルミの包装紙は、熱の伝導率が高いため冷凍室の冷気を食材に早く伝えます。薄くて包丁でも簡単に切れるので、はがさずにそのまま冷凍することがおすすめです。ただし、金属は電子レンジで加熱すると発火するので、レンジに入れる際は外してくださいね。凍ったままでもきれいにはがすことができますよ。

冷えていると、ほどよい固さがあるので切るのは簡単。写真の一番小さなブロックが12~13グラムです。

保存期間

クリームチーズの保存期限は未開封なら4カ月~8カ月と、比較的長く保存ができる食材です。開封すると、この期限は無効になり、できるだけ早く食べるように気をつけなくてはいけません。冷凍保存をすると、これを1カ月程度まで伸ばすことができます。

気をつけていただきたいのは、一度冷凍・解凍したクリームチーズは保存ができません。牛乳や生クリームを原料にしていることを忘れずに、できるだけ早く食べるように気をつけてくださいね。

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上手な解凍方法

解凍はクリームチーズの食感を左右する大事な工程です。なめらかな口当たりのまま解凍する方法を見ていきましょう。

解凍はゆっくりと

解凍は、ゆっくりと時間をかけて行います。方法は冷凍庫から冷蔵庫へ移すだけです。小分けしてあれば、2時間程度で柔らかくなり分離もしません。

家庭用冷凍庫の温度は-18℃が一般的ですが、高い温度で急速に解凍すると、水分と油分の分離が進んでしまいます。たとえば電子レンジの解凍コースなら、ものの数分でクリームチーズを解凍しますが、水分と分離して食感も悪くなってしまうことに…。これではせっかくの冷凍保存も台無しですね。時間をかけてゆっくりと溶かすことをおすすめします。

ボロボロしたダマがあり、水だけでなく油も出ています。口にするとボソボソの食感。

分離してもおいしい食べ方

もしも解凍してボロボロになったとしても大丈夫。おいしく食べる方法をいくつかご紹介します。

加熱調理に使う

電子レンジの解凍コースは前述のとおりオススメできませんが、「あたため」で加熱すると食感がなめらかになります。

方法は、冷凍庫から出したクリームチーズを耐熱容器に入れて、電子レンジの「あたため機能」で加熱します。加熱後は少量の水分が出ていますが、そのままゴムベラなどでかき混ぜてください。ボロボロのダマも、均一なクリーム状に戻ります。口当たりのボソボソ感は残りますが、さらに加熱する調理に加えることで気にならなくなります。

このように、加熱することで食感は気にならなくなるので、パスタソースを作る時や、ケーキを焼く時のような、加熱調理で試してみてください。

冷凍フルーツのクリームピザ

冷凍クリームチーズ(100g )を電子レンジで温めて解凍し、ブルーベリージャム(大さじ3)と、はちみつ(大さじ3)を加えて混ぜます。これを 市販のピザ生地(25cm)に塗り、冷凍ブルーベリーや、冷凍いちご(適量)を凍ったまま乗せます。オーブントースターで15分~20分程度焼いてください。

生クリームやバナナ、ミントの葉などお好みでのせるのも楽しいですね。

ジャムは、イチゴや白桃でも。お好みのものを選んでください。

凍ったまま食べる

ここまで見てきたように、クリームチーズの解凍には気をつかう部分があります。ところが、解凍せずにそのまま食べるのなら、食感を気にする必要もありません。

小さく小分けされているプロセスチーズに、アイスの棒を刺して冷凍すると、夏のおやつにピッタリです。

包丁の先で切れ目を入れてアイスの棒を刺します。冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫へ。温度が下がることで、酸味を感じにくくなるので、ジャムを添えても良いし、砂糖ときな粉を少量の水で練ったものを合わせてもおいしいです。

アイスの棒をさす向きは、写真のように横へ剥いていける向きがおすすめです。

アイス カッサータ

こちらはクリームチーズを冷凍して食べるデザート。保存するための冷凍方法ではありませんが、ご紹介します。

生クリーム(100g )にグラニュー糖(30g )を混ぜて角が立つまで泡立てます。別のボウルに、室温に戻したクリームチーズ(125g )と、砕いたナッツ類、刻んだドライフルーツ(各適量)を混ぜてしっかりと練り、先ほどの生クリームを少しずつ加えます。ラップを敷いたタッパーなどに流し入れて3時間ほどチルド室で冷やし固めれば完成。

冷凍庫に入れるとさらに冷たいアイス状に。硬すぎて切れない場合は、少し柔らかく溶かすと切りやすくなります。ラム酒に漬けたドライフルーツを使うと大人味に。

ナッツを砕いたり、混ぜ合わせたり。お子さんがお手伝いできる工程がたくさんあります。
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少量のクリームチーズでワンランクアップ

冷凍のフルーツや、ドライフルーツ、ナッツ類をお皿にのせて出すだけでなく、そこにクリームチーズがあればちょっとした一品にすることができます。かぼちゃの甘みが足りない時や、さっぱりしすぎたパスタソースにも、ほんの少し加えたい時がありますよね。

冷凍庫に少量のクリームチーズがあると役立つものです。ぜひ、冷凍保存を試してみてくださいね。

構成・文・撮影(一部除く)/もぱ(京都メディアライン)

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