すぐにサイズアウトしてしまう子ども服や、ライフステージの変化で着なくなった自分の服。みなさんは、どうしていますか? 処分するのは簡単ですが、そんな時「古着deワクチン」というサービスを利用してみてはいかがでしょうか。着なくなった衣類を送ることで、開発途上国の子ども達にワクチンを寄付することができるんです。今回、このサービスを利用してみたのでレポートします。
目次
子育て世代の悩み、“衣類あるある”ってどんなこと
子どもの服って、シーズンごとに整理するものの、お祝いでもらったちょっと良い服や、子どもが気に入っていた思い出の服は、捨てるのを躊躇してしまうことも。また、ママ自身が独身時代に買った服やバッグ。子育て中の今は使えないと思いながらも、クローゼットで眠っている方は多いのではないでしょうか?
筆者はリサイクル店へ売りに行くことも多いのですが、お気に入りだっ服が二束三文で買い取られることに寂しさを感じることも多々……。
そこで、社会貢献にもつながる「古着deワクチン」を試してみることにしました。
◆体験したのは◆
寒河江尚子(筆者)、輝埜(息子)<5歳>
SDGsや社会貢献に関心があるものの、どんなアクションを起こしたら良いのかわかりませんでした。「古着deワクチン」は、自宅にいながら簡単にできると知り、興味を持ちました!
「古着deワクチン」って、どんなサービス?
「古着deワクチン」とは、不要になった服・古着・バッグなどを、誰かの役にたてる形でお片付けできるサービス。
不要になった衣類を手放すことで、世界の子どもたちワクチンを寄付することができ、送った衣類を途上国で再利用してもらえるうえ、お部屋も片付きます。
つまり「古着deワクチン」は、「ワクチン寄付で子どもが救える」、「サスティナブルな古着の再利用」、「お部屋がスッキリ」と、あらゆる人にとっていいことづくめなのです。
開発途上国へワクチンを寄付するには
「古着deワクチン」の回収キットを購入すると、一口につき、5人分のポリオワクチンを寄付することができます。これらのワクチンは、JCV(認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会)を通じて、ミャンマー・ラオス・ブータン・バヌアツなどへ届けられます。
ワクチンが届けられる様子は動画で
開発途上国で古着を販売。雇用の創出も
集まった古着は、一度インド等に送られます。現地の女性達により選別作業が行われ、店頭に並べて販売。
この活動により、現地で雇用も生まれるのだそう!
また、「古着deワクチン」を申し込むと届く、専用回収キットやお礼状、クーポンなどの発送封入作業は、国内の福祉作業所等で行っているとのこと。
開発途上国だけでなく、国内での雇用創出にもつながっていることを知り、「古着deワクチン」の活動の意義を感じます。
お部屋も心もスッキリ!
「古着deワクチン」のサービスは、出産や成長、衣替えなどで着られなくなった服を思い切って整理するきっかけになります。「捨てるのは惜しいなぁ」と思う服も、誰かの役に立てるのなら!と思うと気持ちよく手放せるはず!
古着deワクチンの詳しい仕組みは
【公式】サイトで
チェック!>>
親子でできる、SDGs活動
「古着deワクチン」は、昨今注目されているSDGsが目指す、持続可能な社会の実現に貢献できる活動でもあります。
SDGsとは
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。国連の加盟国が2030年までに達成しようと決めた目標のことで、貧困や飢餓、教育や環境などについての17の目標から成ります。
「古着deワクチン」は、SDGsの17の目標のうち9つのゴール達成に貢献しており、第三回ジャパンSDGsアワードの特別賞(SDGsパートナーシップ賞)を受賞。このほかにも、様々な賞を受賞しています。
「古着deワクチン」受賞一覧は
こちら>>
社会に貢献する心を育てる
社会貢献に関わることは、子どもにとって貴重な体験ですよね。4~5歳になれば、自分が着られなくなった服は分かります。
「このお洋服は小さいから、困っているお友だちにゆずろうね」
と話すと、幼いながらも同じ地球の子ども達についてイメージしているようでした。
「古着deワクチン」の申し込み方法はカンタン
「古着deワクチン」の申し込みは、ホームページから簡単にできます。 実際の体験を交えてご紹介します。
【ステップ1】PC、スマホからカンタンに申し込み!
まず「古着deワクチン」のホームぺージの右上にある、「今すぐ申し込む」のボタンをクリック。「カートに入れる」ボタンを押し、必要事項を記入して専用回収キットを購入します。キットの値段は税込3,300円です。
「体験レポート」
支払いは、クレジットカードの他、Amazon Payや、PayPayでの支払いも可能! ネットショッピングの様な感覚で、手軽に申し込めました。
【ステップ2】ポストに「専用回収キット」が届く!
後日、専用回収キットが届きます。ポスト投函サイズなので、受け取りもスムーズ。専用回収キットの中には、服を入れるための回収袋や、宅急便の伝票、協賛企業クーポンなどが入っています。
「体験レポート」
ポストに届くので、受け取りが煩わしくないのは助かりました! 入っていた回収袋はとてもしっかりした紙で、25㎏まで耐えられる丈夫なものだそう。子どもが中に入って遊んでしまいましたが、破れませんでした。ホッ……。
【ステップ3】専用回収キットに衣類を詰める
専用の回収袋に不要な服を詰めていきます。この回収袋は、Tシャツなら約100枚、セーターなら約40枚入る程の大きなサイズです。注意点としては、一度送ると返却ができないので、ポケットの中などに大切なものが入っていないかチェックしておきましょう。
入れていいものは、衣類全般やバックなどの服飾雑貨全般。子どもの名前入りの服やハンドメイドのもの、着物もOKです。
また、入れてはいけないのは、下着やタイツ、靴下、水着、タオルや寝具など。例外として、贈答用の未開封のタオル等はOKです! この他、著しく汚れているものや大きな穴があいているものなどもNGです。
「体験レポート」
骨盤ベルトもOKと聞き、妊娠中にものすごくお世話になったベルトを入れました。遠い異国でも、妊婦さんの腰を支えてあげて欲しいです。しかし、とにかく大きなこの回収袋。我が家の分だけではパンパンにならず、せっかくだからとママ友にも声をかけて衣類を集めることに。皆、捨てるか迷っていた服を有意義な形で手放せたと喜んでくれました!
【ステップ4】外出することなく、集荷できる
いっぱいになった回収袋は、キットに同封されている着払い伝票を使って、佐川急便で発送します。電話で集荷依頼をすれば玄関まで取りに来てくれるので、重い回収袋を外に運ぶことなく発送できます。
「体験レポート」
最終的にはかなり重たくなったため、玄関に運ぶのも一苦労! 詰める作業は、玄関の近くで行うと良さそうです。みんなの想いを詰めた荷物を見送った後は、すがすがしい気持ちになりました!
傷みを分かち合う心が、誰かの笑顔につながる
今回は5歳の息子と一緒に作業をしましたが、困っている誰かのために、自分の大切だったものを手放すという小さな決断が、心の成長につながると感じました。
ワクチンの寄付を委託している、JCV(認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会)の細川佳代子会長は、“最も大事なことは、自分がなにかを持っていたら、それを持たない人のことを思い、分かちあおうとするその心”とおっしゃっています。私も一人の母。自分の子どもにワクチンを打ってあげられない母親達の気持ちを想像すると、少しでも役に立てたら嬉しいですし、この活動が広がって欲しいなと切実に思います。
着なくなった服がある方や、身近な社会貢献活動にご興味のある方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
写真/尾島翔太 文/寒河江尚子 構成/HugKum編集部